玲奈の異世界干渉記

はるもね

8話 アーリーの父と世界移動

夕食時分にアーリーの父親が帰ってきた


アーリーの父親の名前はカイルというらしい


アーリーの家でだされた食事は 固めのパン 野菜のスープ(薄い塩味) 芋を焼いたものとソーセージ


薄味のお茶(昼間飲んだものとは違う) だった


アーリーが10歳 カリナが8歳 ティアが25歳 カイルが28歳 ということが 食事中の会話で


新たにわかった


さらにアーリーの上に17歳のおねえさんがいることもわかった


おねえさんの名前は リリー 現在は王都へ裁縫見習いの仕事に出ているとのことだった


アーリーは微笑みながら玲奈に話す


「じゃあ明日は レーナに町の案内をするね」


「そうだな 森には調査結果が出るまで行ってはいけないし アーリー レーナを案内してあげなさい


あとレーナがよければ この町にいる間はうちにずっといるといい」


カイルがそういうとティアもそれにかぶせてくる


「そうね 宿代も浮くからそれが良いわね」


「ありがとうございます でも迷惑をおかけすることになりそうですし?」


「だいじょうぶだいじょうぶ」


玲奈は断ろうとしたが結局 断りきれずにお世話になることになった


「今日は一応リリーの部屋を使ってね 明日以降は ちゃんとレーナの部屋も用意するから」


ティアにいわれ リリーの部屋へと案内される


アーリーもカリナも一緒についてきている


「レーナちゃんに合う服がリリーの小さいときの服になるんだけど これを渡しておくわね


その今きている服だけど 洗っていいのなら 着替えたらこの籠に入れておいて」


ティアは服と小さめの籠を玲奈に手渡してくれる


「ありがとうございます」


玲奈はお礼をいて 服と籠を受け取る


「アーリーもカリナもレーナちゃんについていくのは良いけど ねるときはちゃんと


自分の部屋に戻ってねるのよ」


「はーい」


その日はリリーの部屋で夜が更けるまで話をしていたが カリナが眠気に耐えられず


寝落ちしそうになったところで 解散になった


アーリーから聞いたことによると こちらで生まれると体の一部に魔法紋と呼ばれる紋章を


植えつけられるとのこと これが地球で言う出生届 ということらしく


その魔法紋に 家系 出身国 出身地 が刻まれているという


玲奈は時分が魔法紋について何も知らなかったので自分にはないかもしれないと思ったが


アーリーがあっさりと 玲奈の手首の裏に魔法紋があると教えてくれた


たぶん 保護を受けたときにそのあたりもちゃんと調整されたんだろうと玲奈は思い直した


そして 眠りにつく




※※※




「玲奈 朝よ おきなさい」


玲奈は母親の声で目が覚めた


そこは自分の部屋で 戻ってきたのがわかった


体の疲れは取れており きちんと休んだという感覚もあった


「はーい」


玲奈は返事をして 着替えると ダイニングに降りて行く


玲奈の部屋は2階にある


ダイニングに行くとすでに母親が朝ごはんを用意してくれていた


「おはよう 玲奈」


「おはよう」


父親と母親が朝の挨拶をしてくる


「おはようございます 父さん 母さん」


「早く食べないと学校に遅れるわよ」


いつもの朝の風景がそこにはあった


玲奈は学校に 父は仕事に出かける 母はパートにお昼前から出かける


夕方 母と玲奈が家に帰り 夕飯時に父親が帰ってくる


これが玲奈家のいつものライフワークである


現在は一緒に住んでいないが 兄が一人いる


兄は上京して仕事をしており年に1回帰ってくる程度である


玲奈は学校で 妖精視を使ってみたが何も表示されることはなかった


魔法紋も手首の裏を確認したがなかった


こちらでは使えないのだろうか もしや昨日のことは夢だったのかもしれない


そんなふうに思いながら1日を過ごした


学校帰りに 明日香と奈緒と しゃべりながら 買い食いしながら帰る


これもいつもの中学校からのライフワークである


「じゃあまた明日 学校でね」


「またね」


「またねー」


いつもの駅でいつものように別れる


玲奈はいつものとおり 家へと帰宅した


「おかえり 玲奈」


母親がすでに帰宅していた


「ただいま お母さん」


玲奈は自分の部屋に戻り 今日の夜のために準備をしていた


(持っていけるかはわからないけど いくつか用意してみよう)


かばんに お菓子 菓子パン 着替え 水筒 タオル 筆記用具をいれる


(なんだか修学旅行の準備みたい)


玲奈は少し楽しくなりつつ準備をした


夕食が終わり 自分の部屋に戻る


寝るときにかばんを抱えて寝ることにした


 

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