玲奈の異世界干渉記

はるもね

プロローグ

プロローグ


一人の少女が空を舞っていた
それは 金色の髪 金色の瞳 を持った可愛らしい少女だった
少女は舞っていた


舞っていた?違う すごい速度で落下していた
上空5000mくらいだろうか?


それはあきらかにおかしな状況であった


この世界の少女は空を飛べる? 否、飛べるわけはなかった
じゃあなにか空を飛ぶものから放り出されたのだろうか?


どうやらそれも違うようだった
なぜなら この空中には少女しかいないためである
飛行機やヘリコプターとよばれる飛行物体はおろか少女以外何もその空中にはいなかったのである


その少女はものすごく苦しんでいた
いきなり空中で意識を取り戻し?そのうえ自由落下でかなりの速度で落下しているのである
そしてなぜか空気が入ってこない
それもほんの少しもである


つまり少女は高度5000mから自由落下しながらの窒息状態であった


そしてどこからか聞こえる声


「この世界にとっての異物発見 異物発見」


「直ちに排除します」


その声とは別の声が聞こえた気がしたが 少女が意識を保ってられるのはそこまでだった






「かはっ げほげほ ごほごほ」


少女が目が覚めると横に心配した母親の姿が有り 父親と一緒に両手をそれぞれが握っていてくれた


「大丈夫なのか?」 父親の声が聞こえる


母親もまだ心配そうに覗き込んでいる 少女は体を起こした


少女はゆっくりと空気を吸った 息は・・・・できる


安堵したためか 母親に抱きつき泣き出してしまった


父親も母親もその泣き声を聞いて少し安心したようだった


両親は少女が泣きやむまで暖かかくじっと見つめていた そしてもう大丈夫もう大丈夫とくり返し言ってくれた


少女が落ち着き 両親に話を聞けば夜寝ている少女が急に苦しみ出し異変を感じた母親と父親が少女を見ていると


少女が自分の喉を一心不乱にかきむしる、という状態で


心配した両親がそれぞれの手を握り喉をかきむしらないように強く握って 少女を起こそうとしていたらしい


少女の喉には少し爪痕が残っている


少女は今までも親にべったりだったが その事件があってからさらにべったりとなった


少女の年齢は6歳 そろそろ本来なら一人で自分の事(服を着替える お手洗いを済ます 小学校に行く準備をする


ご飯をひとりで食べる )くらいはできるようになっていなければいけないのだが


両親も娘にベッタリされるのが嫌なわけではないしむしろべったりしてくれるほうがうれしいのである


実は少女はそのあたりのことならなんでもできるのである両親に甘えているだけで・・・


少女は夢のことを覚えていなかった 怖い夢でも見てそれが なぜか息ができない夢 ということだったのだろうと


両親は思っていた ただ6歳の女の子がそんな夢を見るのか?という疑問は残るのだが


少女はそれ以降同じ夢を見なかった しばらくの間は・・・


そう2年後に 同じ夢を見るまでは・・・

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