ゲームそっくりの異世界でチート級に強いけど楽しく暮らしたい

レイ

13,素顔を見られて...

先日の事件から2日。今日もいつものように露店を終えるとお客さんの一人に話しがあると呼び出された。しかし、連れられてきた場所は路地裏の表からは見えないところ。もう嫌な予感しかしない。すると案の定
「よう、2日ぶりだなぁ。」
ニヤニヤしながら先日の魔鉄剣男まてつけんおとことその他大勢が剣や打撲だぼく武器のようなものなどを持って現れた。
「先日の恥の借りを返すぜ。」
唐突に男達が斬りかかりにもしくは殴りかかりにきた。前決めた私の中のルールを思い出す。
「・相手が殺る気なら、こちらも情け容赦をしない」相手は完全に殺す気だし私も容赦する気は無い。

『称号:冷徹者を獲得しました。』

懐かしい声が聞こえてきた。ちょっとその通りだなって思ってしまい苦笑いを浮かべる。
手に持つ剣は、【アイテム:宵の月】。ヴァンパイアのときにも使った剣で私の気に入っている剣だ。刀身が黒く何より頑丈がんじょうで大抵のことでは折れない。ちなみに私は、角度によってたまに黄色か金色のような色に光るのが好きなのだ。兄が言うには光の反射ってことになっているらしい。追加付与はなぜか全武器から消えてしまっていた。この世界で作ったものには付いていたのでこの世界にきたときに消えてしまったのだろう。今度付与し直さなければ。取り敢えず【魔法付与エンチャント魔法:】をかけておく。ついでに【スキル:手加減LV10】を切っておく。これで私は、LV1000と同じステータスになった。

ふと、視界が広がった。何事かと思ったらどうやら何かを投げた敵がいて、投げられたものが頭の横を通過するときに外套のフードが脱げたらしい。顔を見られてしまったため【認識操作LV10】も効果が解けて私が女の子であることがバレてしまったけれどどうせ殺すと決めたのだから気にしない。【万能鑑定LV10】で相手のレベルを確認して地を蹴る。ほとんどの敵のレベルは20前後だった。

最初に転売をしていた男を除いて誰も生きている者はいない。
始まってから1分も経っていない。
「た、助けてくれ!言われたんだ!金になる話があるって、実物と情報料を渡したらあとの稼いだ金はやるって言われたんだ!なっ?頼む!命だけは!」
いつ仕返しに来ないとも限らないので刀を振る。何も感じなかった。
【スキル:精神苦痛耐性】が仕事をしたのかと思ったら、【称号:冷徹者】を手に入れたことで【スキル:無慈悲LV1】に進化していた。恐らく何も感じないのはこのスキルのおかげだろう。

こっそり路地裏から出て宿屋へ行く。まだ時間はあったけれど今日はもう露店を開く気分じゃ無い。【無慈悲】もレベルが1のせいか少しづつ気分が悪くなってきたので今日は何も食べずにそのまま眠った。
私は、初めて人を殺した。

–転売者サイド–
俺はある時この街の領主にもうけ話を持ちかけられた。何でも小さい坊主が今噂の干し肉を売っていると言うのだ。それを転売するということで、買った干し肉と少しの情報料であとの儲けは貰えるらしいのだ。なんともうまい話かと警戒心MAXでいたのだが最後は引き受けていた。欲ってすごいなと思った。そうして順調に稼いでいたときまさか何も出来ないだろうと思っていたガキが乗り込んできたのだ。しかも何をやったのか俺の自慢の魔鉄の剣を銅の剣で折りやがった。怒り心頭しんとうというときにまさかギルドの副ギルドマスターが出てくるとは思わなかった。おかげで俺は大恥をかいた。あのガキぜってぇぶっ殺してやる!路地裏に連れ出して大人数で恐怖をあおりながらなぶり殺しにする。完璧な計画だ。ニヤニヤしながら寝床についた。

そしてうまく路地裏に連れ出した。剣を折られているおかげでだいぶ警戒しちまったがのこのここんなところまで連れられてくるなんてバカなガキだぜ。
そのまま一斉に襲いかかる。
まずは投擲用とうてきようの投げナイフで逃げるための気力を削ぐ。恐怖は足を動かせなくするからな。そしてそのまま一気に...
押し倒して袋叩き、そう言おうとして固まった。俺だけじゃ無い。時が止まったかのように他の誰もがその場で固まっている。
それも仕方のないことかもしれない。なんせ男のガキだと思ってたやつが実際はびっくりするくらい上玉のガキだったのだから、しかも女だ。美少年とかならそのまま取っ捕まえて奴隷として売ろうくらいで済んだだろうが、美少女と美幼女のちょうど中間と言った外見の幼女から少女になる絶妙のタイミングを切り取ったような完成された美と表現するのがふさわしい、そんな固まってしまっても仕方がない少女だったのだ。そんな少女に一瞬前まで自分がやろうとしていたことをやられてしまった。そう、動きを止められたのだ。次の瞬間からは地獄だった。淡々と1分ほどで俺以外は全員殺されてしまった。
小さな女の子に命を助けてほしいと懇願こんがんする図。さぞかし、滑稽こっけいだろう。だが関係ない。何が何でもこの場を生き延びてやる!そしていつかこいつに復讐をと誓った俺の頭はあっけなく胴体と別れを告げたのだった。

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