ゲームそっくりの異世界でチート級に強いけど楽しく暮らしたい

レイ

12,崩れる平穏の前触れ

おかしい...なぜかこの間から干し肉が売れ過ぎている。在庫を150枚に増やしたのに3人くらいが全て買って行ってしまったため、1人10枚までとしたら店を開いて30分もしないで10枚ずつ買われて無くなってしまう始末しまつ
(何かある?)
今日は露店はお休みにして調査することにした。

(なんかまた、人型の高速で移動する何かが目撃されたってよ。)
(前もあったなそんなの。)

(なんか最近例の干し肉全然売ってないな。)
(ほんとだよな。味の割に安いって評判だったのによ。)

(あそこの〇〇さんがよ、〇〇らしいぞ)

(なぁ、聞いたか?なんかどっかの誰かが買い占めて高値で転売してるらしいぞ。)
(マジ⁈最悪俺あそこの干し肉安くて美味いから好きだったんだけどなぁ。転売の方はいくらなんだ?)
(なんでも、大銅貨6枚とからしいぞ。)
(うーん、しょうがねぇだいぶ高いが少し買ってくか。どこにあるんだ?)
(この時間だとだいぶ減ってると思うぞ。急いだ方がいいんじゃないか?)
(分かった行ってくる!)

色々言っているのが聞こえてくるけれど、なるほど転売か。それは頭になかったなぁ。よし!
木の板に「転売禁止」と書き込む。
その日以降もその札を置いて、口でも逐一ちくいち言うことにした。
が、何も治らない...言いに行くしかないかぁ。

後日、買いに行くと言う人のあとをつけていく。
「やぁ、今噂の干し肉大銅貨7枚だよー。」
値段が上がっている...
「あ、あのーご自分でお作りに?」
作れるならこの世界では相当な熟練度だろう。
「あ、あーそうだな。ははは、難しいが頑張ってるんだ。難しいし教えられなからな?」
他人のものをさも自分のもののように言うのは何となくイラッとして、つい
「作ってみてくれませんか?」
「...」
...言ってしまった。相手も沈黙ちんもく、私も沈黙。そして
「あぁ?なんでそんなことしなきゃいけねぇんだ?売ってやんねーぞ?」
言い返されると案外口あんがいくちから色々出てくるらしく
「別に売ってくれなくてもいいですよ?こちらももう売りませんから。それに数日前から転売禁止って言ってるので。」
相手もその意味が分かったようで苛立いらだち始める。
「なんだぁ?俺が転売していて、本当はお前がこれを作って売ってるって言うのか?」
「...ぷっ」
話し方がチンピラっぽい気がして思わず笑ってしまった。嫌な予感しかしない。
「上等だコラァ!」
剣を抜いて斬りつけてきた。ちょうどあった銅の剣で応戦する。
「ははは、俺の剣は魔鉄まてつだぞ。ただの銅の剣で何が出来んだよ!」
魔鉄。それは時間をかけて魔力の染み渡った鉄。他にも魔〇〇とつくものは大抵それであり、おもに魔鋼まこうと呼ばれている。もちろん私だって何も持ってきていないわけではない。インベントリから【アイテム:魔銅まどうの剣(軽量化+10、耐久値上昇+10、斬れ味+10、)】を取り出す。今作れる中で最高傑作だ、売り物ではないので自重して手を抜いたりもしていない。ただ道具が無いので+10より上がつかないのが少し残念だった。
周りが荒れないよう注意して広い場所まで移動(誘い出)し、もともと持っていた売り物用の銅の剣を投げつける。そして新しく取り出していた銅の剣をさやから抜き構える。
ちなみにこの街で冒険者登録をした後に新しく増えていたことに気づいた【スキル:制限リミットLV4】を使っている。これは【手加減】とは違い実際に自分のステータスを下げるスキルだけど、HPだけは下げられないらしい。
これでステータスを変更している。

ステータスLV1
【ハク(シロ)】
LV0000
HP:0000/0000
MP:2500/2500(MAX0000)
STR:50/340(MAX0000)
VIT:30/270(MAX0000)
DEX:1490/1490(MAX0000)
AGI:970/970(MAX0000)
INT:100/1260(MAX0000)

【スキル:手加減LV10】も併用へいようしている。筋力と防御力、知力という私の強さがバレやすそうなのは【手加減】も使い、下げている。素早さであるAGIはゲームでないので自力で制御ができる。最大ステータスはLV1000の時に合わせてある。剣で打ち合っても、攻撃されても、魔法を使ってもこれでバレないはず。【制限リミット】のレベルは、スキルレベル×10%表示レベルから下げることができる。正直私の表示レベルは0000となっているのでいくつにすることもできた。バグってるのかな?

とまぁそんなわけで弱くなってはいるけれど私の敵では無い。【スキル:武器破壊ブレイクウェポンLV10】を使いながら【スキル:カウンタースラッシュLV10】で反撃する。【武器破壊ブレイクウェポン】は、スキルレベル、お互いの技術力、自分の武器の性能、相手の武器の耐久力で測られるので、いくらいい武器でも使い手が弱ければ簡単に折れるのだ。例え銅の剣と魔鉄の剣で打ち合ったとしても。

次の瞬間相手の人の剣がなかばから真っ二つに折れ、折れた先が地面に突き刺さる。
「なっ、おい!お前何をした!何かインチキをしたんじゃ無いのか?」
言いがかりである。どうしたものか。
「周りだって見てたんだぞ!お前が銅の剣で魔鉄の剣を折るところをな!そんなのありないし何かやったんだろ!」
大切な剣を折られたことに大層たいそうご立腹らしい。
どうしようとさして困ったふうでもなく思っていると颯爽さっそうと背の高い男の人が現れた。
「言いがかりはよした方がいい。痛い目を見るのは君の方だよ?」
「な、あんた、いやあなたは...」
「分かったら引きな。」
「チッ」
なんか分かんないけど解決?したっぽい。
「君もあまり変なことに首を突っ込むのは良くない。それじゃ」
なんだったんだ...まぁ、場の感じからするとすごい人なんじゃないかな?

その夜はよく分からない出来事だったけれど面倒ごとにならなくて良かったと思いながら寝床ねどこについた。

「ゲームそっくりの異世界でチート級に強いけど楽しく暮らしたい」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く