ゲームそっくりの異世界でチート級に強いけど楽しく暮らしたい

レイ

8,冒険者登録

ギルドへの道は知っている、というかこの街を考えたのが私なのだ。といっても忘れているところもあれば多少は違うところもある。それに森の木亭みたいなゲームには無かった要素もある。ゲームのときの宿といったらログアウトに使うだけで食事などしなかった。きっと他にも分からない事もあるだろうと心のやる事メモに「図書館で調べ物」と書いておくことにした。

ギルドは私の設計したとおりの見た目で少しホッとした。中に入ると視線が集ったが気にせず受付うけつけへ向かう。仮身分証を見せながら冒険者登録をしに来たことを伝えたとき不意ふいに影がさした。
振り返ると大男が立っていた。がたいがよく太い腕の筋肉がすごい存在感を放っていた。
「おい。お前は身分証として登録に来たのか?それとも冒険者としてかせぐために登録に来たのか?」
少し考える。身分証として登録に来たわけだがたしかにお金を稼ぐことだって出来る。何か他の仕事をしても良いけれどここで依頼いらいを受けた方が場所に縛られなくていいかもしれない...よし。
「えっと、身分証としても使いますが依頼も受けようと思ってます。」
しりすぼみになってしまったが伝わっただろうか...
「そうか、ならやめときな。冒険者稼業かぎょうは危険が付きものだ。坊主みてぇなガキがやる仕事じゃねぇよ。」
「い、いえ。別にそんなに危ないことをしようってわけじゃ...s、それにその辺のモンスターくらいなら負けまちぇんし...」
噛んだ、恥ずかしい。きっと今顔は真っ赤だろう。フードがあってよかったと思う。
「自信があるのはいい事だがやめとけ、俺もなそれで絶対に勝てると思ってたやつに何もできずに負けたんだ。おうちに帰んな。」
何も言わないのか...優しいな、じゃなくて帰るわけにはいかないし、に身分証代わりにどのみち登録はするのだ。
「あ、あのぅ。ジーギスさん私は別によろしいと思いますが...それに若い芽を摘み取ってしまうのはあまりいい事とは言...」
「はぁ?何言ってんだエリーちゃんよぉ」
「いえ、その感というか何というか...」
この人ジーギスさんっていうのか。
なんか話していたがとりあえず登録を済ませる。
「どうしてもっていうなら俺と一回手合わせしてもらおうか。」
この辺のモンスターなら負けないといったを慢心まんしんとらえたらしい...めんどくさい。
「よし、それじゃあ俺が大丈夫だと思えるくらい強ければ冒険者として活動しな。ダメだったら諦めて身分証として使え」
一体この人になぜそんなことを決められなければならないのか...
「ギルド闘技場使うぜ。」
「は、はい分かりました。ジーギスさんもお気をつけて。」
ギルド闘技場とはスキルや魔法の試し撃ち、プレーヤー間の腕試しや賭け事に使われていた場所だ。

闘技場に着くと木刀を投げ渡してきた。
「ほら、そいつを使いな。それと外套は脱いだらどうだ?」
無理である。顔を振って否定しておく。
「そうか、なら行くぜ!」
こちらに一直線で走ってくるジーギスさん。
私は円形の闘技場の壁に沿って走る。もちろん力を抜きつつだが。
私が動いた事で立ち止まり様子をうかがうジーギスさんに向かって木刀を投げる。
木刀に意識がいった瞬間を狙って反対側に回り込む。ジーギスさんの後ろに回り込み、からぶった木刀をつかみ首を殴り意識を刈り取る。罪悪感が凄かった...

取りえず運ぶことはできないので登録のときの職員さんにジーギスさんのことを言ってから逃げるようにギルドを出た。
騒ぎになることは目に見えているので仕方ないと思う。ジーギスさんに何も言わずに帰るのは許して欲しいところだ。

一悶着ひともんちゃくあったけれど無事登録が終わったので街をまわることにする。できれば当分の間はギルドには入りたくないので何か別のお金を稼ぐ方法を探したいのだ。
この街の中の施設や道なんかは覚えてるけどこの世界ではどうなってるか分からない。違いを探しながら色々見てまわるのもおもしろそうだ。
そんなことを考えていたとき、ふとギルドへの道すがら考えていたことを思い出した。
(図書館で調べ物しようと持ってたんだっけ)
時刻はおそらく2時くらい。街をまわるには少し時間が足りない。
(グゥ〜)
本人ですらほとんど聞こえないような音でお腹がなった。それでもやっぱり恥ずかしい。
うん、お昼食べて図書館行こう。街の探索たんさくは明日にしよう。
お昼を食べて図書館に入る。銀貨5枚もかかった。本はこの世界では高級品ではあるけれど高いことに変わりはない。
「魔物について」というコーナーの裏にあった「世界の歴史」というコーナーを見ていると創世記なるものが出てきた。それによると

ある日神は別の世界の住人の作った世界を見つけ、その世界を元にこの世界「フレリア」を創造した。

(この世界のフレリアっていうのか。)

人族にんぞく唯一ゆいいつ使うことのできる「神聖魔法:勇者召喚」はこのフレリアの元となった世界を創造した者たちの世界の住人を勇者とし召喚する魔法である。......この後も長く続く

世界の神々の話に入ったところで飽きたので帰ろうとすると周りの声が耳に入ってきた。
(聞いたか?ギルドであのジーギスを秒で倒したやつがいたらしいぞ)
(ジーギスってあれか?エリーさんにベタ惚れだったけど最近素行が良くなったって噂の?)

(行くにしてもこの世界のことを知っとかないとな)

(なんかギルドで騒ぎがあったらしいぞ)

(今日も図書館で勉強なんてやだなー)

(ギルドでジーギスを倒したのは子どもって聞いたな)
(俺はひょろひょろの男だって聞いたぞ)

なんかいろんなことを言っているけど私って噂になってる?身長148cmだし筋肉無いし...細身の男は認識操作が仕事をしてくれたのかな?
とりあえずからまれたらめんどくさそうなので帰ることにした。ご飯が私を待っているのだ。

ご飯を食べた私は部屋で寝る用意をしていた。
(もう少し調べたいけどまた今度かなー。明日は何かお金を稼ぐ方法を探さないと。いくらたくさんお金があると言っても無限じゃ無いしね。それに寿命も無くなったので一生かかっても使いきれないお金なんて金額は無い。追加でいうと働かないダメ人間、ダメ神様?になんてなりたく無いのだから、なにかしなくては...)
そんなことを考えながら眠りについた。

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