転生バーテンは生き残る
39話
「まあガイツは置いといて、祈りの間みんな光ってたね。」
「そういうものよ。それに貴方も食前に祈った時光ってたわよ?」
「え?そうなの?気付かなかった。」
「まあ確認するのは野暮よ。それより食べましょ?ガイツが食べてしまう前に。なくなるわよ?」
「え゛?」
 ルドルフはもう食べ始めていた。
「ガイツー追加分はガイツが出してくれるのよね♪」
 メルヴィルさんが一言言うとガイツの食べるスピードが少しゆっくりになった。
 香草焼きも美味しかったが、何よりモツ煮が良かった。腸特有のモチモチした食感とそれを包むコラーゲンと甘い脂肪分。それらに絡む少し酸味のあるスープ。そして旨いスープが沁みたゴロゴロ野菜。じゃがいもに似た根菜と冬瓜の様な野菜。人参の様にオレンジの根菜、そして緑色した何かの茎だろうか?
 この世界に来て初めての野菜達に舌鼓をうっているといつのまにか食べ終えていた。
「美味かったー。それしか言葉が出てこないくらい。」
「だろ?オレはこの町の美味しいお店は沢山知っているがこういうお店は落ち着くな。」
「ガイツ食べ歩き趣味だもんね。」
「食べ歩く為に冒険者になったようなもんよね。」
「どういうこと?」
「ガイツは本当は大工の家に生まれて家業を継ぐはずだったんだけど、弟に任せて家を飛び出したのよ。食べ歩く為に。冒険者は1つの土地でずっと生活する人もいるけれど、他の街に行ったり転々とする人もいるでしょう?それに憧れたのね。でも報酬は私が管理してるから滅多に町の外には行かないんだけどね。」
「なるほど…。」
 そうやってガイツを繋ぎとめてるのか。
「じゃあガイツがこの町の食べ歩き本でも作ったらこの町に来た商人さんとかに売れるかもね。」
「それだ ︎」
 なんとなしに口にしたその言葉に急に大声を出して反応するガイツにギョッとする。
「作ろう。本は無理だが小冊子ならイケるだろ。」
 この時はその出来事があんな大事になるとは思いもよらなかった。がそれは追い追いの話。
「すみませーん!エールおかわり!貴方達は?4つお願いします!」
 当然のごとくガイツの話は聞き流され、メルヴィルが追加のエールを頼む。
「ガイツ、そんなに大声で叫ばなくてもいいでしょ?今は飲みに来てるの!仕事の話はまた今度!」
「そうだな、わかった。でもみんなも考えといてくれ。オレは真剣だ!」
「わかったよガイツ。俺も言い出した手前責任がある。」
「僕はそんなに重く考えなくてもいいと思うよカイト。」
「そうよカイト。さこの話はおしまい!それよりも聞いてよ!ギルド職員の女の子がカイト紹介しろって煩いのよ!あ、これでカイトに酒をおごられず口実ができたわね…。それは置いといてどうにかしてくれない?なんか考えはないかしら?貴方の噂で持ちきりよ?」
今すごい言葉を聞いた気がする。俺も被害者じゃなかろうか?
「急に言われてもね…。居酒屋さんに勤めたら客引きパンダになりそうだな。」
「カイトまでメルヴィルさんの酒代になっちゃったか。僕はまだセーフなんだな。気をつけよう。」
「カイトオレたち仲間だな♪」
「なりたくないよそんな仲間!ルドルフ!助けて!」
「無理!」
「さあカイトなんか案出しなさい?ルドルフもよ?ガイツはグルメ冊子考えておいて。」
そんなこんなで夜も更けていく。
「メルヴィルそろそろ宿に帰るぞ?ミランダさんも心配してる。」
「んーまだ身の安全の保証ができてないけれど仕方ないわね。」
あれから5回くらいメルヴィルさんはお代わりしてたけど少し頬が赤くなるくらいで全く酔った気配はない。
お会計を済ませ席を立つ。
どうやらテーブル会計が基本らしい。店員を呼んだらその場で会計してくれる。その時会計にチップも含めるので少し多めにテーブルに料金を置けばすぐ店を出られるそうだ。そうか…チップもあるのかこの土地は。
「ごちそうさまでした」
「ムースまたね♪」
「次はいっしょにごはんか甘いもの食べ行こうね!」
「ハイハイ。」
と軽く挨拶して店を出る。店から少し離れたところでメルヴィルさんはパタリと地面に伏した。
「そういうものよ。それに貴方も食前に祈った時光ってたわよ?」
「え?そうなの?気付かなかった。」
「まあ確認するのは野暮よ。それより食べましょ?ガイツが食べてしまう前に。なくなるわよ?」
「え゛?」
 ルドルフはもう食べ始めていた。
「ガイツー追加分はガイツが出してくれるのよね♪」
 メルヴィルさんが一言言うとガイツの食べるスピードが少しゆっくりになった。
 香草焼きも美味しかったが、何よりモツ煮が良かった。腸特有のモチモチした食感とそれを包むコラーゲンと甘い脂肪分。それらに絡む少し酸味のあるスープ。そして旨いスープが沁みたゴロゴロ野菜。じゃがいもに似た根菜と冬瓜の様な野菜。人参の様にオレンジの根菜、そして緑色した何かの茎だろうか?
 この世界に来て初めての野菜達に舌鼓をうっているといつのまにか食べ終えていた。
「美味かったー。それしか言葉が出てこないくらい。」
「だろ?オレはこの町の美味しいお店は沢山知っているがこういうお店は落ち着くな。」
「ガイツ食べ歩き趣味だもんね。」
「食べ歩く為に冒険者になったようなもんよね。」
「どういうこと?」
「ガイツは本当は大工の家に生まれて家業を継ぐはずだったんだけど、弟に任せて家を飛び出したのよ。食べ歩く為に。冒険者は1つの土地でずっと生活する人もいるけれど、他の街に行ったり転々とする人もいるでしょう?それに憧れたのね。でも報酬は私が管理してるから滅多に町の外には行かないんだけどね。」
「なるほど…。」
 そうやってガイツを繋ぎとめてるのか。
「じゃあガイツがこの町の食べ歩き本でも作ったらこの町に来た商人さんとかに売れるかもね。」
「それだ ︎」
 なんとなしに口にしたその言葉に急に大声を出して反応するガイツにギョッとする。
「作ろう。本は無理だが小冊子ならイケるだろ。」
 この時はその出来事があんな大事になるとは思いもよらなかった。がそれは追い追いの話。
「すみませーん!エールおかわり!貴方達は?4つお願いします!」
 当然のごとくガイツの話は聞き流され、メルヴィルが追加のエールを頼む。
「ガイツ、そんなに大声で叫ばなくてもいいでしょ?今は飲みに来てるの!仕事の話はまた今度!」
「そうだな、わかった。でもみんなも考えといてくれ。オレは真剣だ!」
「わかったよガイツ。俺も言い出した手前責任がある。」
「僕はそんなに重く考えなくてもいいと思うよカイト。」
「そうよカイト。さこの話はおしまい!それよりも聞いてよ!ギルド職員の女の子がカイト紹介しろって煩いのよ!あ、これでカイトに酒をおごられず口実ができたわね…。それは置いといてどうにかしてくれない?なんか考えはないかしら?貴方の噂で持ちきりよ?」
今すごい言葉を聞いた気がする。俺も被害者じゃなかろうか?
「急に言われてもね…。居酒屋さんに勤めたら客引きパンダになりそうだな。」
「カイトまでメルヴィルさんの酒代になっちゃったか。僕はまだセーフなんだな。気をつけよう。」
「カイトオレたち仲間だな♪」
「なりたくないよそんな仲間!ルドルフ!助けて!」
「無理!」
「さあカイトなんか案出しなさい?ルドルフもよ?ガイツはグルメ冊子考えておいて。」
そんなこんなで夜も更けていく。
「メルヴィルそろそろ宿に帰るぞ?ミランダさんも心配してる。」
「んーまだ身の安全の保証ができてないけれど仕方ないわね。」
あれから5回くらいメルヴィルさんはお代わりしてたけど少し頬が赤くなるくらいで全く酔った気配はない。
お会計を済ませ席を立つ。
どうやらテーブル会計が基本らしい。店員を呼んだらその場で会計してくれる。その時会計にチップも含めるので少し多めにテーブルに料金を置けばすぐ店を出られるそうだ。そうか…チップもあるのかこの土地は。
「ごちそうさまでした」
「ムースまたね♪」
「次はいっしょにごはんか甘いもの食べ行こうね!」
「ハイハイ。」
と軽く挨拶して店を出る。店から少し離れたところでメルヴィルさんはパタリと地面に伏した。
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