転生バーテンは生き残る

海夏季コエル

26話

肉が焼けるなか話が弾む。

「俺は大陸の東の方に住んでいたのですがここはちなみにどこなのですか?」

「確かに大陸の東には黒髪黒目の民族が納める国があるらしいな。ここはヨーデル・S・クライン皇帝の治めるシュバルツ帝国の南部にあるアルス地方だ。大陸の西海岸に近い。

「そうなんですか…。あ そろそろ肉焼けましたね。まだまだありますから遠慮せずどうぞ。」

「頂こう(いただきます(がぶっ))。」


「ではなかなか帰れそうにはありませんね。ちなみに話は変わるんですが宿代っていくらくらいですか?売るものはマンバの革とか、さっきおっしゃっていた魔石とかがあるんですが、あいにく手元にお金を持ってなくて…。この辺の硬貨にも詳しくないと思います。」

「こいつは美味いな。そうだな、安いところだと素泊りで1000ルーツくらいか。朝飯付きでだいたい1200ルーツ。夕食は300ルーツくらいだろう。
1ルーツは小銅貨。10ルーツが中銅貨、100ルーツが大銅貨で、1000ルーツが銀貨、その後に1桁上がるごとに大銀貨、金貨、大金貨、そして目にすることはないだろうが1億ルーツの白金貨がある」

「なるほど。わかりやすい説明ありがとうございます!」

「金の持ち合わせもないのは大変だな。マンバの革と魔石はまあまあいい値段で売れるはずだ。少し使ったみたいだが食費込みで2〜3日は暮らせるだろう、が足りないな。おそらく手持ちの身分証も字が分からなければ使えはしないだろう。ということは町に入るのに通行税がかかる。即席の身分証も金がかかるが冒険者ギルドで作るといいだろう。飯が終わったら少し狩ってから町に戻ろう。その方がお前さんも売り物が増える。どうだ?。」

「そこまでしてもらっていいんでしょうか?多少剣を使った訓練はしたことはありますが、あまり役には立てないかもしれません。」

「まあその時はその時だ。だがマンバを無傷で倒せたのなら大丈夫だろう。俺たちも帰り道に少しは狩たいからな。悪く言えば道連れだ。気にするな。」

「ありがとうございます!改めてみなさんよろしくお願いしますね!」

「よろしくな。」

「「よろしく(デス)。」」

その後アリスがガイツに止められるまでマンバの肉を食べ1時間後、日は昇り、マンバの残りは2m程になった。もういっそ残りはアリスにあげようか。

それぞれに移動の準備をし、装備を整えマンバの残りはアリスから守るためガイツが担ぐことになった。

ここからは川をそれ、森の中を進むそうだ。直線距離で町までは約3〜4時間。途中休憩も挟みつつ獲物を探しながらになるようで、夕方までには着くみたいだ。マンバがない分体力は保つだろう。

まだ朝の8時頃。筋肉痛は治まってきたが睡眠不足がきになる。まあなんとかなるだろう。この人たちが生命線だ。なんとしてでも食らいついてやる。

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