転生バーテンは生き残る

海夏季コエル

1話

「え?」

 俺は電車から降りたはず!なんで森にいるんだ?
頭の中には疑問符しか浮かんでこず 動揺が隠しきれない
着の身着のまま森の中 
帰ってシャワー浴びて軽くでも食べて寝ようと思っていたのに

「どこよここ…。なんで俺森の中に…。これが異世界転生ってやつか!いやでもただ地球のどっかの森にいたりして…」

カサカサッ

背後から聞こえる
森の中だから当然動物もいるだろうと思いゆっくり背後を見てみると何もいない

「いやまさかクマとか出るんじゃ…  こういう時は大声出したほうがいいんだっけ?森とかで熊よけに音鳴らすよなとりあえず…
いやでも逆に寄ってきたらどうすれば…オオカミとかだったら太刀打ちできないぞ!助けてベア様!」

ビクビクしながら対峙することも考えて持ち物を確認する
財布にスマホ、愛用の革の鞄

鞄振り回したらどうにかならないかな…いやバカなこと考えてないで後何があるんだっけ…

そう思いながら鞄の中身を確かめる

ハンドタオルに手ぬぐい ペットボトルの水に目薬 ダーツケース タバコにジッポ ケータイ灰皿に充電ケーブル ペンケースとメモ帳…ならカッターナイフがあるか!

必死にカッターナイフを取り出し刃を出し鞄を盾に構えてみる…

…こと数分
何も出てこない

「…出てこないじゃん!」

気を抜いた瞬間右の方からまたカサカサと音がする
振り向くと白いツノの生えたウサギが此方を見ている

「か…かわいい!けど警戒はとくな俺!自然界には危険が溢れているんだぞ!よしよーしこっちおいでー♪」

それに食料にもなるハズ

その時ウサギの目がギラリと光ったと思えばヒュンと音がしたと同時に体に衝撃が走る

「うわっ ︎」

尻もちをついてしまったが思ったよりも体は大丈夫そうだ

「やべー びっくりした  鞄なかったらツノ刺さるって!てか…え?鞄からツノ抜けないとかってある!?でもチャーンス!」

後ろ足を持ち鞄から引っこ抜き近くの木に頭をぶつけ気絶させる 容量はバットを振る感覚だ

「なんとかセーフだな 危なかった ベアさんが水トカゲを尻尾持って木にぶつけてなかったら危なかった〜」

近くの木にツルが絡まっているのを見つけウサギの両手両足を縛り鞄の中へ収納する

目的は決まった 川を探して血抜きだ
山の中で川を探すなら水の音と谷探し

幸いな事に耳をすませば微かだが水音がする。ちょうど少し下ったところからだ

「よし行くか!」

俺は手持ちの荷物を確認し移動を始めた

コメント

  • 振レル雨☂︎

    面白かったです!一話みました。

    1
コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品