あふたーびーと
38話
〜 〜 〜
その後、幸樹が昼食を終えて屋上から姿を消した隙に、命たち4人も屋上から脱出した。風の推理を聞いた命は、幸樹に放課後にアタックを仕掛けることを決めた。そして、その放課後の時間まで経過した。
「いよいよ、放課後になっちゃった!」
「チキってるの?」
「鳥というよりは、カピバラに見えます」
「それ、なんかわかるわ」
「二人とも、こっちは真剣なんだよ〜!」
「まぁまぁ、気楽に行こうよ」
「うん……」
命は、放課後になって幸樹のもとまで行く勇気が、イマイチ湧いてこないでいた。第三者の目として気軽に話している風と氷菓に対して、命はこっちは真剣なんだ、と必死にアピールした。だが、動かなければ始まらないと思った風は、いつも通り気楽に行けばいいと言った。命は、風の言葉を聞いて少し落ち着いたのか、目を鋭く光らせて、職員室に居る幸樹のもとまで行くことを決意した。
(まさか、モーニングで話した作戦が、無駄になっちゃうとは思わなかったけど、こんな形で無駄に終わるなら、モーマンタイかな……)
風は、猫探しや顧問探しの作戦を1人ずっと考えていたようだが、度重なる思いもよらないできごとに、全ての作戦が水の泡となってしまった。だが、これも全て上手くいけばいいと納得する風であった。
「それじゃ、行ってくる!」
「帰り、楽しみ待ってるから」
「平常心が大事だと、姫嶋さんからの伝言です。まぁ、この私はガンガン攻めていった方がいいと思っていますが」
「アトバイスありがとう!」
命は、教室の扉を開けて、幸樹のもとへ向かうと告げた。そうすると、風は安心した表情で、見送った。氷菓は、この場に居ない萌佳の伝言を命に伝え、自分からもアトバイスをした。みんなの言葉を聞いて、さらにテンションを上げた命は、いつもと変わらない雰囲気まで回復して出て行った。
「行ってしまいましたね」
「命のことだから、心配はいらないとは思うけど、今回ばかりは任せっきりになっちゃうから、少し胸がざわつく」
「信頼し合っているお二人方でも、そのような感覚に陥るのですね」
「意外だった?」
「いえ、この私が理解し得るほどの人間味を持っていて、なんだか安心しました」
「黒雪さん……」
「今は、ただ祈りましょう。成功を」
「そうだね」
若干の不安を抱える風に対して、氷菓は意外な言葉を投げかけた。風は、プライドの高いワガママお嬢様キャラだと思っていた氷菓が、自分に寄り添う発言をしたことに驚いた。風は、氷菓のただただ純粋な優しさを噛みしめながら、ともに命の帰りを待つことにした。
その後、幸樹が昼食を終えて屋上から姿を消した隙に、命たち4人も屋上から脱出した。風の推理を聞いた命は、幸樹に放課後にアタックを仕掛けることを決めた。そして、その放課後の時間まで経過した。
「いよいよ、放課後になっちゃった!」
「チキってるの?」
「鳥というよりは、カピバラに見えます」
「それ、なんかわかるわ」
「二人とも、こっちは真剣なんだよ〜!」
「まぁまぁ、気楽に行こうよ」
「うん……」
命は、放課後になって幸樹のもとまで行く勇気が、イマイチ湧いてこないでいた。第三者の目として気軽に話している風と氷菓に対して、命はこっちは真剣なんだ、と必死にアピールした。だが、動かなければ始まらないと思った風は、いつも通り気楽に行けばいいと言った。命は、風の言葉を聞いて少し落ち着いたのか、目を鋭く光らせて、職員室に居る幸樹のもとまで行くことを決意した。
(まさか、モーニングで話した作戦が、無駄になっちゃうとは思わなかったけど、こんな形で無駄に終わるなら、モーマンタイかな……)
風は、猫探しや顧問探しの作戦を1人ずっと考えていたようだが、度重なる思いもよらないできごとに、全ての作戦が水の泡となってしまった。だが、これも全て上手くいけばいいと納得する風であった。
「それじゃ、行ってくる!」
「帰り、楽しみ待ってるから」
「平常心が大事だと、姫嶋さんからの伝言です。まぁ、この私はガンガン攻めていった方がいいと思っていますが」
「アトバイスありがとう!」
命は、教室の扉を開けて、幸樹のもとへ向かうと告げた。そうすると、風は安心した表情で、見送った。氷菓は、この場に居ない萌佳の伝言を命に伝え、自分からもアトバイスをした。みんなの言葉を聞いて、さらにテンションを上げた命は、いつもと変わらない雰囲気まで回復して出て行った。
「行ってしまいましたね」
「命のことだから、心配はいらないとは思うけど、今回ばかりは任せっきりになっちゃうから、少し胸がざわつく」
「信頼し合っているお二人方でも、そのような感覚に陥るのですね」
「意外だった?」
「いえ、この私が理解し得るほどの人間味を持っていて、なんだか安心しました」
「黒雪さん……」
「今は、ただ祈りましょう。成功を」
「そうだね」
若干の不安を抱える風に対して、氷菓は意外な言葉を投げかけた。風は、プライドの高いワガママお嬢様キャラだと思っていた氷菓が、自分に寄り添う発言をしたことに驚いた。風は、氷菓のただただ純粋な優しさを噛みしめながら、ともに命の帰りを待つことにした。
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