あふたーびーと
34話
「お二人方、何を楽しそうに話していたのですか?」
「命が鈍感過ぎるって話」
「あれ、そんな話してないよね……」
「なるほど」
「しかも、それで納得しちゃうんだ……」
命の隣に座っている居る氷菓が、何やら楽しそうな声に誘われて、声をかけてきた。
「それにしても、お二人方は他の方々に比べて、圧倒的に仲がいいように見えるのですが、いったいいつ頃からこのような関係なのですか?」
「ただの幼なじみだよね〜!」
「そう……でも、同じ趣味を持っていなかったら、こんなに仲良くなってなかったかも」
「同じ趣味……」
氷菓は、2人の仲睦まじい雰囲気は、いつ頃から始まったのか質問をしてみた。すると、命はなんの躊躇もなく昔馴染みだと答えた。風は、命の発言に付け加えて、同じ趣味を持っているという情報を言った。氷菓は、そのことを聞くと、納得すると同時に、羨ましいと思ってしまった。
「ちなみに、同じ趣味とはなんですか」
「音楽!」
「もう少し詳しく言うと、バンドだね」
「バンド……昔、泉が言っていたものと同じ」
「どうしたの? 今、小声で何か言わなかった?」
「いえ、私の知る音楽とは、違うテイストのようだな……と思っただけです」
「やっぱり、黒雪さんはバイオリンやお筝とかを習っていたの!」
氷菓は、2人についてもっと詳しく知るために、どのような趣味を持っているのか尋ねた。すると、命の発言に被せるように言った風の言葉に、氷菓は懐かしい感情を思い出した。氷菓は、風に感情を悟られかけたが、上手く誤魔化した。そんなやり取りが目の前で行われたことも気にもしれず、命は新しい質問を氷菓に投げかけた。
「私は、バイオリンやお筝ではなく、ピアノを嗜んでいました」
「ピアノ!? それ、お嬢様っぽい!」
「いや、お嬢様なんだけど」
どうやら、氷菓は幼い頃からピアノを習っていたようであった。命は、氷菓がピアノをやっていることを知ると、若干失礼な発言をしてしまった。だが、それに対して風がツッコミを入れてくれたお陰で、何事もなかった。
「同じ音楽好きな仲間として、黒雪さんにお願い事があるんだけど……」
「急に改まって、どうかしたのですか?」
「あの……実は、私たちはバンド活動をそのまま部活にしたいと考えているんだ〜」
「それで?」
「もしよかったら、一緒にバン」
ガラガラ……。
「そろそろ授業を始めるぞ〜! みんな、自分の席に着け」
命が、大切なことを言い出そうとした瞬間、教室の扉が開けらた。扉を開けた主は、数学の教師であった。1限目の鐘がなる前に入ってきた先生により、命が氷菓に向けて話そうとした内容は、打ち消されてしまうのであった。
「命が鈍感過ぎるって話」
「あれ、そんな話してないよね……」
「なるほど」
「しかも、それで納得しちゃうんだ……」
命の隣に座っている居る氷菓が、何やら楽しそうな声に誘われて、声をかけてきた。
「それにしても、お二人方は他の方々に比べて、圧倒的に仲がいいように見えるのですが、いったいいつ頃からこのような関係なのですか?」
「ただの幼なじみだよね〜!」
「そう……でも、同じ趣味を持っていなかったら、こんなに仲良くなってなかったかも」
「同じ趣味……」
氷菓は、2人の仲睦まじい雰囲気は、いつ頃から始まったのか質問をしてみた。すると、命はなんの躊躇もなく昔馴染みだと答えた。風は、命の発言に付け加えて、同じ趣味を持っているという情報を言った。氷菓は、そのことを聞くと、納得すると同時に、羨ましいと思ってしまった。
「ちなみに、同じ趣味とはなんですか」
「音楽!」
「もう少し詳しく言うと、バンドだね」
「バンド……昔、泉が言っていたものと同じ」
「どうしたの? 今、小声で何か言わなかった?」
「いえ、私の知る音楽とは、違うテイストのようだな……と思っただけです」
「やっぱり、黒雪さんはバイオリンやお筝とかを習っていたの!」
氷菓は、2人についてもっと詳しく知るために、どのような趣味を持っているのか尋ねた。すると、命の発言に被せるように言った風の言葉に、氷菓は懐かしい感情を思い出した。氷菓は、風に感情を悟られかけたが、上手く誤魔化した。そんなやり取りが目の前で行われたことも気にもしれず、命は新しい質問を氷菓に投げかけた。
「私は、バイオリンやお筝ではなく、ピアノを嗜んでいました」
「ピアノ!? それ、お嬢様っぽい!」
「いや、お嬢様なんだけど」
どうやら、氷菓は幼い頃からピアノを習っていたようであった。命は、氷菓がピアノをやっていることを知ると、若干失礼な発言をしてしまった。だが、それに対して風がツッコミを入れてくれたお陰で、何事もなかった。
「同じ音楽好きな仲間として、黒雪さんにお願い事があるんだけど……」
「急に改まって、どうかしたのですか?」
「あの……実は、私たちはバンド活動をそのまま部活にしたいと考えているんだ〜」
「それで?」
「もしよかったら、一緒にバン」
ガラガラ……。
「そろそろ授業を始めるぞ〜! みんな、自分の席に着け」
命が、大切なことを言い出そうとした瞬間、教室の扉が開けらた。扉を開けた主は、数学の教師であった。1限目の鐘がなる前に入ってきた先生により、命が氷菓に向けて話そうとした内容は、打ち消されてしまうのであった。
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