あふたーびーと
32話
「到着〜!」
「ずっと神楽坂さんの刺尻尾のような後ろ髪が、私の胸に当たっていたせいか、とても胸部が痛いです……」
「ご、ごめん! 次からは、お姫様抱っこにするね!」
「べ、別にそういう問題ではありませんから!!」
命と氷菓は、約束の場所までたどり着いた。先に来た2人は、しばらく大きな時計塔の前で、風と萌佳の到着を待つことにした。
「いや〜走ってきたお陰で、風と姫嶋さんたちよりも早く到着しちゃったね!」
「そうですね。あなたがあまりにパワフル過ぎて、この私は少々驚きましたが……」
「何か言った?」
「いえ、なんでも」
2人がたわいもない話をしていると、少し遠くの方から、風と萌佳の姿が見えてきた。
「おっ、やっと来たみたい! おーい!! こっちだよー!!」
命は、2人の気配に気づくと、手を振りながら大きな声でこっちだと合図を送った。
「あわわわ……黒雪さん!?」
「いつも約束の時間に遅刻する命が、珍しく私たちよりも早く来ていると思っていたら、黒雪さんも一緒だったんだね」
「来る途中で一緒になったんだよね!」
「はい。ですが、その言い方だと、誤解を招くような気がします」
「どういう風に?」
「この私の口から言えるわけがないでしょう!」
風と萌佳は、命の隣りに氷菓が居ることにビックリした。だが、2人とも氷菓のことは受け入れているようで、一切の嫌な顔は見せなかった。それは、命の信頼にも関係していることだった。
「二人とも、仲良しみたいだね。毎朝、私が笛を吹きに行かないと起きない命が、本当に珍しく起きたご褒美なのかな」
「まるで運命の赤い糸のようですね……」
「出会うべくして出会った……確かに、そっちの表現の方が二人にはお似合いだね」
風と萌佳は、楽しそうにイチャイチャしている2人の姿を見て、これは運命的なものに違いないと確信した。元々、ゼロ距離から親睦を深めようとする命の性格もあってか、昨日とは違う2人の関係性になっていた。
「お、お二人とも……そろそろ学校に行かないと、遅刻してしまいますよ……!」
「おっ、もうそんな時間になっちゃったのか! それじゃ、さっき言ったみたいに、次はお姫様抱っこするからね!」
「こんな公衆の面前で、そのようなことをしなくて……も、ちょっと! 人の話は、最後まで聞きなさい!」
萌佳が、時計塔の時刻を見て、そろそろ学校に向かはないと危ない、と言った。そうすると、命は先程話した内容を、今から実践する勢いで、氷菓のことを抱えた。
「風も、早く付いてこないと、置いて行っちゃうよ!」
「はいはーい」
4人は、いつも騒がしい朝を、いつものテンションで駆けて行くのであった。
「ずっと神楽坂さんの刺尻尾のような後ろ髪が、私の胸に当たっていたせいか、とても胸部が痛いです……」
「ご、ごめん! 次からは、お姫様抱っこにするね!」
「べ、別にそういう問題ではありませんから!!」
命と氷菓は、約束の場所までたどり着いた。先に来た2人は、しばらく大きな時計塔の前で、風と萌佳の到着を待つことにした。
「いや〜走ってきたお陰で、風と姫嶋さんたちよりも早く到着しちゃったね!」
「そうですね。あなたがあまりにパワフル過ぎて、この私は少々驚きましたが……」
「何か言った?」
「いえ、なんでも」
2人がたわいもない話をしていると、少し遠くの方から、風と萌佳の姿が見えてきた。
「おっ、やっと来たみたい! おーい!! こっちだよー!!」
命は、2人の気配に気づくと、手を振りながら大きな声でこっちだと合図を送った。
「あわわわ……黒雪さん!?」
「いつも約束の時間に遅刻する命が、珍しく私たちよりも早く来ていると思っていたら、黒雪さんも一緒だったんだね」
「来る途中で一緒になったんだよね!」
「はい。ですが、その言い方だと、誤解を招くような気がします」
「どういう風に?」
「この私の口から言えるわけがないでしょう!」
風と萌佳は、命の隣りに氷菓が居ることにビックリした。だが、2人とも氷菓のことは受け入れているようで、一切の嫌な顔は見せなかった。それは、命の信頼にも関係していることだった。
「二人とも、仲良しみたいだね。毎朝、私が笛を吹きに行かないと起きない命が、本当に珍しく起きたご褒美なのかな」
「まるで運命の赤い糸のようですね……」
「出会うべくして出会った……確かに、そっちの表現の方が二人にはお似合いだね」
風と萌佳は、楽しそうにイチャイチャしている2人の姿を見て、これは運命的なものに違いないと確信した。元々、ゼロ距離から親睦を深めようとする命の性格もあってか、昨日とは違う2人の関係性になっていた。
「お、お二人とも……そろそろ学校に行かないと、遅刻してしまいますよ……!」
「おっ、もうそんな時間になっちゃったのか! それじゃ、さっき言ったみたいに、次はお姫様抱っこするからね!」
「こんな公衆の面前で、そのようなことをしなくて……も、ちょっと! 人の話は、最後まで聞きなさい!」
萌佳が、時計塔の時刻を見て、そろそろ学校に向かはないと危ない、と言った。そうすると、命は先程話した内容を、今から実践する勢いで、氷菓のことを抱えた。
「風も、早く付いてこないと、置いて行っちゃうよ!」
「はいはーい」
4人は、いつも騒がしい朝を、いつものテンションで駆けて行くのであった。
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