あふたーびーと
05話
〜 〜 〜
昼休み後、残りの授業を全て終え、命と風は、昼休みの時のように命の机に集まっていた。
「うぅ〜何がいけなかったんだと思う」
「いきなり大声で近づいたことかな?」
「うぅ〜やっぱり、そうだよね……」
命は、大きな獲物を逃した漁師のごとく落ち込んでいた。命にとって萌佳という存在は、あまりにも大きなものであった。だが、自分の性格のせいで怖がられたと思うと、次にどう誘えばいいのか分からなかった。
「ねぇ、神楽坂さん。さっきから、教室の扉の前で可愛い子が立って居るんだけど、もしかして神楽坂さんのお友達かな?」
「私の友達?」
「なんだか、鋭い目付きで神楽坂さんの方を見てたから、てっきりそうなんじゃないかと思って」
「ありがとう、ちょっと見てくるね」
クラスメイトの女子の1人が、命に客人が来ていることを知らせにやって来た。
命は、全然心当たりがなかったが、待たせているなら悪いと思い、とりあえず会いに行ってみることにした。
〜 〜 〜
命が教室の扉を開けると、そこには萌佳の姿があった。
萌佳は、命に気づくと挙動不審の状態で焦っていた。
(な、何か言いたそうにこちらを見ている!! 今日の失敗と同じにならないように、まずは相手の出方から見よう!)
命は、萌佳が動きを待ったが、萌佳は一向に動く気配はなかった。彼女のゆでダコのようになった顔を見ているうちに、なんだか申し訳ないと思った命は、思考を変えて自分から話しかけに行くことにした。
「あははは、ごめんね。こんな寒い廊下で、ずっと待たせちゃって!」
「い、いえ、私が勝手に来てしまったのが悪いので、神楽坂さんは気にしないでください! ……それよりも」
命が話しかけると、萌佳は昼休みの時よりも少し話しやすそうな雰囲気で会話してくれた。だが、まだ距離があるようで、萌佳は教室を訪ねた理由を言えないでいた。
「あっ、そうだ! 学校の近くの駅に、可愛い猫カフェがあるのを見つけたんだ! よかったら、風も連れて一緒に行ってみない!」
「えっ、わ、私はその……ご一緒させていただきます!!」
「はわ〜! よし、今から行くから、風を呼んでくるね!」
「お、お持ちしております!」
命は、萌佳のことを気遣い、本題をあえて聞かなかった。それを聞いてしまうと、また萌佳のことを苦しめると思ったのもあった。そして今は純粋に萌佳と一緒に時間を過ごしたいと思った命は、萌佳を寄り道に誘った。萌佳は、少しテンパっていたが、無事にOKサインを出してくれた。
昼休み後、残りの授業を全て終え、命と風は、昼休みの時のように命の机に集まっていた。
「うぅ〜何がいけなかったんだと思う」
「いきなり大声で近づいたことかな?」
「うぅ〜やっぱり、そうだよね……」
命は、大きな獲物を逃した漁師のごとく落ち込んでいた。命にとって萌佳という存在は、あまりにも大きなものであった。だが、自分の性格のせいで怖がられたと思うと、次にどう誘えばいいのか分からなかった。
「ねぇ、神楽坂さん。さっきから、教室の扉の前で可愛い子が立って居るんだけど、もしかして神楽坂さんのお友達かな?」
「私の友達?」
「なんだか、鋭い目付きで神楽坂さんの方を見てたから、てっきりそうなんじゃないかと思って」
「ありがとう、ちょっと見てくるね」
クラスメイトの女子の1人が、命に客人が来ていることを知らせにやって来た。
命は、全然心当たりがなかったが、待たせているなら悪いと思い、とりあえず会いに行ってみることにした。
〜 〜 〜
命が教室の扉を開けると、そこには萌佳の姿があった。
萌佳は、命に気づくと挙動不審の状態で焦っていた。
(な、何か言いたそうにこちらを見ている!! 今日の失敗と同じにならないように、まずは相手の出方から見よう!)
命は、萌佳が動きを待ったが、萌佳は一向に動く気配はなかった。彼女のゆでダコのようになった顔を見ているうちに、なんだか申し訳ないと思った命は、思考を変えて自分から話しかけに行くことにした。
「あははは、ごめんね。こんな寒い廊下で、ずっと待たせちゃって!」
「い、いえ、私が勝手に来てしまったのが悪いので、神楽坂さんは気にしないでください! ……それよりも」
命が話しかけると、萌佳は昼休みの時よりも少し話しやすそうな雰囲気で会話してくれた。だが、まだ距離があるようで、萌佳は教室を訪ねた理由を言えないでいた。
「あっ、そうだ! 学校の近くの駅に、可愛い猫カフェがあるのを見つけたんだ! よかったら、風も連れて一緒に行ってみない!」
「えっ、わ、私はその……ご一緒させていただきます!!」
「はわ〜! よし、今から行くから、風を呼んでくるね!」
「お、お持ちしております!」
命は、萌佳のことを気遣い、本題をあえて聞かなかった。それを聞いてしまうと、また萌佳のことを苦しめると思ったのもあった。そして今は純粋に萌佳と一緒に時間を過ごしたいと思った命は、萌佳を寄り道に誘った。萌佳は、少しテンパっていたが、無事にOKサインを出してくれた。
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