どうやら主人公はお節介が過ぎるようだ
1章 免除と試験と登録と
    父上様の鍛冶場から鎚を振るう音が聞こえる。両親二人で休みと決めたのに炉に火が入る。本人に俺がせがんだからだ。俺が前世で手に入れた物と今世で手に入れたもので最高の剣を作って貰っている。
    工程もサイズも大剣としか指定していない。父上様のセンスが試される。父上様の鍛冶スキルは頭打ちと言ってもよかった。簡単な鍛冶ではもうLV9からは上がれない。だからこそ命がかかった高難易度の鍛冶をしてもらう。
    頼んだ理由は最初は単純にそれだけでもあったし、それ以上に今は大剣を俺が必要としているからだ。
    転生して以降、身体にあらゆる負荷をかけてきた。重力、毒、寄生虫、魔力欠乏、体力欠乏、呪い。普通の人なら一秒と精神が持たない物まで経験してきた。
    現国王の政策が施行される前、国には闇が蔓延っていた。悪意ある所に闇が生まれ、実体を持つようになった。
    闇は光を嫌う。王が改革を行い、人々が心に光を灯した。闇は居場所を失いひとつの塊となった。一部の愚者達の想いと重なり意思を持ち精神生命体となり、闇を吸収し続けてやがて、邪神となった。
    最下級の闇の神、邪神と言えども、神は神。魔王なんかより力を持つ。
    俺が生まれたときには既にかなりの力を身につけていたようだ。邪神は神である。神とは概念そのものである。よって、ただ息の根を止めるだけでは殺したことにはならない。
    邪神には二パターンあると俺が生まれて少したった後にその他の情報と一緒に頭に知識が入ってきた。誰の仕業なのかは考えないでおく。考えてはいけない気がした。不懐と自負していた完全プロテクトを自身に使っていたのに介入されたからだ。
    一つ目は物理吸収。つまり、物理攻撃をすると回復してしまうタイプ。
    二つ目は魔法吸収。つまり、魔法で攻撃すると回復してしまうタイプ。
    その二つだ。
    で、神を殺すことが可能な最高の質を誇る武器が必要になった。杖の方は生命龍の骨と絶望龍骨を使って作ってもらった。
     龍は神の領域に足を踏み入れている生物であり、その素材には殺せない者を殺せる力がある。
    そして、俺が今居るのはいるのは冒険者ギルドの受付だ。二十歳くらいの女の人のカウンターが空いたので高めに作られた机にひょこりと座る。
「ようこそ冒険者ギルドへ。本日はどのようなご用件でしょうか。」
    驚くことなく淡々と営業笑顔だった。能面のようで怖い。
「五歳にたったから義務教育免除試験とそれに合格したら冒険者登録をするために来た。」
「畏まりました。では、係りの者がいますので奥の部屋へどうぞ。」
「ありがとう。」
    一言告げて奥に進む。受付の女は終始営業笑顔だった。
    奥の部屋に入ると八畳くらいの部屋に二十歳くらいに見える翡翠色の髪をもつ男が寝ていた。鑑定魔法で見てみると五百五十九歳のエルフでルーンと言うらしい。魔法に特化したLV352のギルマスだった。「もしもーし」と揺すって起こす。
「君は義務教育免除試験かな?」
「はい。冒険者登録も一緒にできたらと思ってます。」
   そういって、金を渡す。
「よしよし。試験は筆記からだが、先ずはこれに記入してくれ。」
    渡されたのはエントリー書類だった。
名前=ルーヴェルト・ヘリベルト
性別=男
武器=大抵のものは使える(今日は杖)
住所=ヘリベルト伯爵家の本宅
魔法=帝級使える
    書き終えて紙を渡す。
「ああ、ハイネマンの所の……。」
    知ってるらしい。
「では、よろしくお願いします。」
「よし。問題を配るぞ。三時間以内でこれを解いてくれ。」
問1 次の文の四角の穴を埋めよ
建国期は、龍災暦元年から~□□□までであり、初代国王【□□□・トウマ】が討伐した国旗のシンボルとなっている□□□が住んでいた土地に建国された。また、それを祀る祭りが長月の最終日に行われている。これを□□と呼ぶ。
2代目の【□□□一世】は初代国王の□に当たり、初代国王の地盤を引き継いだ治世だった。
3代目【ゼジル□世】は二代国王の地盤を引き継いぎ無難な治世だった。
4代目【□□□□□】は□□□□国との国交を開始した。この時代には□□の動きが活発になった。
~略~
40代目【□□□□□□□】は□□□侯爵の傀儡であり彼自身はなにもしていない。隣国□□□□との戦争に負け、土地を削られた。
41代目【□□□□□□□】は□□な王とされ唯一の功績は42代国王を生んだことだろう。
改革期は、□□□□~
42代目【ミカエル三世】。
問2 33代国王の政策を2つ答えよ。
問3 41代国王の時に戦った敵国の王の名を答えよ。
~略~
以上
よゆー。
次の計算をせよ。
2+3=
~略~
81÷3+3×3+(21-29)=
~略~
4キロメートルを1時間で歩けるとして2.5時間同じ早さで歩き続けた。スタート地点から何キロの地点にいるか。なお、休憩の時間は含めない。
~略~
問1 ゴブリンに拐われたらどうなるかを答えなさい。
~略~
最終問題 
龍災とはなにか簡潔に答えよ。
    余裕だったな。全て読んだことのあることだった。
「終わりました。」
「ん、始めてから二十分も経ってないがいいのか?」
「はい。構いません。どうせ満点なので。」
「大きく出たな、期待してるぞ。この後、採点器にかけるからこれを書いていてくれ。」
「これは?」
「直接合格とは関わりがないが、国王からのアンケートみたいなものだ。」
1.我が国のことで改善すべきことがあれば書いてください。
A.魔法教育を発達させるべきだ。町の衛生管理にも気を配った方がいいだろう。娯楽が少ないのもいけない。次期に色町や裏賭博等が出来る可能性があるため、他が手を出せない程の施設を作り一括で管理すべきだ。
2.我が国の義務教育制度についてどう思いますか?
A.人材育成、文明の発達に繋がり有意義である。また、埋もれた才能を探しやすくなる。しかし、自ら考えることが出来る者に育たなければ知識のある無能。つまり、害にしかならないため、目標や目的を持たせるもしくは、促す教育をすべきだ。
3.この免除試験を受けるに当たりどれ程勉強しましたか?
A.生まれてからずっと。
4.目の前の親友を助けたら親が死に、親を助けたら親友が死にます。あなたはどうしますか?
A.俺は強欲だから両方助けられる力を手に入れる。
5.目の前に金貨が落ちていますどうしますか?
A.元はなかったような金なのだから未来への投資をするために寄付するか、ギャンブルで使う。
6.目の前に飢えた人がいて自分は満腹であり、手には食べ物を持っていた。あなたは飢えた人を助けたい。どのようにしてたすける?
A.一度食べ物を渡すだけでは自己満足にすぎない。故に、食べ物を得る方法を身につけさせる。
7.我が国についてどう思いますか。
A.種族差別もなく比較的過ごしやすい国である。もう何年かすれば全体的な活性化があるだろう。そのとき、悪事を働く者も現れる可能性が高いから注意すべきだ。また、国が主導で新しい働き口を作らなければ、今まで働いていた労働者が義務教育を受けたものと入れ替えられ路頭に迷うことになるだろう。他国との国力が離れすぎると戦争が起きやすくなるので注意されたし。義務教育を受けたものと受けていないもので選民意識が生まれる可能性あり。法に縛りすぎると爆発する可能性があるので娯楽施設の建設を奨める。専門的に知識と技能を身に付けられる所を作るべきだ。以上。
    書き終わったくらいで、ちょうど採点が終わったようだ。
「お前凄いな。四百点中四百点。それどころか加算評価まで付いてる。」
「まあ、勉強しましたので。」
    当たり前のことだし、そっけなく答える。もしこれで落ちていたとしたら賢者失格だ。そもそも、大人の頭で受けて落ちたなら誰も受からないだろう。
「よし、次は戦う力をみる。訓練場に移動するぞ。」
「わかりました。」
    ギルドの訓練場には人っ子一人いなかった。普段は初心者講習だったりしているようだが、今日に限っては誰もいない。
「魔法使えるって言ってたっけ。攻撃系は使えるか?」
「はい」
「物理しかないなら模擬戦をするんだが。あー、なら。戦わなくていいな。あそこに魔法で攻撃してくれ。」
    ルーンはそう言って壁にかかっている的を指差す。距離は三十メートルと言ったところで、外したら恥ずかしいレベルだ。
「わかりました。」
    俺は手を構えて、無難に無詠唱の【火弾】で攻撃する。勢いよく飛び出した魔法の弾丸は金属でできた鉄板を貫通した。
「魔法まで優秀かよ。よし、おっけー。お前、どっちも合格な。」
「ありがとうございます。」
    これを渡せば受付で手続きして貰えるからな。と言われて、免除試験結果と加入試験結果の結果の書かれた紙を渡された。
    工程もサイズも大剣としか指定していない。父上様のセンスが試される。父上様の鍛冶スキルは頭打ちと言ってもよかった。簡単な鍛冶ではもうLV9からは上がれない。だからこそ命がかかった高難易度の鍛冶をしてもらう。
    頼んだ理由は最初は単純にそれだけでもあったし、それ以上に今は大剣を俺が必要としているからだ。
    転生して以降、身体にあらゆる負荷をかけてきた。重力、毒、寄生虫、魔力欠乏、体力欠乏、呪い。普通の人なら一秒と精神が持たない物まで経験してきた。
    現国王の政策が施行される前、国には闇が蔓延っていた。悪意ある所に闇が生まれ、実体を持つようになった。
    闇は光を嫌う。王が改革を行い、人々が心に光を灯した。闇は居場所を失いひとつの塊となった。一部の愚者達の想いと重なり意思を持ち精神生命体となり、闇を吸収し続けてやがて、邪神となった。
    最下級の闇の神、邪神と言えども、神は神。魔王なんかより力を持つ。
    俺が生まれたときには既にかなりの力を身につけていたようだ。邪神は神である。神とは概念そのものである。よって、ただ息の根を止めるだけでは殺したことにはならない。
    邪神には二パターンあると俺が生まれて少したった後にその他の情報と一緒に頭に知識が入ってきた。誰の仕業なのかは考えないでおく。考えてはいけない気がした。不懐と自負していた完全プロテクトを自身に使っていたのに介入されたからだ。
    一つ目は物理吸収。つまり、物理攻撃をすると回復してしまうタイプ。
    二つ目は魔法吸収。つまり、魔法で攻撃すると回復してしまうタイプ。
    その二つだ。
    で、神を殺すことが可能な最高の質を誇る武器が必要になった。杖の方は生命龍の骨と絶望龍骨を使って作ってもらった。
     龍は神の領域に足を踏み入れている生物であり、その素材には殺せない者を殺せる力がある。
    そして、俺が今居るのはいるのは冒険者ギルドの受付だ。二十歳くらいの女の人のカウンターが空いたので高めに作られた机にひょこりと座る。
「ようこそ冒険者ギルドへ。本日はどのようなご用件でしょうか。」
    驚くことなく淡々と営業笑顔だった。能面のようで怖い。
「五歳にたったから義務教育免除試験とそれに合格したら冒険者登録をするために来た。」
「畏まりました。では、係りの者がいますので奥の部屋へどうぞ。」
「ありがとう。」
    一言告げて奥に進む。受付の女は終始営業笑顔だった。
    奥の部屋に入ると八畳くらいの部屋に二十歳くらいに見える翡翠色の髪をもつ男が寝ていた。鑑定魔法で見てみると五百五十九歳のエルフでルーンと言うらしい。魔法に特化したLV352のギルマスだった。「もしもーし」と揺すって起こす。
「君は義務教育免除試験かな?」
「はい。冒険者登録も一緒にできたらと思ってます。」
   そういって、金を渡す。
「よしよし。試験は筆記からだが、先ずはこれに記入してくれ。」
    渡されたのはエントリー書類だった。
名前=ルーヴェルト・ヘリベルト
性別=男
武器=大抵のものは使える(今日は杖)
住所=ヘリベルト伯爵家の本宅
魔法=帝級使える
    書き終えて紙を渡す。
「ああ、ハイネマンの所の……。」
    知ってるらしい。
「では、よろしくお願いします。」
「よし。問題を配るぞ。三時間以内でこれを解いてくれ。」
問1 次の文の四角の穴を埋めよ
建国期は、龍災暦元年から~□□□までであり、初代国王【□□□・トウマ】が討伐した国旗のシンボルとなっている□□□が住んでいた土地に建国された。また、それを祀る祭りが長月の最終日に行われている。これを□□と呼ぶ。
2代目の【□□□一世】は初代国王の□に当たり、初代国王の地盤を引き継いだ治世だった。
3代目【ゼジル□世】は二代国王の地盤を引き継いぎ無難な治世だった。
4代目【□□□□□】は□□□□国との国交を開始した。この時代には□□の動きが活発になった。
~略~
40代目【□□□□□□□】は□□□侯爵の傀儡であり彼自身はなにもしていない。隣国□□□□との戦争に負け、土地を削られた。
41代目【□□□□□□□】は□□な王とされ唯一の功績は42代国王を生んだことだろう。
改革期は、□□□□~
42代目【ミカエル三世】。
問2 33代国王の政策を2つ答えよ。
問3 41代国王の時に戦った敵国の王の名を答えよ。
~略~
以上
よゆー。
次の計算をせよ。
2+3=
~略~
81÷3+3×3+(21-29)=
~略~
4キロメートルを1時間で歩けるとして2.5時間同じ早さで歩き続けた。スタート地点から何キロの地点にいるか。なお、休憩の時間は含めない。
~略~
問1 ゴブリンに拐われたらどうなるかを答えなさい。
~略~
最終問題 
龍災とはなにか簡潔に答えよ。
    余裕だったな。全て読んだことのあることだった。
「終わりました。」
「ん、始めてから二十分も経ってないがいいのか?」
「はい。構いません。どうせ満点なので。」
「大きく出たな、期待してるぞ。この後、採点器にかけるからこれを書いていてくれ。」
「これは?」
「直接合格とは関わりがないが、国王からのアンケートみたいなものだ。」
1.我が国のことで改善すべきことがあれば書いてください。
A.魔法教育を発達させるべきだ。町の衛生管理にも気を配った方がいいだろう。娯楽が少ないのもいけない。次期に色町や裏賭博等が出来る可能性があるため、他が手を出せない程の施設を作り一括で管理すべきだ。
2.我が国の義務教育制度についてどう思いますか?
A.人材育成、文明の発達に繋がり有意義である。また、埋もれた才能を探しやすくなる。しかし、自ら考えることが出来る者に育たなければ知識のある無能。つまり、害にしかならないため、目標や目的を持たせるもしくは、促す教育をすべきだ。
3.この免除試験を受けるに当たりどれ程勉強しましたか?
A.生まれてからずっと。
4.目の前の親友を助けたら親が死に、親を助けたら親友が死にます。あなたはどうしますか?
A.俺は強欲だから両方助けられる力を手に入れる。
5.目の前に金貨が落ちていますどうしますか?
A.元はなかったような金なのだから未来への投資をするために寄付するか、ギャンブルで使う。
6.目の前に飢えた人がいて自分は満腹であり、手には食べ物を持っていた。あなたは飢えた人を助けたい。どのようにしてたすける?
A.一度食べ物を渡すだけでは自己満足にすぎない。故に、食べ物を得る方法を身につけさせる。
7.我が国についてどう思いますか。
A.種族差別もなく比較的過ごしやすい国である。もう何年かすれば全体的な活性化があるだろう。そのとき、悪事を働く者も現れる可能性が高いから注意すべきだ。また、国が主導で新しい働き口を作らなければ、今まで働いていた労働者が義務教育を受けたものと入れ替えられ路頭に迷うことになるだろう。他国との国力が離れすぎると戦争が起きやすくなるので注意されたし。義務教育を受けたものと受けていないもので選民意識が生まれる可能性あり。法に縛りすぎると爆発する可能性があるので娯楽施設の建設を奨める。専門的に知識と技能を身に付けられる所を作るべきだ。以上。
    書き終わったくらいで、ちょうど採点が終わったようだ。
「お前凄いな。四百点中四百点。それどころか加算評価まで付いてる。」
「まあ、勉強しましたので。」
    当たり前のことだし、そっけなく答える。もしこれで落ちていたとしたら賢者失格だ。そもそも、大人の頭で受けて落ちたなら誰も受からないだろう。
「よし、次は戦う力をみる。訓練場に移動するぞ。」
「わかりました。」
    ギルドの訓練場には人っ子一人いなかった。普段は初心者講習だったりしているようだが、今日に限っては誰もいない。
「魔法使えるって言ってたっけ。攻撃系は使えるか?」
「はい」
「物理しかないなら模擬戦をするんだが。あー、なら。戦わなくていいな。あそこに魔法で攻撃してくれ。」
    ルーンはそう言って壁にかかっている的を指差す。距離は三十メートルと言ったところで、外したら恥ずかしいレベルだ。
「わかりました。」
    俺は手を構えて、無難に無詠唱の【火弾】で攻撃する。勢いよく飛び出した魔法の弾丸は金属でできた鉄板を貫通した。
「魔法まで優秀かよ。よし、おっけー。お前、どっちも合格な。」
「ありがとうございます。」
    これを渡せば受付で手続きして貰えるからな。と言われて、免除試験結果と加入試験結果の結果の書かれた紙を渡された。
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