どうやら主人公はお節介が過ぎるようだ

ミルクプリン

1章 衝動買い

    ギルドとかの商工会系の事務施設は中央道路メインストリートから一つか二つ横の道にある。中央道路メインストリートは右も左も露店で埋め尽くされていて、人が少ない夜を除いてとてもじゃないけど店なんかに入れない。

    薬師ギルドを後にした私は不動産屋に向かった。

    南北に伸びる中央道路メインストリートから左に二本目の道に薬師ギルドがあるのだけれど、向かい側の列に装飾系メインで買い取りしている店がある。

    私の実家が大変なときにコレクションをいくつか持ち込んだと聞いたことがある。私はその直後にハイネマンに嫁いだ訳なんだけれども、勿論私の実家の方は先月、爵位剥奪、お取り潰しの上、一家揃って奴隷落ちしました。聞いた話によると億単位の借金をしていたみたい。

    店の外観は至ってシンプルな石造りの家。私たちの家を屋敷と呼ぶのは烏滸がましいくらい立派な建物だった。

    店内に入ってみると幾つかのショーケースに磨かれた指輪やネックレスなどが見映えよく並べられていた。宝石や金などは資産価値が高いから、出回る通貨が不足しないようにかなり出回っていると昔聞いたことがある。

「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか。」

    入り口の左右に待機していた飾りすぎない服装の高齢にみえる男性店員が恭しく声をかけてきた。

「下取りとよければ買い取りをして頂きたいんですけど……。」

「畏まりました。では、奥の部屋で拝見させていただきます。」

    こう言う店では大抵、客のプライバシーを考えて個室に案内してくれる。私も例に漏れずその通りになったみたい。

    ちらっと見た限りだけど、部屋の隅まで掃除が行き届いていて塵一つない。ショーケースも磨かれていて手垢などの汚れはどこにもついてないし、商品の並べ方も一々値段のかかれた小さい紙を横に添えてあったりする。接客も丁寧だし信用していいだろう。

    通された部屋もくどくない程度に装飾されていて美と調和が保たれている。森の精霊をイメージしているのか、壁に掛けてある油絵が緑を基調としていて、自然と落ち着ける。

    ふかふかのソファーに腰を下ろし交渉を始める。

    数刻後……。

    結果的に二千五百万トロと【中級アイテムバック】二つで手をうった。いい人だと思ったらなかなかこの人も食わせもので、最初、一千万トロで吹っ掛けてきた。素人目に見てもおかしいので、何かと理由をつけてその三.五倍で吹っ掛けたら、苦々しい顔をして二倍にまで減らしてきた。

    だから、もう七百万トロいけないかなーと思ってあの手この手で粘ったけど無理そうだったから似たような価値のアイテムバック二つで勘弁してみた。一応貴族だから沢山の装飾品を見てきたけど三千万五百は行けたんじゃないかな。

    初めての交渉にしてはいい感じだったと思
う。中級アイテムバックは昔食べた南国の果実パイナップルくらいのサイズなのに千キロは入る。商売を始めようとする私たちにとってはあった方がいい代物だ。

「はあ。貴女様には負けました。」

「初めての交渉だったので、そう言って頂けるとうれいしいです。」

「はあ、初めてだったのですか!    これはこれは、末恐ろしい。今後ともご贔屓にしていただけませんかな。」

「ええ、こちらこそ。」

    商人同士の取引で相手に足下を見られちゃいけない。この取引で学んだことはこの一言に尽きるのかもしれない。顔を引きつらせたままの商人と別れ、アイテムボックス二つとその中に三枚の黒金貨を携えた私は一旦薬師ギルドによって、中古の調合道具を売っもらった。

    ついでに金貨一枚分のポーション瓶を売ってもらいギルドを出る。五千本のポーション瓶をバックに入れたときにはハーパーさんもビックリしていた。

    まだ、昼食には時間があるので本屋にも寄る。貴族として最低限の教育を受けている私達は勿論文字を読める。けど、一般人には読めない人も珍しくないみたい。

    本屋も近くの通りにあったからすぐに着いた。こう見ていると幾つかシャッターを閉じたままのテナントがある。午後から不動産屋に行かないと。

    到着した本屋は割と狭かった。狭いけどぎゅうぎゅうに詰めた!    みたいなイメージで種類と数は凄い。

    全て手書きだから高かったけど気になった本は基本的に買った。



ルイースの薬草採取学……金貨二枚
ルイースの薬草図鑑……金貨三枚
ルイースの調合の心得……金貨一枚
ルイースの薬草の栽培の考察……金貨二枚
ルイースの薬草についての考察……金貨三枚
ルイースの薬草と料理レシピ……金貨一枚
剣の勇者の英雄譚……銀貨五枚
商人の経営学……銀貨五枚
神話の英雄譚……金貨四枚
近年の王国……金貨一枚
ゴブリンでも分かる魔法入門……金貨二枚
剣の巫女の手記(模写)……金貨二枚


    白金貨二枚と金貨二枚の出費だった。ルイースシリーズは大体実益で買ったの。パラパラ見た感じだと一番分かりやすかった。他はまあ、いろいろね……。空っぽの書庫に入れるとしよう。

「ありがとうございました!」

    一括購入で喜んでいる店主(おばあさん)に見送られ私は本屋を後にした。

    そのあとは、雑貨屋で手袋とか籠とか色々買った。布は調合で使うことを想定して多めに買っておく。勿論、値切った。

    私達・・の店になるテナントも白金貨五枚一括で迷宮ダンジョンに行くために通る通りにある北門に近い北西のエリアにテナントを買った。元々、薬屋だったらしいけど、高齢で売りに出されていたところを運よく見つけられた。状態もよくてかなり広いから明日からでも使えるらしいけど、売るものがないからお預けだ。半分のスペースを彼の武器屋にするつもり。

    飲み込みが早いらしくてもう、売りに出せるレベルの物を作ってるって聞いた。二人の店の開店が楽しみね。

    明日は忙しくなりそうだ。ルー君(ルーヴェルト)を迎えに行きつつ家に帰った。孤児院の子供達にも今度読み聞かせしてあげようかな。



エイナ(・ヘリベルト) 15歳 人族 没落貴族夫人・新人薬師

レベル1
HP   10→14
MP  10→14
力    10
敏捷10
耐久10
魔力10→13

スキル
調合LV1
魔力操作LV1
商売LV1
査定LV2
料理LV1


(永続付与)
【疲労回復促進】【超疲労回復促進】
【疲労回復超促進】【超疲労回復超促進】
【魔力回復促進】【超魔力回復促進】
【魔力回復超促進】【治癒力上昇】
【超治癒力上昇】【治癒力超上昇】
【超治癒力超上昇】【継続力上昇】
【忍耐上昇】【経験値小上昇】
【HP増加促進】【HP増加超促進】
【HP超増加促進】【HP超増加超促進】【MP増加促進】【MP増加超促進】
【MP超増加促進】【MP超増加超促進】
【ステータス成長促進】
【ステータス成長超促進】

称号
箱入り娘
没落貴族
新人薬師


「どうやら主人公はお節介が過ぎるようだ」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く