これが私達の恋愛!

レイナ

七恋愛

関係が元に戻るなんて事もあります。でも、それは絶対じゃない。そういう事も含めて関係は築いていくものだと私は思います。


──九月九日。


長い長い欠勤からようやく自分は出勤できた。部署の仲間からの目やその他にもいろんな不安に駆られている。


     「よし、今日からまた一日がんばるぞ!」
 

自分らしくも無く、いつもと違う気の入れよう。どうやら、まだ完全には治っていないらしい。
むしろ、狂っている。


いざ自分の部署に行くと、以前と対応は変わらずみんな案外淡白だった。怖がる事も、噂される事も無い。
ものすごい安堵と共に何が起こってるのだと思った。


溜まりに溜まっている仕事を淡々とこなし、パソコンとにらめっこ。何一つ変わっていない。


そうこうしている内に昼休みになった。どうしても、人の集まる食堂には行きたくなく、屋上で食べいた。滅多に買わないコンビニ弁当。少し味気なく美味しく感じない。


     「食べたいな。京子の作った手作り弁当…美味しかったし」


そんな事をボソッと呟くといきなり耳元で誰かが大声で叫んだ。いや、何かを言った。


     「何を今更ー!言うの遅すぎ待たせんな!クール詐欺!おい!」


いきなりすぎてびっくりした自分は、思わず振り向いてしまった。そこにいたのは、あの京子だった。仁王立ちをしほっぺを膨らませている。でも、目は安心したような目だった。


「律の事さ。本当に見捨てようかと思った。だから、他の男とくっ付いてた。でも何も満たされなくて足りなくて…私が身勝手なのは充分わかってる。だから最後のチャンス頂戴」


何をこの子は言っているんだ。思わず空いた口が塞がらなかった。自分が悪いのに律が最後のチャンスだなんて。


「わかった。最後のチャンス受けてあげる。あと、最後の基準は自分が決める。だからさ、いくらでも来な」


自分でも言ってる事の臭さに顔が赤くなっていた。でもね、これが本心であり気持ち。この気持ちはいつまでも消えない。


京子が自分を好きでいてくれるように律は京子を好きでいる。こんなに世界って綺麗だったんだ。曇っていた目の前が澄んでいくのが分かる。


その時二人はお互いにこう思った。


「これが私達の恋愛!」



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