意志ある者達は戦う
もう一つの新たな一日
朝
陽は昇り、草木を照らし、
王城の中、ある十九人の異邦人達の眠る離れをも照らす
その内の一部屋の中で、美玲は目を覚ました
「はぁー……」
美玲はため息を吐きながら、簡素なベッドから体を起こした。顔色は悪く、目の下にはクマができていた
「どうして、一途君はあんなことをしたの……」
そう独り言を言って、美玲はまた“はぁー”とため息を吐いた
「ねぇ、一途君、貴方は彼女をどうして助けたの。あの時……貴方は彼女が化け物だって知らされて、一回剣を揺るがせた。それって、思い当たる節があったって訳よね……」
誰かに話すでも無く、咎めるかの口調でボソボソと呟くと、美玲は小窓に近づく
そして、一途が飛んで行った空の方を眺めた
──────
いつもの草原へと目指し、ジョンに連れられて走る中、
「ねぇ、美玲ちゃん、大丈夫?」
陽葵は美玲の体調を気にして、声を掛けた
「……うん、大丈夫よ」
美玲はそう言ったが、体調が悪いのは誰が見ても一目瞭然であった
「うそ、全然、大丈夫じゃなさそう!顔色とか悪いし!!もし、あれだったら私がジョンやテオドルのおっちゃん達に言っておくよ!?」
「本当、気にしないで……大丈夫だから、心配かけてごめんね」
また、陽葵が心配そうに声掛けるも、美玲は軽く会釈しながら断った
しばらくして、草原に着くと、疲れて休む美玲の前に一人の少女が女子、男子数人を引き連れて現れる
「ちょっと、美玲!大丈夫!?あんた、さっきからずっと顔色が悪いじゃない!!今日はもう一日中休ませて貰ったら!?」
美玲の前に現れた少女、桔梗と、彼女に連れられて様子を見に来た者達が心配そうに美玲を見つめる
「大丈夫だから、気にしないでいいわ」
「気にするわよ!!全くもって身勝手な海源のせいよね。あの後ジョンさんに教えて貰ったけど、魂を食べちゃう恐ろしい化け物を助けて、ジョンさんに攻撃するとか、あいつ頭おかしいんじゃない!?そして、美玲をこんな哀しませて、……本当に許せない!!」
「ふふっ……、一途君のことだから……、何となく私には理由が分かるわ。それと、本当に気にしなくても大丈夫よ」
美玲はそう言ったが、桔梗、連れられて来られた者達全員が美玲の傍に行って、労った
そして、美玲は自分の背中を擦って貰ったり、マッサージして貰ったりして、
意味も分からず泣きながら笑った
「どうして君は、泣きながら笑うんだ?」
「何だろう……、とっても嬉しいから………かしら?」
秀一は美玲に尋ねると、曖昧な表情になって応えられた
──────
美玲を除き、ジョンの元でいつものトレーニングを済ませた後、十九人はいつも通りテオドルのいる大部屋に行った
「今から勇者様方には昨日と同じことをやって貰おうと思います」
テオドルがそう言うと、十九は一斉にやろうとしだしたが、誰一人鳴ることは無かった
「…………、はい、皆様、上手くいきませんね。それは昨日と違ってこの部屋が魔素で飽和されて無いからです」
テオドルは十九人の殆どが手を止めた辺りで話し始めた
「魔素は魔法を使用する為の素材みたいな物です。今日は魔素が飽和されて無い空間で、魔素を体に溜め込み、魔法を使う方法を教えます」
そう言って、テオドルは昨日のように大げさな動きをつけて実演すること無く、自身の体からポンっと音を立てた
そして、テレパシーによって十九人に自分のイメージを伝えた
「どうぞ、やってみて下さい」
十九人はそう言われると、テオドルが昨日のように何か動きをつけてやらなかったことに対し疑問を覚える
そして、
「何か、動きとかないの?」
と、陽葵が首を傾げて尋ねた
「あぁ、あの動き、実は意味ないですよ」
「「「「えぇ!?」」」」
テオドルの発言に十九人は同時に驚いた
「いやー、あの方がイメージをし易いでしょう。それに動きがあった方が楽しいじゃないですか」
そう言って、テオドルは十九人に笑って見せた。そうすると、場が一気に和んだ雰囲気になり、十九人は自然と表情が緩んだ
「今の話でだいぶ気持ちが落ち着いたでしょう?勇者様方、何事にも落ち着いて臨むのが一番いいですよ」
テオドルがそう言った後、次々に十九人達はイメージ通りにして、成功させていった
───────────────────
夜が更け、十九人やそれ以外の異邦人達、昼間に外の見回りで出てた者達などは寝てしまった頃、一人暗闇に紛れ、テオドルはジョンと一途が闘った所に忍び込んだ
そして、適当に辺りの物を見ては何かを読み込むかのようにボーッとする。しばらく、そうした後にテオドルは立っていられ無くなったため、力なくその場に座り込んだ
「Hast du zu viel Strom verbraucht?………Ich verstehe, es ist anders als ich, aber er scheint eine besondere Macht zu haben. "(力を使いすぎたか。………私とは違うが、奴にも特別な力があるようだ)」
陽は昇り、草木を照らし、
王城の中、ある十九人の異邦人達の眠る離れをも照らす
その内の一部屋の中で、美玲は目を覚ました
「はぁー……」
美玲はため息を吐きながら、簡素なベッドから体を起こした。顔色は悪く、目の下にはクマができていた
「どうして、一途君はあんなことをしたの……」
そう独り言を言って、美玲はまた“はぁー”とため息を吐いた
「ねぇ、一途君、貴方は彼女をどうして助けたの。あの時……貴方は彼女が化け物だって知らされて、一回剣を揺るがせた。それって、思い当たる節があったって訳よね……」
誰かに話すでも無く、咎めるかの口調でボソボソと呟くと、美玲は小窓に近づく
そして、一途が飛んで行った空の方を眺めた
──────
いつもの草原へと目指し、ジョンに連れられて走る中、
「ねぇ、美玲ちゃん、大丈夫?」
陽葵は美玲の体調を気にして、声を掛けた
「……うん、大丈夫よ」
美玲はそう言ったが、体調が悪いのは誰が見ても一目瞭然であった
「うそ、全然、大丈夫じゃなさそう!顔色とか悪いし!!もし、あれだったら私がジョンやテオドルのおっちゃん達に言っておくよ!?」
「本当、気にしないで……大丈夫だから、心配かけてごめんね」
また、陽葵が心配そうに声掛けるも、美玲は軽く会釈しながら断った
しばらくして、草原に着くと、疲れて休む美玲の前に一人の少女が女子、男子数人を引き連れて現れる
「ちょっと、美玲!大丈夫!?あんた、さっきからずっと顔色が悪いじゃない!!今日はもう一日中休ませて貰ったら!?」
美玲の前に現れた少女、桔梗と、彼女に連れられて様子を見に来た者達が心配そうに美玲を見つめる
「大丈夫だから、気にしないでいいわ」
「気にするわよ!!全くもって身勝手な海源のせいよね。あの後ジョンさんに教えて貰ったけど、魂を食べちゃう恐ろしい化け物を助けて、ジョンさんに攻撃するとか、あいつ頭おかしいんじゃない!?そして、美玲をこんな哀しませて、……本当に許せない!!」
「ふふっ……、一途君のことだから……、何となく私には理由が分かるわ。それと、本当に気にしなくても大丈夫よ」
美玲はそう言ったが、桔梗、連れられて来られた者達全員が美玲の傍に行って、労った
そして、美玲は自分の背中を擦って貰ったり、マッサージして貰ったりして、
意味も分からず泣きながら笑った
「どうして君は、泣きながら笑うんだ?」
「何だろう……、とっても嬉しいから………かしら?」
秀一は美玲に尋ねると、曖昧な表情になって応えられた
──────
美玲を除き、ジョンの元でいつものトレーニングを済ませた後、十九人はいつも通りテオドルのいる大部屋に行った
「今から勇者様方には昨日と同じことをやって貰おうと思います」
テオドルがそう言うと、十九は一斉にやろうとしだしたが、誰一人鳴ることは無かった
「…………、はい、皆様、上手くいきませんね。それは昨日と違ってこの部屋が魔素で飽和されて無いからです」
テオドルは十九人の殆どが手を止めた辺りで話し始めた
「魔素は魔法を使用する為の素材みたいな物です。今日は魔素が飽和されて無い空間で、魔素を体に溜め込み、魔法を使う方法を教えます」
そう言って、テオドルは昨日のように大げさな動きをつけて実演すること無く、自身の体からポンっと音を立てた
そして、テレパシーによって十九人に自分のイメージを伝えた
「どうぞ、やってみて下さい」
十九人はそう言われると、テオドルが昨日のように何か動きをつけてやらなかったことに対し疑問を覚える
そして、
「何か、動きとかないの?」
と、陽葵が首を傾げて尋ねた
「あぁ、あの動き、実は意味ないですよ」
「「「「えぇ!?」」」」
テオドルの発言に十九人は同時に驚いた
「いやー、あの方がイメージをし易いでしょう。それに動きがあった方が楽しいじゃないですか」
そう言って、テオドルは十九人に笑って見せた。そうすると、場が一気に和んだ雰囲気になり、十九人は自然と表情が緩んだ
「今の話でだいぶ気持ちが落ち着いたでしょう?勇者様方、何事にも落ち着いて臨むのが一番いいですよ」
テオドルがそう言った後、次々に十九人達はイメージ通りにして、成功させていった
───────────────────
夜が更け、十九人やそれ以外の異邦人達、昼間に外の見回りで出てた者達などは寝てしまった頃、一人暗闇に紛れ、テオドルはジョンと一途が闘った所に忍び込んだ
そして、適当に辺りの物を見ては何かを読み込むかのようにボーッとする。しばらく、そうした後にテオドルは立っていられ無くなったため、力なくその場に座り込んだ
「Hast du zu viel Strom verbraucht?………Ich verstehe, es ist anders als ich, aber er scheint eine besondere Macht zu haben. "(力を使いすぎたか。………私とは違うが、奴にも特別な力があるようだ)」
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