意志ある者達は戦う
微妙
「おはよう、一途君」
「ああ、おはよう、月時」
朝になった。陽の光はまだ地平線を越える途中で、空全体がオレンジ色に染まっている。朝焼けである
「なぁ、月時。お前起きるの早すぎないか?」
「いいえ、これが普通よ。」
「すまないが俺はもう一眠りさせて……」
「あら、そう。でも、それは無理そうね」
そういうと美玲は目を外の方にやる
その様子を見て一途も外の方にやると、帯剣した厳つい人達が離れに近づいてきているのが分かった。何やら、その中の数人がラッパを握っていた。
そして、
ブォーーーーーーー!!!!
「うわ、何これ!うっさい!!」
「一途君、起床の時間みたいよ」
厳つい人達の中から一人、男が声を張り上げる
「オーーイ!!起床だぁー!!!起きた者から起こしてけーーー!!全員揃ったら、走るぞー!!」
「…………らしいわよ、一途君。あら、朝から疲れ顔?どうしたのかしら?」
「……………どうもしてないよ」
────────
「うぅ……、朝起きたばっかに走らせて、こんな飯を食わさせるとか鬼畜じゃねぇか…」
「…………戸部、文句言わずに食え……」
昨日の夕飯の時のように戸部と秀一が並んで座る。各人の席の前には昨日と同じずっしりとしたパンと古びたカッチカチのジャーキー、茹でた一応食べられる草………
「うん!運動の後のご飯は美味しい!!」
秀一のもう片側には陽葵が座っている。如何にも元気いっぱいであるかのような表情をしていた。秀一を挟んだ反対側に座る戸部はその様子を見て、
「おい、陽葵。それ、本気で言ってんのかぁ?」
「うん!……オエ…本気っ、だもん!」
「おい、陽葵。今、えづいたよなぁ?」
「そんなこと……ッ…ないもん!」
「おい、手も止まってんぞ」
「気のせい!!」
「そういうけど手に持ってるパン、一口も食ってねぇじゃねぇか」
「そっ…んなことないよ!」
パンを握る陽葵の手が震える
握ってない方の手を千切る為にパンへと辛そうに向かわせる
重苦しい手がやっとパンを小さくむしる
涙を薄らと浮かべながら…
「おい、もういいから陽葵。そんだけの様子なら無理して食わんでいい」
「戸部、お前が煽るから陽葵が無理してるんだろ。……陽葵、辛かったら残していいよ。食べられる物だけ食べなよ」
秀一はそう言って、陽葵の背中をさする
「ありがとう、秀一君。私…ちょっと、……ううん、大丈夫だから」
陽葵の辛そうな様子を心配する秀一、心配して貰って喜んでるのか顔を少し火照らせた陽葵
戸部は秀一と陽葵のやり取りを見て“ケッ!!”と言ったがその場の誰の耳にも入らなかった
「おお!、今日は朝食にジャーキーがつくなんてよりいっそう頑張れそうだ!!」
「ほんとですね」
異邦人達とともに先程の厳つい人達が食事をしていた
異邦人達全員が食べ終えると先に食べ終えていた厳つい人達の中から一人、起床時に声を張り上げていた男が話し始める
「私の名前はジョンだ。近衛騎士であり、君達の基礎体力訓練と精神修養の指導を陛下より直々に賜った者だ。宜しくお願いする!」
ジョンには異邦人達から何とも微妙な拍手が浴びせられた
拍手の様子から異邦人達に元気がないように感じられたジョンはさらに続けて言う
「お前達は予想以上に体力が無い!そればかしか、元気も無い!今のままでは君達の先達に体力も精神面も遠く及ばない!………3日だ。3日で弱音を吐くような精神を叩き直してみせよう!!」
ジョンは熱弁を振るったが、異邦人達の反応は尚も微妙であった
「ああ、おはよう、月時」
朝になった。陽の光はまだ地平線を越える途中で、空全体がオレンジ色に染まっている。朝焼けである
「なぁ、月時。お前起きるの早すぎないか?」
「いいえ、これが普通よ。」
「すまないが俺はもう一眠りさせて……」
「あら、そう。でも、それは無理そうね」
そういうと美玲は目を外の方にやる
その様子を見て一途も外の方にやると、帯剣した厳つい人達が離れに近づいてきているのが分かった。何やら、その中の数人がラッパを握っていた。
そして、
ブォーーーーーーー!!!!
「うわ、何これ!うっさい!!」
「一途君、起床の時間みたいよ」
厳つい人達の中から一人、男が声を張り上げる
「オーーイ!!起床だぁー!!!起きた者から起こしてけーーー!!全員揃ったら、走るぞー!!」
「…………らしいわよ、一途君。あら、朝から疲れ顔?どうしたのかしら?」
「……………どうもしてないよ」
────────
「うぅ……、朝起きたばっかに走らせて、こんな飯を食わさせるとか鬼畜じゃねぇか…」
「…………戸部、文句言わずに食え……」
昨日の夕飯の時のように戸部と秀一が並んで座る。各人の席の前には昨日と同じずっしりとしたパンと古びたカッチカチのジャーキー、茹でた一応食べられる草………
「うん!運動の後のご飯は美味しい!!」
秀一のもう片側には陽葵が座っている。如何にも元気いっぱいであるかのような表情をしていた。秀一を挟んだ反対側に座る戸部はその様子を見て、
「おい、陽葵。それ、本気で言ってんのかぁ?」
「うん!……オエ…本気っ、だもん!」
「おい、陽葵。今、えづいたよなぁ?」
「そんなこと……ッ…ないもん!」
「おい、手も止まってんぞ」
「気のせい!!」
「そういうけど手に持ってるパン、一口も食ってねぇじゃねぇか」
「そっ…んなことないよ!」
パンを握る陽葵の手が震える
握ってない方の手を千切る為にパンへと辛そうに向かわせる
重苦しい手がやっとパンを小さくむしる
涙を薄らと浮かべながら…
「おい、もういいから陽葵。そんだけの様子なら無理して食わんでいい」
「戸部、お前が煽るから陽葵が無理してるんだろ。……陽葵、辛かったら残していいよ。食べられる物だけ食べなよ」
秀一はそう言って、陽葵の背中をさする
「ありがとう、秀一君。私…ちょっと、……ううん、大丈夫だから」
陽葵の辛そうな様子を心配する秀一、心配して貰って喜んでるのか顔を少し火照らせた陽葵
戸部は秀一と陽葵のやり取りを見て“ケッ!!”と言ったがその場の誰の耳にも入らなかった
「おお!、今日は朝食にジャーキーがつくなんてよりいっそう頑張れそうだ!!」
「ほんとですね」
異邦人達とともに先程の厳つい人達が食事をしていた
異邦人達全員が食べ終えると先に食べ終えていた厳つい人達の中から一人、起床時に声を張り上げていた男が話し始める
「私の名前はジョンだ。近衛騎士であり、君達の基礎体力訓練と精神修養の指導を陛下より直々に賜った者だ。宜しくお願いする!」
ジョンには異邦人達から何とも微妙な拍手が浴びせられた
拍手の様子から異邦人達に元気がないように感じられたジョンはさらに続けて言う
「お前達は予想以上に体力が無い!そればかしか、元気も無い!今のままでは君達の先達に体力も精神面も遠く及ばない!………3日だ。3日で弱音を吐くような精神を叩き直してみせよう!!」
ジョンは熱弁を振るったが、異邦人達の反応は尚も微妙であった
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