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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

少しドタバタしちゃったけど、改めて出発ですよ!

私がパーティに戻ってから数日、ダンジョンへ向けての準備や情報収集を進めた。

予定よりもだいぶ聖都にいたけどやっと出発できそうということでシロルちゃん達に連絡する。

「ここまで長かったのだ」

「すみません、私がいなくなったばっかりに」

「リィアは何にも悪くないよ、それにあたし達もいい経験ができたし!」

「そうね、もう私たちリィアなしじゃまともに旅ができないかもしれないわ」

「一度知った味は忘れられないってやつですね。私もリィアさんの偉大さがよくわかりましたよ」

みんなして私を必要としてくれているのを聞くと何だかむず痒い。

「えへへ、そ、そうですか?それではこれからもよろしくお願いします」


大聖堂のところでシロルちゃん達と待ち合わせしているのでそこへ向かう。

「あ、リィアさん、みなさん!ついに旅に出発ですね!」

「時間がかかってしまってすみません」

「気にすることはありませんよ。元はと言えばロミスが悪いので」

ルチアさんは相変わらずロミス様に厳しいね。

「あの、次向かうところはどんなところなんですか?」

「そうね、次の目的地はラキトピアにあるダンジョンの街、サタロトよ」

「サタロトですか!幸神教としてもそこは聖書にでてくる場所なのでぜひとも行ってみたいです!」

ダンジョンの街ということでストリーフ王国にあったシャトルのような場所になっている。
主にダンジョンから得られる資源で栄えていて国としても冒険者としても大事な場所だ。

「サタロトのダンジョンも勇者達は探索したのかな?」

「魔物が溢れる原因となったダンジョンには全て探索してると言っていたのだ。おそらくラキトピア一のダンジョンであるサタロトのところにも行ってると思うのだ」

ダンジョンに入るのって久しぶりだからちょっとワクワクしてきた。

「私達がダンジョンにいる間はシロル達は観光してるのよね?」

「そうですね。流石に私は冒険者ではないので入れないでしょうし、入っても危ないですからね」

「私もダンジョンに求めるものはないので入るつもりはありません」

「わかったわ。それじゃあ馬車に乗って出発よ」

今回は歩きの旅ではなく馬車を使うことにした。

護衛依頼は受けてないので完全に貸し切ったものだ。

「たまにはこういう贅沢もいいのだ」

「私には乗ってくれないのに‥‥ちょっと嫉妬しちゃいます。しっかり走るんですよ?」

テナちゃんが馬に嫉妬してるのちょっとかわいいね

「御者さんはいるんだよね?」

馬車を借りるって聞いたからサーティアさんに任せてお金を渡したんだけど、どうなったんだろ?

「ふふふ、御者はこの私よ!」

えっ!?サーティアさんが馬を?

「サーティアさんって馬に乗れたんですか?」

「聖都にくるときに護衛依頼を受けたじゃない?あの時の商人さんに教えてもらったのよ。ただ馬に乗るより簡単にできるわ、それに、ちゃんと調教されてる馬だから安心よ」

まさかの初心者だった!?
まぁでもサーティアさんは頼もしいし要領いいからなんとかなるかも?

「心底不安だが、何事も経験なのだ」

「でも御者さんがいないなら思いっきり食事やテントも使えるね」

そうなのだ。外部の人がいないなら私による快適な旅ができる。

借りた馬車の元へ行くと元気そうな馬が二頭ついた立派な馬車だった。
相場がわからなくて結構多めに渡しちゃったけど、もしかしてあれ全部使った?

「これ貴族用じゃないの?」

「大丈夫よ、貴族じゃなくても使えるわ」

まぁ貴族は自前のものがあるだろうからおそらくは高ランク冒険者や事情のある貴族用なのだろう。

「私は馬の力なんて借りませんからね!」

そしていざ馬車で出発するところで、テナちゃんがそんなことを言い出した。

「でも、それじゃあずっと走ることになっちゃいますよ?」

「ふふふ、ドラゴンはそんなやわじゃないんですよ!」

確かに、どんな依頼を受けた後でも結構余裕そうだし、少なくともルーナちゃんの何十倍も体力あるもんね。

「それじゃあテナはそのまま周りの警戒を頼むわ」

「わかりました!」

サーティアさんが御者席に乗り、馬車の中にシロルちゃんとルチアさん、ルーナちゃんと私、クロエさんが乗った。

「結構な人数乗っても平気なんだね」

「そりゃあいいのを借りたからね。馬も二頭いるし、結構な速さで走れるわよ」

「馬車に乗るのは初めてです。人はこうして知恵を使い他の生物の力を借りるのですね」

「私、途中で気分が悪くならないか心配です………」

「もし気分が悪かったら魔法をかけるので行ってくださいね」

酔い止めはないけど便利な回復魔法ならある。

「それじゃあ出発するわよ!」

サーティアさんは馬に指示を出して馬車を進める。

なんかいつものような安心感がないから少しドキドキする。

「聖都からサタロトまではしっかりとした道があるからそんなに揺れないのだ」

「旅といえば馬車で移動っていうのも醍醐味ですよね〜」

この世界に来てからの移動手段は基本徒歩か馬車、たまーにドラゴンだからね
さすがに馬車の揺れには慣れて景色を楽しめるようになってる

「ってあれ?この馬車全然揺れないですね」

速度がゆっくりすぎるわけでもないのに普通の馬車より全然揺れない。

「サーティア、こんないい馬車いくらしたの?」

「金貨10枚よ!!」

やっぱり渡したお金全部なくなってる

「ちょ、それは使いすぎなのだ!!」

「いいじゃない、私の初めての運転なんだから」

まぁお金には困ってないからいいんだけど、まさかそんなにするとは思わなかった。

「ちなみにだけど街についたらこの馬車は返すことになっているわ。だから帰りもまた借りなくちゃいけないのよ」

なんだそのぼったくりは!いくらなんでも高すぎるでしょ

「えっ、そんなにするの!?」

なんかそんなに高いと逆に安心できるよ、これ借りる人絶対貴族しかいないでしょ

「シロル、金貨10枚はそこまで高いのですか?」

「はい、私には到底持てない金額です。上級の神官の人でも気軽に出せる金額ではありません」

「なるほど、つまりこれが贅沢ということですね」

もちろん乗り心地は最高にいいからまた借りてもいいなって思える


ふと窓の外を見てみるとテナちゃんが馬車と並走していた。

疲れてる様子は全くなく、心地よさそうな顔をしていた。

「テナちゃんは元気いっぱいですね」

「あたしには絶対真似できないよ」

そんな感じで私達の旅が再開した。

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