話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

リィアのいない間 続き

やっと目的のセイトリソウを見つけた。

「これがセイトリソウですか、あんまり強そうじゃないですね」

あたし達が目の前にいても攻撃してくる気配はなくじっとしている

「クロエ、魔法の詠唱を始めて、ルーナはそれの援護、テナは私と一緒に攻撃するわよ」

植物系の魔物のいいところはあまり動かないことと動きが遅いことだ。

クロエは早速詠唱を始める。最初から最大火力の魔法を放つようだ
その異様な魔力に気づいたのか、セイトリソウも動き始める。

動きは遅く攻撃自体もそんな強いものじゃない

そう思ってたら中心からものすごい量の粉を吹き出してきた

あたしは危険だと思って水を広げて出現させ、粉を防ぐ

「サーティア!テナ!大丈夫?」

二人も急いであたし達の方へ戻ってきた。

「びっくりしたわ、ただの花粉じゃないわよね、そもそもあれは魔物じゃないから花粉ではないんだろうけど」

「こういう時はさっさと燃やしたいですけど……じれったいですね」

なんとか粉は防いだけど、周りの様子がおかしくなる。
どこからともなく植物系の魔物がワラワラと集まってきたのだ

あの粉に引き寄せられたの?

「く、クロエ、まだ?」

みんなでクロエを守るように現れた魔物達と戦う、植物系ってこんな沢山動くようなやつじゃなかったのに

どんどんジリ貧になってるところでやっとクロエの魔法が完成する。

「闇の力よ、我に従いその全てを葬りされ!!!イグジストバニッシュ!!!」

クロエの魔法がセイトリソウに炸裂する

セイトリソウはうねうねと動いていた触手が止まり、ぐったりと倒れた

「あとは残った魔物たちの始末だけね」

「さすがはクロエお姉ちゃん!」

「ひ、久しぶりのこの魔法は疲れるのだ………」

魔力が底を尽き、クロエは動けなくなる。
燃費は悪いけどこういう面倒な相手を一発でやってくれるからなぁ、あとは任せて

近距離で戦う2人を援護するようにあたしも魔法を連射する

時に動きを止めたり、伸びてくる触手を切ったり、なかなかやむことがなかった魔物達がようやくおさまった。

「ふぅ……やっと終わったわね」

「意外と疲れました……魔法を縛るのって思ってたより大変ですね」

「クロエ、終わったよ、立てる?」

「あ、あぁ」

「セイトリソウは倒せたかしら?」

「我の最大最強魔法がその辺の魔物に耐えられるわけないのだ。今までドラゴンだったり、クラーケン相手だったから耐えられただけで………」

「そうですよ!クロエお姉ちゃんの魔法はすごいんですから!私ですらほとんど瀕死状態になっちゃったんですからね」

「まぁでも確認は大事でしょ、それに素材採取だからこれからこれを解体しないとね」


セイトリソウはその名の通り本当に植物みたいな魔物で一見魔物だということがわからないほどだ
ただ違うのはその肉感で普通の植物と違い柔らかい弾力がある。

血液のようなものも流れているので明らかに植物とは違うということがわかる。

「ちゃんと仕留められてるみたいね、こんな状態のいい倒し方はないわ、さすがわクロエね」

「ふっ、我にかかれば当然なのだ」

リィアがいたら多分クロエの魔法を使うことなくささっと終わるんだろうなぁ
みんなもここまで疲弊することもなかっただろう
やっぱりあたし達にリィアは欠かせないね

「運ぶために持ってきたアイテム袋に入る?」

「全部は無理だけど、依頼達成できるほどには入りそうね」

テナとサーティアが手際よく切り分けて次々にアイテム袋に入れていく
リィアの持ってるものと違って容量もそんなに多くなく、保存が良くなることもないのでできる限り急いで持っていく必要がある。この素材は鮮度が重要かどうかはわからないけど

「帰りはどうしますか?私が飛んで行きましょうか?」

「いや、それは最終手段なのだ、サーティア、道は分かるのだ?」

「ま、エルフが森の中を迷うはずないわ。始めてきた森だから多少はズレるかもしれないけど大まかな方向性はわかってるから、こっちよ」

さすがはサーティア、こういう時に本当助かる。 

「クロエ、もうちょっとで外だから頑張って」

「ぬうぅ、魔力が切れて力が入らないのだ」

「テナ、頼める?」

「はい!分かりました、クロエお姉ちゃん、さっきはお疲れ様でした。ここからは私が運ぶのでしっかり捕まっててくださいね」

「ちょっ、いいのだー!我は自分で歩ける」

「何言ってんのよ日が暮れたらいよいよ面倒になるんだから暗くなる前に森を抜けるわよ」

暴れるクロエをテナがあっさり押さえつけてそのまま急いで森の中を進む。

なんとか日が暮れる前に森の外へと抜けることが出来たけど、体力的に限界で聖都まではまだ遠く、近くには町、村などはないため、この辺りで野営することになった。

「今回はリィアがいないからちょっと面倒だけど、よろしく頼むわよ」

テナに運んでもらったこともありクロエが少し復活した

「ここは我に任せるのだ」

こうしてテントを建てるのは初めてだ、冒険者学校時代にそういう実習もやったから多少は分かるけどテナは難しそうにしている

「あれ?こっちがどっち?いつも簡単に出してるからリィアさんの魔法のテントのありがたみがわかりました」

「そういえばこのテントわざわざ買ったの?」

「借りたのよ、ギルドに泊まりがけになるかもしれないからって伝えたらすぐに貸してくれたわ」

なんとかテントを組み立てるとクロエが魔法で机やイス、火の用意などを済ませてくれていた。

「ふっ、いつもリィアのことを見ているからな、忠実な再現ができるのだ」

「まぁ食料はいつもみたいにはいかないけどね」

残念ながら新鮮な食材はないので冒険者用の携帯食だ。それでも炙ったりしたら多少はマシになる
ん〜、まずいってわけじゃないけど、硬いし食べづらい

「リィアさんがどれだけ旅を楽にしてくれたかがよくわかります」

「これが冒険者の普通なんだけどね」

「そうなのだ」

寝る時も硬い地面と肌寒さに耐えながらで見張りもあるからほとんど休むことが出来なかった。

これが冒険者の普通だってことはわかってるんだけど、リィアがいる生活に慣れちゃってるあたしにとってはもうリィアなしじゃ生きられないよ!

リィア、早く帰ってきて

「コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く