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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

妖精の森で

リィア視点
私は一種の瞑想状態にあった。
光の中にいるような感覚で他に何も感じることができなかった。

そこに現れたのは妖精の姿よりもずっと神々しい姿になったロミス様だった。

「こうしてまた直接会うのは久しぶりだね、リィアちゃん」

「どうして私はここに」

「ここは聖域だからね、神様が直接干渉できる場所なんだよ。まぁ神は概念的存在だからこの姿はあくまで想像でしかないんだけどね」

つまり私が認識しているロミス様の姿は本来ないはずのものを勝手に想像してるってこと?
なんかよくわからないなぁ

「神様って私が思っているよりもずっとふわふわした存在なんですね」

「だからこそ依代や天使を使って必死にアピールしてるんだよ」

この神様は世界を超えてゲーム作ったりしてるし、そのアピールがものすごいんだろうね

「あの、ひとつ質問してもいいですか?」

「ん?どうしたの?全知全能じゃないけど、ある程度のことは知ってるつもりだよ」

「世界の真理を知りたいとかじゃないですよ、私以外にもこうしてよくしてる子はいるんですか?」

自分を卑下する気はないけど、私と同じような人はいっぱいいるし、なんなら私の上位互換の人だってたくさんいるのにどうして私を選んでこの世界に連れてきてくれたのがよくわからなかった。
だとしたら私以外にも天使としてこの世界に来た子がいるって考えた方が普通だろう

「いるって伝えたら、リィアちゃんは悲しむかな」

「いえ、それが普通かなって思います」

「私は神様だけど平等なんて考えてないし、なんなら私の好きなように世界を作りかえたいような言ってしまえば他の神からしたら邪悪な神なんだよね。話はそれちゃったけど、そんな私が贔屓しているリィアちゃん以外の存在はいないからね。転生者はこの世界に何人かいるけど、そのほとんどが私以外の神によって転生されたから。まぁその裏付けとしてリィアちゃん以外に贔屓してる子がいたらリィアちゃんに会わせるからね、隠す理由もないし」

確かに、ロミス様のことだからどこかで必ず会わせてくれそうだね

「ありがとうございます、どうして私をって思いますがそれも運命だったんでしょうね」

きっと誰しも理由を求めることの答えが運命や偶然だったということがないだろうか?

どうして、なぜの先にあるのは神ですらわからない運命なのかもしれない


私は気がつくと天使の姿から戻っていて、世界樹の中にある葉っぱのベッドで寝ていた

「あ、目が覚めましたか、ありがとうございます、これでまたしばらく妖精の森を守る魔法が保つことができます。それにしても贅沢ですね、世界樹の葉をこんなふうに使うなんて………リィアさんじゃなかったら妖精の全員が反対していますよ」

どうやら全て世界樹の葉っぱらしい、これは全ての病を消し去る万能薬であるエリクサーの材料のひとつでもある通り、葉っぱ自信にも高い治癒能力があるみたい。
魔力が切れて力尽きた私をフランさんが運んでくれたらしく、近くにフランさんが座っていた

「おはよ、私達のために頑張ってくれてありがと!」

途中から意識がなかったんだけど無事に終わったみたい。

「それじゃあ私帰ってもいいんですか?」

「えー!もうちょっとゆっくりしていけばいいのに」

「そうですよ、せっかく来たのにこれだけなんて、妖精達も歓迎会の準備をしているんですから」

どうやらすぐには帰してくれないらしい。
ふとロミス様の様子が気になって妖精達の中を探すけど、ロミス様の姿はなかった。

「あれ、ロミス様はどこに行っちゃったんですか?」

「ロミス様ならあそこに眠っています」

私と同じく世界樹の葉の上ですやすやと眠っていた。
そういえば寝ている間に夢を見ていたような………確かロミス様とおしゃべりしたような

「ほら、リィアこっち、もう準備はできてるよ」

「ロミス様のことは私に任せて楽しんでください」

曖昧な記憶を整理する前に妖精達に催促されて歓迎会会場へと連れていかれる

そこにはだいぶ昔に読んだ絵本のような世界が広がっていた。

キラキラと飛び回る妖精達と華やかに飾られた花
テーブルには見たことがない美味しそうなお菓子とハーブティが並んでいた

「す、すごいですね」

「えへへ、すごいでしょ?みんなで考えて用意したんだよ」

「私のために……ありがとうございます」

確かに前妖精の森に迷い込んだ時魔族から守ったりしたし、魔力供給もしてるけどここまで感謝されるとは思ってなかった。

妖精達の用意したお菓子やお茶はどれも美味しくてすぐに食べ終わってしまいそうになるが、沢山あるみたいで次々と出てくる

甘さが自然な甘さだからしつこくなくていくらでも食べれちゃう

「あの、フランさん達妖精って普段何してるんですか?」

思えば妖精とはなんなのか、人間みたいな生物ではなくて神から生み出されてるから普通ではないんだろうけど

「主に世界樹のお世話だね、世界樹はこの世界の生命の象徴っていう設定のロミス様の聖域だから」

設定とか言ってるけど大丈夫なの?

「つまり聖域の守護者ってことですか?」

「守護者でもあるけどあんまり私達に戦う力はないからほんとにお世話だけ、葉っぱを拾ったり枝が変に曲がらないようにするとか、あんまりやることはないんだけどね」

へぇ〜、だから妖精達はここからあんまり出ないんだね

「私は外に出たことないから分からないけど、他のみんなはネマ様の魔法で世界各地に行ってお仕事をすることもあるよ。私は身体が大きいから力仕事とかをやってる、このテーブルやイスも私が用意したんだよ」

例えば私のための転移魔法の魔法陣とかかな?
ん〜、どっちかっていうとこっちが天使っぽいような………
どうやら妖精達は神様の裏方の仕事をしているらしい。

なんか私って本当に甘やかされてるだけなんだね
私前世ってそこまで善行を積んでたのかな?
多分それはないからなにかしらのところで気に入られたのだろう

「私のためにありがとうございます」


それからしばらくした後、ロミス様(妖精の姿)が起きてきた

「リィアちゃん楽しんでる?」

「はい!とても」

「このままずっと閉じ込めたいって思っちゃうけど、さすがにそれは可哀想だからそろそろ元の場所まで帰してあげるよ」

サラッと恐ろしいことを言われたけど、無事に帰してくれるようでよかった。

「そういえば私、ここに来てからから何日経ってましたか?」

「数日くらいだと思うよ、ここと外の世界は時間の流れが少し違うから正確には分からないけど」

それじゃあ結構眠っちゃってたんだね

「お茶とお菓子とっても美味しかったです。ありがとうございました」

「こっちこそ!来てくれてありがとう」

妖精達ともお別れをして転移魔法の魔法陣の上に乗る。
ここの魔法陣はいつものより大きくここからならどこへでも簡単に行けるらしい

私はみんなのところへと戻った。

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