話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

魔王からの依頼

翌日、いい匂いと柔らかい感触に包まれながら目が覚める。

「か、かわいすぎる」

目の前には目を閉じて小さく息をするルーナちゃんがいる
このままキスしたくなっちゃうけど他のみんなも寝てるので我慢して起き上がる。

抱き合って寝ることで思ってたよりも窮屈することがなかった。

周りを見てみるとルチアさんとサーティアさんは起きているようだ
なんか2人ともいつもより優しい表情になってるんだけど

「お、おはようございます」

「あ、おはようリィア」

サーティアさんは寝ているテナちゃんの頭を撫でていた。
反対側にいるルチアさんも同じようにシロルちゃんを撫でていた。

「何してるんですか?」

「いやその、なんていうのかしら?妹と弟のこと思い出してたのよ」

いわゆる母性本能が刺激されたってやつかな?

「私はシロルを見守るためにずっとこうしていました」

ルチアさんは母というより慈愛に満ちた女神様って感じだね


「ん〜、おはようリィア〜」

「おはようございます、ルーナちゃん」

んっちゅ

「る、ルーナちゃん!?」

「えへへ、リィアが近くにいたから」

寝ぼけているのかルーナちゃんは周りが見えていないようだった。

サーティアさんを見たら多分、いや絶対ジト目になってると思う

「起きてくださいルーナちゃん」

私は無理やりルーナちゃんを起こす

「…………朝から熱々ね」

「す、すみません」


それからシロルちゃんやテナちゃんも起きてきたのでテントをしまって朝ごはんの用意をする。

朝のことはびっくりした、ルーナちゃんがかわいすぎてきゅん死するところだったよほんとに

「しばらくここにいるつもりだったけど、これといった目的は達成しちゃったのよね」

「ですね。クロエさんが満足するまではいたいと思いますけど」

私達からすれば勇者たちに会った時点で目的は達成してるので特にやりたいこともないんだよね
クロエさんにとっては大事な家族だからその時間をできるだけ多く過ごして欲しいからすぐ聖都に戻ることはしないけど

「魔物もいないし近くに村とかがあるわけでもないし、ほんとになにもないから退屈しそうだよ」

「それじゃあ私と一緒に遊びましょうよ!」

こんな何もないところでもテナちゃんは元気いっぱいだ

「いいですよ」

テナちゃんの遊びといえば結構ハードな模擬戦だったり追いかけっこだったり、もはや遊びじゃないけど、たまにはこういうのもいいだろう


しばらくして、いざ遊びに行こうとすると、家からクロエさんが出てくる

「あ、クロエ」

「おはよう」

「クロエに聞いておきたいんだけど、いつまでここにいたい?さすがにずっとは出来ないけど、ある程度ならクロエに任せようと思ってたのよ」

「……あと2日3日くらいかな、そのくらいにお母さんが帰っちゃうみたいだから」

「そう、わかったわ。私達のことは遠慮しないでいいからね?せっかくの機会なんだからいっぱい楽しみなさいよ」

「ありがとう」

なんかいつものクロエさんじゃないような……家族と一緒だからいつものような感じじゃなくて素の状態から抜けないのかな?

「あたし達からしたらこんなに素直なクロエはちょっと変って思っちゃうんだけど、まぁ気持ちを考えたら納得だよね」

「それは思っても口にしちゃダメですよ」

「な!ルーナに言われたくないのだ!」

「そうそう、あたし達の前くらいいつものクロエの方が安心するよ」

「恥ずかしいのだが、こればかりはどうしようもないのだ。幻滅しないでくれると嬉しいのだ」

「幻滅なんかする訳ないわよ」

「そうですよ!クロエお姉ちゃんは強くてかっこいいんですから、それに、家族との再会なんですからそれが普通です」

「か、からかってごめんってば、クロエがずっと向こうに行っちゃう気がしたからつい」

「まったく、ルーナの方がよっぽど甘えんぼなのだ」

クロエさんの希望通り魔王であるエミリーさんが帰ると同時に私達もここを離れることにした。

それまではテナちゃんと遊び(過激)をしたりジャックさんやセリアさんに英雄なりのアドバイスをしてもらったり、魔王から延々とクロエさんについて聞かれたり………そんな日々を過ごした。

ルチアさんとシロルちゃんはすっかりセリアさんと仲良くなってこのままここに預けてしまおうかとも思ったけど、ラキトピアを回る目的があるのでそういう訳にもいかなかった。

そして、エミリーさんが仕事の都合で帰ることになった。私たちはその次の日に聖都へと戻ることにした。

「そうじゃ、わらわからクロエ達に頼みたいことがあるのじゃ」

「頼みたいことって?」

「ここからは魔王としての依頼なんじゃが、聞いて欲しいのじゃ。実は昔からアドレントと交流のある国があるのじゃが、その国の様子が少し変なのじゃ、使者を送ってもすぐに返される。そこでお主らに極秘で様子を見てきて欲しいのじゃ。まぁ今すぐやって欲しいとかではないから準備が出来たら連絡して欲しいのじゃ」

「連絡って?」

「知ってると思うがクロエには常に守護霊がついておる。いわば魔王の加護じゃな、しっかりと伝えれば伝わるのじゃ」

あ〜、なんとなくそんな感じはしてたというか帝国にいた時とか不自然にルーミーさんが来たりしたし、うん、まぁ監視されてるみたいだね

そして魔王は私に念を送ってきた

(それと、お主が神の使いであること、転移魔法が使えることも知っておるのじゃ、よってお主らはわらわ達魔族の味方なのじゃ)

なんか色々と知られてるし!
ロミス様が元々魔族側の神様だからそう見えるけど、私はどっちの味方とかないからね?

よく見たら魔王の指にはどこかで見たことあるような指輪がはまっていた。

………あれもしかして神器の指輪じゃん

てっきり魔族は邪神がメインだと思ってたけどロミス様もちゃんと魔族の神様なんだね

(ちなみにリィアちゃんに不利になるようなことにはならないから安心してね)

そして不気味なくらい私に甘い神様……

(心強いですロミス様)


「コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く