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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

幸神教の教えに従って

シロル視点
私は聖女様の母であり、先代の聖女様と実際に会うのは初めてでした。

元聖女様……セリア様は私のことを知っていたようで、一緒にいるルチア様のことを怪しく思ったそうです
そして、ルチア様と共に別室へ呼び出されました。

「で?この人は誰なのかしら?」

「この方は幸神教でとても大切な方なんです」

ルチア様からはルチア様が幸神教の神様だということを明かしてはいけないといわれているので、たとえセリア様であっても言ってはいけません

「その大切なお方が誰かって聞いてるのに……もしかして教皇に口止めされてるの?安心なさい、私はこれでも元聖女で今の聖女の母なんだから」

「それは存じています。ですがこれは私にとっては譲れないもので………」

「もう、なんなのよ、それじゃあ本人から聞くから」

セリア様は私からルチア様の方に視線が移る。

「………仕方ありませんね、このままではシロルが可哀想なので本当のことを言いましょうか、それにあなたも無関係という訳ではありませんし」

「どういうこと?私はあなたのこと見たこともないんだけど」

「それはそうでしょう、この世界へ降り立ったのは今までにありませんからね。加護も特定の人物にしか与えていませんし」

「降り立つ……加護………まさか!?」

「はい、私はあなた方の神です」

驚きすぎてセリア様は固まってしまいました

「あの、信じられないかもしれませんが本当なんです。大司教様が大聖堂の地下で礼拝を行ってた際にご降臨なさったみたいで、今は人の姿をしているんですが」

「まぁここにシロルがいる時点で大司教か奇跡を起こしたもう一人の聖女かと思っていたから……それくらい実力がないとあの教皇がかわいい孫を任せたりしないわ………それと、無礼な態度をして大変申し訳ありませんでした」

セリア様は綺麗に腰を折って謝ります

「いえいえ、気にしないでください、私がこの世界にきた理由は世界の破滅でもラキトピアに異常があったからとかではなく、単純に神として人の気持ちを理解したいと思ったからなんです」

「そう、ですか」

「はい、それであなたにも話を聞きたいのです。私は天使を生み出さず、人に力を与えることもほとんどしません。神としての力をあまり使わないのです。ですが聖女は例外として力を与えています。その重圧など、聖女としての苦悩などを聞かせてください」

「神でも悩まれるんですね」

「ええ、人の幸せは必ずしも全員に当てはまるものではないのです。直接食べ物を分け与えたり、お金を与えたり、全ての生活が豊かになるようなことはできません、限られた中で力を使うというのは選択の繰り返しで片寄らないようにするのが大変なんです」

神様の考えは思っていたよりも規模が大きく、私には黙って聞くことしかできませんでした。
私達の神様は常に私達のためを考えてくれているってわかっただけでも嬉しいです

「そうですね、その例外として言えることは神様の考えてることは基本的に正しいですね。人はどんだに徳を積んでも悪い心や弱い心など、完璧ではないので、特別はできる限り無くした方がいいと思います。ただ、御言葉など、幸神教信者に対して言葉を投げかけたり、希望を与えたりするのは自由にやっていいと思いますよ」

「言葉ですか?」

「はい、神様がお考えになってる以上に信者達は神様のことを愛していますからね。こうしてお会いできている私ですら今喜びと畏怖が混ざった不思議な感情ですから」

聖女様でさえ、神様を前にすると緊張してしまうそうです。
私は慣れと現実味がないせいでそこまで緊張しなくなりました

「施しや加護は求めないのですか?てっきりもっと力を与えてみなを救って欲しいと言われるかと思っていましたが」

「それができるならとっくにしているはずなので言いません。まぁ聖女の時の私ならきっと、全世界の人から不幸を無くして欲しいとか、貧困、病気、それと魔物や悪い心など、全てを消し去ってくださいと言っていたと思いますが」

「……人は私が思っていたよりもはるかに強いようですね。私の目に狂いはなかったようです」

「光栄です。あの、こういった答えでよろしかったでしょうか?」

「はい、早速試してみようと思います。それと、やはり与えすぎないようにすれば本当に困った信者達は助けてもよいと考えもうまれました」

「ありがとうございます。きっと苦しみに耐えている人達も感謝をすることでしょう」

「ですね。ありがとうございます、神様」

神様は本当にすごいお方で、とても慈悲深いです

「あの、素朴な疑問なのですが、ハピネ様はどのようにしてそのお姿を見せているのですか?」

幸神教は本来神様の姿は見えない、想像も出来ないとされています。よって彫刻や絵画などで神様を表現せず、象徴として星芒形せいぼうけいの印を使います
なのでこうして目の前にハピネ様がいるって言うことは今までの考えじゃありえない光景なんですよね

「この姿は人に似せて溶け込めるように作りました。この姿の私を信仰してはなりませんよ。せっかく人間の世界に来たのに台無しになってしまいますからね」

「はい、それはもちろんです」

神様のお姿は心の中だけにとどめておかないといけないのは残念ですね
見るだけで吸い寄せられるような魅力と神秘的な気持ちになるほど神様は美しいですから

それから私達は幸神教についての話や実際の話、広く伝わっている神話など聖書に書いてあることなど私にとってはとてもためになるような話を聞くことができました

夜になってみなさんと一緒に豪華な食事をしている時にとてつもなく怖い魔王が現れたことは本当にびっくりしました
神様は大丈夫だと言っていましたが、確かに魔族だからといって勝手に怖がるのはよくなかったですね

そして寝る時はなんとなんと神様に抱かれながら………もしおじい様がこの話を聞いたら気絶してしまいそうですね

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