コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!
神々の意志
「こうして話すのも久しぶりですね、ロミス」
「そうだね。前話したのは私がハピネによさそうな魂を渡した時だったね。その後転生させてあげたの?」
「ええ、幸せになるように裕福な家庭に生まれさせました。それに、嫌な記憶が蘇らないようにさせたので変な気も起こさないでしょう」
「相変わらずハピネは天使をつくらないね。精霊や眷属だってほとんどいないみたいだし」
「元々神々は人の願いから生まれました。特に私は人の幸せを願い、幸福を与える神です。それなのに眷属や天使など、贔屓する存在がいてはいけないのです。皆平等ということを人は願いますが神である私達ですらその願いを叶えてあげることはできません。なので私はせめて人に対する扱いはできる限り平等でありたいと思っています。まぁ人々の願いのために加護を与えたりはしますが………って、こんなことを話すために私のところに来たわけではないんですよね」
「今ハピネのところに私の眷属がいるからよろしくねって挨拶しにきただけ。あなたと違って私は贔屓もするし、お気に入りにはとことん尽くすからね」
「さすがは卑しい契約神ですね。大体あなたはいつもいつも適当なことばかりして、今だって異世界の神からの魂を預かるって意味のわからないことも始めてこの前の戦争の時だって………」
「まぁまぁ落ち着いて、今は人も神も平和なんだからいいでしょ?」
「最近は邪神絡みが怪しいですけどね。ロミスからあの邪神に言っておいてください。さっさと邪龍をなんとかしろと」
「あはは………あれは封印されちゃってるから神がどうこうはもう難しいし、人のことを支配して操ることは神であってもできないよ。あっ!そうだ、ハピネも私みたいに依代を作って世界に降りてみる?結構楽しいよ」
「おことわ………まぁ人の気持ちが理解できるなら一度試してみるのもいいかもしれないですね」
「あ〜でも、ハピネって美的センスが……」
「………できました。こんなのでいいでしょう?」
「見事なまでに神々しい見た目だね、これじゃあ絶対目立つよ?」
「こういうのは苦手です。ロミスは慣れているんでしょう?お願いできますか」
「ん〜、どうしようかな?」
「いいでしょう、あなたの眷属のことはちゃんと見ておきますから、私も自由に地を歩いてみたいです」
「それでいいよ。ちなみに神様だけで歩き回ってもそんなにつまらないよ?眷属と一緒に冒険するのが楽しいからハピネもそうしてみたら?」
「いいのです。私にはそういうのは必要ありませんから」
「幸福の神が幸福を知らないなんて皮肉なものだよね」
「それも理解しています。私は与える側でなくてはいけませんから。あなたのように等価交換でも邪神のように受け止めもしませんからね」
「ハピネが今ある力を最大限に利用したら私や創造神をも超えるっていうのに、もっと誇ってもいいと思うんだけど」
「私の意思は変わりません。たとえ私の信者が多く殺されようともこの力を最大限に利用することはありません。神としては不誠実かもしれませんが、幸福というのは常に矛盾している概念なので仕方ないのです」
「私としても変に暴れられても困るからいいんだけどね………はい、ハピネの依代ができたよ」
「これはロミスの趣味ですか?」
「そりゃあもちろん」
「これなら私が作った方がよかったですよ」
「いやいやいや、あんな立派な翼によくわかんない輪っか頭に浮かべて明らかに人じゃない身体のどこがよかったの?」
「それ人のこと言えますか?知ってますよ、あなたの眷属が派手なことをしているって、最近じゃ海の神が怒ってましたし」
「それは元々ハピネが原因なんだけどね……とにかく、人に紛れるならちゃんと人にならないとだからね。それとも観察するだけなら私みたいに妖精になる?」
「いいえ、人の姿がいいです」
「起こす場所はどうする?」
「ではそこの、大聖堂の地下に……そう、そこです」
「それじゃあ私の用は済んだから、またね」
「また会うことになると思いますが、そうですね」
「相変わらず変な神だ。幸福の神ほど人に冷たい神はいないってのに、どうしてあんなに信者が多いんだろうなぁ。与えすぎないことが逆にいいのかもしれないけどよくわかんないなぁ。ま、リィアちゃんの無事は確定したからいっか」
(リィアちゃんリィアちゃん)
(わっ!急にどうしたんですか!?ロミス様)
(近々リィアちゃんのところに幸神教の神様が来るかもしれないから)
(え?それってどういうことですか?というか大丈夫なんですか?)
(大丈夫大丈夫、危険はないから安心して)
(は、はぁ……)
(リィアちゃんにとっての幸福ってなに?)
(突然ですね!そうですね……やっぱり私にとっての幸福はルーナちゃんやみんなと仲良くすることですね!もちろんロミス様とこうしてお話できることも楽しいですよ)
(そっか、そう言ってくれてありがとう)
「ここが現世なんですね。初めて来ました。さて、ここから出るためには………む、身体が思うように動きませんね。不良品を掴まされましたか?」
「……………あ、あ、あ、あなた様は」
「ちょうどよかった、あなたは出口を知っていますか?」
「は、はい。今すぐに案内致します!」
大聖堂の地下深く、幸神教で最も神聖な場所に1人の少女が現れた。
そこはラキトピアのトップの人間である大司教のみ入ることが許される場所で、毎週祈りを捧げるということをしていた。
大司教は現れた少女を本能的に上の存在であるということを察し、その正体を一目見た瞬間に察した。
(神がご降臨された)
なにかが起きる前兆か、それとも今までの祈りが功を奏し神自ら私たちに祝福をもたらしてくれるのか、嬉しさよりも不安や恐怖にも似た感情が溢れてくる。
少女は全く気にすることなく大司教について行く。
当然迷い込んだなんて可能性は考えられない。地下への扉は厳重に見張られていて出入口も他にない。
そもそもこんな子供が大聖堂にいるということもおかしい。
ラキトピアの大聖堂は普通の国で言うところのお城みたいなところで国の管理なども行うところだ。
つまりこれは幻覚を見せられているか人智を超えた存在によって現れたと考えるしかなくなる。
「あの、あなた様はどこから来たのでしょうか?」
「ん?どこからも何も私はこの地下から来ましたよ?あなたも見ていたでしょう?」
「そ、それで、あなた様は何者なのでしょうか?」
確信をついた質問にも迷いなく答える少女。
「私はルチアといいます。ただの人間です。あなたはなんというのですか?」
ただの人間がこんなことは言わないので神としてこの世界に来られた訳ではないということを察した大司教は急いでこの少女を保護することを考えた。
「はい、私は幸神教の大司教をしているディーダムというものです。ルチア様はこれからのご予定とかは決められているのでしょうか?」
「いえ、外に出られれば私は自由にしているのでもう平気ですよ」
「いえいえ!そうはいきませんよ。この国は比較的平和とはいえ一人で行かれるのはとても危険ですから」
「私なら平気です」
明らかに普通の人ではないルチアという少女をどうにかこうにか大聖堂に留めておくことができないかと考えていると地上への出入口に着いてしまう。
「ディーダム様、本日もお疲れ様でした………そちらの子供は」
待機している者に怪しまれるのは当然なのでルチアに気づかれないように何となく説明する
「あのお方は私たちよりも上位の存在だ。変なことは聞くな、そしてあのお方のことは誰にも言ってはいけない」
ただならぬ雰囲気とディーダムの人望と信頼からその言葉で何となく事態を察した。
「ここが大聖堂ですか。綺麗にしてますね」
これからの気苦労を考えて脂汗が止まらないディーダムだったが、こんな経験は歴代大司教もしたことがないという一種の使命感が湧いて文字通り神に成功を祈った。
「そうだね。前話したのは私がハピネによさそうな魂を渡した時だったね。その後転生させてあげたの?」
「ええ、幸せになるように裕福な家庭に生まれさせました。それに、嫌な記憶が蘇らないようにさせたので変な気も起こさないでしょう」
「相変わらずハピネは天使をつくらないね。精霊や眷属だってほとんどいないみたいだし」
「元々神々は人の願いから生まれました。特に私は人の幸せを願い、幸福を与える神です。それなのに眷属や天使など、贔屓する存在がいてはいけないのです。皆平等ということを人は願いますが神である私達ですらその願いを叶えてあげることはできません。なので私はせめて人に対する扱いはできる限り平等でありたいと思っています。まぁ人々の願いのために加護を与えたりはしますが………って、こんなことを話すために私のところに来たわけではないんですよね」
「今ハピネのところに私の眷属がいるからよろしくねって挨拶しにきただけ。あなたと違って私は贔屓もするし、お気に入りにはとことん尽くすからね」
「さすがは卑しい契約神ですね。大体あなたはいつもいつも適当なことばかりして、今だって異世界の神からの魂を預かるって意味のわからないことも始めてこの前の戦争の時だって………」
「まぁまぁ落ち着いて、今は人も神も平和なんだからいいでしょ?」
「最近は邪神絡みが怪しいですけどね。ロミスからあの邪神に言っておいてください。さっさと邪龍をなんとかしろと」
「あはは………あれは封印されちゃってるから神がどうこうはもう難しいし、人のことを支配して操ることは神であってもできないよ。あっ!そうだ、ハピネも私みたいに依代を作って世界に降りてみる?結構楽しいよ」
「おことわ………まぁ人の気持ちが理解できるなら一度試してみるのもいいかもしれないですね」
「あ〜でも、ハピネって美的センスが……」
「………できました。こんなのでいいでしょう?」
「見事なまでに神々しい見た目だね、これじゃあ絶対目立つよ?」
「こういうのは苦手です。ロミスは慣れているんでしょう?お願いできますか」
「ん〜、どうしようかな?」
「いいでしょう、あなたの眷属のことはちゃんと見ておきますから、私も自由に地を歩いてみたいです」
「それでいいよ。ちなみに神様だけで歩き回ってもそんなにつまらないよ?眷属と一緒に冒険するのが楽しいからハピネもそうしてみたら?」
「いいのです。私にはそういうのは必要ありませんから」
「幸福の神が幸福を知らないなんて皮肉なものだよね」
「それも理解しています。私は与える側でなくてはいけませんから。あなたのように等価交換でも邪神のように受け止めもしませんからね」
「ハピネが今ある力を最大限に利用したら私や創造神をも超えるっていうのに、もっと誇ってもいいと思うんだけど」
「私の意思は変わりません。たとえ私の信者が多く殺されようともこの力を最大限に利用することはありません。神としては不誠実かもしれませんが、幸福というのは常に矛盾している概念なので仕方ないのです」
「私としても変に暴れられても困るからいいんだけどね………はい、ハピネの依代ができたよ」
「これはロミスの趣味ですか?」
「そりゃあもちろん」
「これなら私が作った方がよかったですよ」
「いやいやいや、あんな立派な翼によくわかんない輪っか頭に浮かべて明らかに人じゃない身体のどこがよかったの?」
「それ人のこと言えますか?知ってますよ、あなたの眷属が派手なことをしているって、最近じゃ海の神が怒ってましたし」
「それは元々ハピネが原因なんだけどね……とにかく、人に紛れるならちゃんと人にならないとだからね。それとも観察するだけなら私みたいに妖精になる?」
「いいえ、人の姿がいいです」
「起こす場所はどうする?」
「ではそこの、大聖堂の地下に……そう、そこです」
「それじゃあ私の用は済んだから、またね」
「また会うことになると思いますが、そうですね」
「相変わらず変な神だ。幸福の神ほど人に冷たい神はいないってのに、どうしてあんなに信者が多いんだろうなぁ。与えすぎないことが逆にいいのかもしれないけどよくわかんないなぁ。ま、リィアちゃんの無事は確定したからいっか」
(リィアちゃんリィアちゃん)
(わっ!急にどうしたんですか!?ロミス様)
(近々リィアちゃんのところに幸神教の神様が来るかもしれないから)
(え?それってどういうことですか?というか大丈夫なんですか?)
(大丈夫大丈夫、危険はないから安心して)
(は、はぁ……)
(リィアちゃんにとっての幸福ってなに?)
(突然ですね!そうですね……やっぱり私にとっての幸福はルーナちゃんやみんなと仲良くすることですね!もちろんロミス様とこうしてお話できることも楽しいですよ)
(そっか、そう言ってくれてありがとう)
「ここが現世なんですね。初めて来ました。さて、ここから出るためには………む、身体が思うように動きませんね。不良品を掴まされましたか?」
「……………あ、あ、あ、あなた様は」
「ちょうどよかった、あなたは出口を知っていますか?」
「は、はい。今すぐに案内致します!」
大聖堂の地下深く、幸神教で最も神聖な場所に1人の少女が現れた。
そこはラキトピアのトップの人間である大司教のみ入ることが許される場所で、毎週祈りを捧げるということをしていた。
大司教は現れた少女を本能的に上の存在であるということを察し、その正体を一目見た瞬間に察した。
(神がご降臨された)
なにかが起きる前兆か、それとも今までの祈りが功を奏し神自ら私たちに祝福をもたらしてくれるのか、嬉しさよりも不安や恐怖にも似た感情が溢れてくる。
少女は全く気にすることなく大司教について行く。
当然迷い込んだなんて可能性は考えられない。地下への扉は厳重に見張られていて出入口も他にない。
そもそもこんな子供が大聖堂にいるということもおかしい。
ラキトピアの大聖堂は普通の国で言うところのお城みたいなところで国の管理なども行うところだ。
つまりこれは幻覚を見せられているか人智を超えた存在によって現れたと考えるしかなくなる。
「あの、あなた様はどこから来たのでしょうか?」
「ん?どこからも何も私はこの地下から来ましたよ?あなたも見ていたでしょう?」
「そ、それで、あなた様は何者なのでしょうか?」
確信をついた質問にも迷いなく答える少女。
「私はルチアといいます。ただの人間です。あなたはなんというのですか?」
ただの人間がこんなことは言わないので神としてこの世界に来られた訳ではないということを察した大司教は急いでこの少女を保護することを考えた。
「はい、私は幸神教の大司教をしているディーダムというものです。ルチア様はこれからのご予定とかは決められているのでしょうか?」
「いえ、外に出られれば私は自由にしているのでもう平気ですよ」
「いえいえ!そうはいきませんよ。この国は比較的平和とはいえ一人で行かれるのはとても危険ですから」
「私なら平気です」
明らかに普通の人ではないルチアという少女をどうにかこうにか大聖堂に留めておくことができないかと考えていると地上への出入口に着いてしまう。
「ディーダム様、本日もお疲れ様でした………そちらの子供は」
待機している者に怪しまれるのは当然なのでルチアに気づかれないように何となく説明する
「あのお方は私たちよりも上位の存在だ。変なことは聞くな、そしてあのお方のことは誰にも言ってはいけない」
ただならぬ雰囲気とディーダムの人望と信頼からその言葉で何となく事態を察した。
「ここが大聖堂ですか。綺麗にしてますね」
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