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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

ラキナとクラーケン

クラーケンを討伐した次の日、外が騒がしいと思ったらラキナさんがなにかしていた。

「皆さんの信仰する神様はどなた様ですか?私の信仰する神様に興味はありませんか?」

なんか怪しい宗教勧誘してるーーー!

「今回のクラーケンのこと、ご冥福をお祈りします。そして今、そのクラーケンは何者かによって討伐されたそうです。現実と向き合いながら必死に生き、救いを願い続けたことで、神様がお救いになったのでしょう。私は宗教、神様について詳しく知っています。どうすれば神様が喜ぶかも……興味、ありませんか?」

まぁ実際クラーケンは居なくなってるけどさ?
なんかモヤモヤするよね

「なんかのよあれ、私達があんなに頑張って倒したってのに」

「かと言って我らが倒したと言っても信じられないと思うのだ。ギルドからの評価は上がるだろうし、そんなに言うことはないと思うが」

「そうよね〜、別に英雄になりたいわけじゃないし、テナと戦った時みたいに変に祭り上げられても面倒だからいいんだけどね?」

多分クラーケンを倒したのを知られたらテナちゃんの時以上に英雄扱いされちゃうね。それでずっとここにいて欲しいとか言われても困るし、目立たない方がいいよね。

それで、ラキナさんがクラーケンのことを知ってるってことはギルドの人がクラーケンを討伐した報告をしてるからなのかな?

「騒がしい原因もわかったことだし、戻るのだ」

そろそろルーナちゃん達も起きるだろうし、クラーケンのことも説明しなきゃね

ラキナさんは放っておいてギルドに戻ることにした

「おっと、救世主がこんなところに、久しぶり、でもないよね」

いつの間にかラキナさんが私達を追いかけて来ていた。

「あれはなんですか?完全に怪しい宗教勧誘ですよ」

「ところが私は君達がクラーケンをどうにかすることを知っている。最初は見向きもされなかったが今朝からはあんな調子だよ。なんなら私が救世主だと思う人すらいる。どうして君達は倒したことを主張しないんだ?その方が私にとっては好都合なんだけど」

「そもそも信じてもらえなかったり祭り上げられても困っちゃうので黙ってるんです。誰も私たちみたいな子が倒すとは思わないですよね?」

「まぁ確かに……正直私もこんな早くに倒すとは思わなかったけど、どうやって倒したの?やっぱり神様からもらったチート能力?」

「ふふふ、倒したのは私じゃなくてこの超かわいくて強いクロエさんです!」

突然話をふられると思わなかったのかクロエさんはとても驚いている。

「な、なぜ我をここで、というかかわいいっていうな!」

「ふむ、それは興味深い、一体どんな方法で倒したんだ」

「ふん、我なら当然なのだ。だが、わざわざ知らない奴に教える義理はないのだ」

「それは残念……」

「そろそろルーナちゃんたちも起きた頃だと思いますし、戻りますか?」

「そうね」

なぜかラキナさんはそのまま私達と一緒にギルドについてきた。

「どうしてここまでついてくるのよ?怪しい宗教の勧誘はいいの?」

「あぁ〜、あんまりしつこいと嫌われちゃうってのと、私も詳しくクラーケンのことを知りたいからついてきちゃった」

ラキナさんって憎めないけど図太い性格してるよね。なんか

「わかりました。でも、私達が倒したことは秘密ですよ」

「わかってるよ。私に得がないし」

ギルドに戻ると、ルーナちゃんが飛びついてきた。

「リィアーー!あれ!あれ!」

「ど、どうしたんですか!?」

着替えもせず部屋から飛び出して来たみたい。
なにがあったんだろう?

「クラーケンが、クラーケンが」

私はルーナちゃんに手を引かれるまま部屋に連れていかれる。

「部屋の中ではクラーケンを押さえつけているテナちゃんと暴れようとしてるクラーケン(人の姿)がいた」

「い、今大人しくさせますね。テナちゃんありがとうございます。パラライズ!」

「朝起きたら私に襲ってきて、いつの間にか拘束も解けてたみたいです」

痺れて動けないクラーケン(人の姿)は私を睨みつけていた。

「えっと、クラーケンって、どういうこと?」

事情を知らないラキナさんを無視してとりあえずクラーケンを改めて拘束する。

「やっぱり元魔物だけあって力は強いのね、油断してたわ」

「急にテナが襲われて、びっくりしちゃってあたし………」

「テナ、大丈夫だったのだ?」

「あ、はい。かなり弱ってたので私でも全然平気でしたよ」

なんともなくてよかった。残ってたのがテナちゃんでよかった。ルーナちゃんが襲われてたらどうなってたかわからないとなると、油断してたかもしれない。

「えっと、昨日は説明しないままでしたよね。ご飯を食べたら説明します。一旦落ち着きましょう?」

ギルドの人達はご飯を食べ終わっても戻って来ない………クラーケンを倒したことで色々できることが増えすぎて忙しいのかもしれない。

いない方がこっちとしても都合がいいんだけどね。

リ「はい、みんな揃ったということでこの子について説明します」

「んー!」

ロミス様が出てきてた時みたいに頭の中に声が聞こえることもない。
今は海の神様が宿っていない状態なのだろう。

ル「暴れてるけど、大丈夫なの?」

リ「大丈夫です。まだ人になったばかりで身体にも慣れてないでしょうから……えっと、この子はお察しの通り弱ったクラーケンに人になる呪いをかけた人型のクラーケンです」

人の姿と言ってもレーズンの時と同じく私に雰囲気が似ている。
色合いは鮮やかな赤色だから見分けは簡単につく。

テ「レーズンの時みたいに、ですか?」

リ「そうです。呪いなのでクラーケン自身で解くことは出来ません」

ク「生かしてどうするのだ?多くの人を苦しめた危ない存在なのだろう?」

リ「実はこのクラーケン、神様の眷属、なんです。なので殺すのもしのびなくて……かと言って自由にすることも出来ないので仕方なく………」

ラ「なっ!?神だと!?この子は神様の依代ってことか?」

リ「ん〜、そこまではわかりません。今のところこのクラーケンに神様は入ってませんよ」

クラーケン(人型)の説明を聞いてみんなの反応は少し微妙だった。

ル「それはわかったけど、あたし達でこの子を世話するってこと?」

サ「さすがに私は嫌よ。危ないし何をするかもわからないんでしょ?」

ク「レーズンと違って反抗的だから大変なのだ」

テ「また襲われても嫌ですよ」

私がこの状況を作っちゃったからなんとかしないと

リ「あ、あの、ラキナさん。私達のためならなんでもするって話でしたよね?」

ラ「な!?ずるいぞ、それを言われたら私は何も出来ないじゃないか」

リ「お願いします!!ラキナさん今魔法使えなくて困ってると思いますし、神様に近しい存在ですし!いいと思うんですけど」

ラ「………正直私の手におえないと思うんだが」

リ「そこは大丈夫です。魔法で行動を縛りますから」

こういう時契約魔法は役に立つ。
奴隷契約、ではないが、行動を縛る魔法なら私にはできる。

リ「言っておきますけど、この子を使って変なことしちゃダメですからね?」

ラ「魔法が使えなくなってそういうのはもう懲りたよ。それで、この子の名前はなんて言うんだ?」

リ「ありません。そりゃあ昨日まで敵だったんですから、あっても知りませんよ」

なんとかかんとか、クラーケンをラキナさんに押し付け…………なんとかクラーケンの処理………クラーケンを預けることができたね!

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