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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

クラーケン討伐作戦会議

当然宿とかもやってなくて泊まる場所がないということで、ギルドで寝泊まりさせてもらうことにした。

「その代わりお食事は用意しますね」

「本当にすまない……ありがとう」

帝国を出てから道に迷ったり魔物の大軍に襲われたり、ゆっくり休もうと思った廃墟で怖い思いをしたり、やっとゆっくり休めると思ったら変な人呼び起こしちゃうし
そんでもって街に着いたと思ったら盗賊に襲われてしかも街がすごい状況…………
なんか色々災難なこと起きすぎてない?


私達はギルドの一室を借りて作戦会議をする。
ギルドの人達に一通りクラーケンについて聞いたけど、特に有益なものはなかった。
強いて言うなら浅瀬には近寄ってこないとかその程度だ。

「はぁ〜、災難続きだけどこれが終わったらマシになるわよね……さ!あともうひと踏ん張りよ!」

「でも海の魔物ってどう戦うの?あたし泳いだことないんだけど」

「船を使っても沈められるのだ」

ん〜、海の魔物は海で戦うということが大変だからなぁ。
戦い方も考えなくちゃいけない。

「こういう大きな海の魔物の倒し方の鉄則は3つほどあります。ひとつは陸に引き上げる、もうひとつは水中でも呼吸できるようにする。あとひとつは水を抜く……ですが」

「どれも現実的じゃないわね」

「できなくもないのが陸に引き上げる……くらい?」

「ルーナの魔法で水を動かすことは出来ないのか?」

「出来るかもしれないけど、大量の水を一気に動かせるほどの力はないよ?せいぜい水を少しかきわけるくらいだからね」

「私の炎で水を蒸発させるのは?」

「テナのも強力だがそこまでの力はないのだ」

みんなの話を聞いて何となく作戦を立ててみる。

まず何かしらの方法でクラーケンを引き寄せる。
浅瀬まで引き連れてそこから逃げないように壁を作る。
あとはルーナちゃんとテナちゃんの力を使えば……なんとかなるかもしれない。
あとは、

「サーティアさん、釣りって分かりますか?」

「何よ急に、魚をとる方法のこと?それくらい知ってるわよ。もしかしてクラーケンを釣ろうとしてる?そんなことしても逆に引きずり込まれるだけよ」

「ふふふ、私にいい考えがあります。それはですね」

私はサーティアさんに考えた作戦を話す。

「ん〜、危険だけど、出来なくはないわね、それで、私は何をすればいいのかしら?」

「サーティアさんは速くて体力もあるのでルーナちゃんのサポートをお願いします」

魔法頼りの作戦だからサーティアさんが直接的に活躍する場面はあんまりないんだけど、その分戦闘以外のことで頑張ってもらう。

2人で概要を確認し、みんなにも説明する。

「……というわけなんだけど、みんないけそうかしら?」

「大掛かりなのだ……一日そこらでは無理なのだ」

「うぅ、あたしが一番大事じゃん。でも、リィアが言うなら、わかった。頑張ってみる」

「最後は私にまかせてください!ドラゴンの名にかけて必ず仕留めてみせます!」

私の作戦にみんなも納得してくれたみたいなので、早速準備のために海を見に行くことにした。

街は相変わらず静かだけど、人が全く居ないわけでもない。
特に海の方では浅瀬の方でとれた魚や貝などの食べ物の配給が行われているらしい。
それでも人数分はとれないので一部を除いてほとんど飢えに苦しんでいるようだ。

私達はギルドの人に案内してもらって、クラーケンの出現場所まで来た。

「ここのちょうど沖に出ると奴が現れる。浅瀬の方までは寄ってこないが、油断すると触手にもってかれるから今漁をしてる漁師も命懸けでやってるよ」

ん〜、ここじゃ広すぎるかもしれない。
船が出せるように整備されているが、クラーケンが現れる場所から陸が遠すぎる。

いわゆる砂浜があるところだ。

「他にもいい場所はありますか?」

「他だと……あっちの崖の方になるな」

街の外れに、崖になっているところがあり、しかもそこは割と近くまでクラーケンがこれるくらいには深さもあるらしい。

こっちはさっきの砂浜のところを岬が境界線になっていて、波が直接陸に打ち付けられている。

ここにクラーケンをおびき寄せることが出来たら上から魔法を打ち放題、上手く封じ込めることもできそうだ。


私の考えた作戦はこうだ。

まずはクラーケンをおびき寄せる。
これは適当にエサとかを用意すれば大丈夫だと思う。
次に、私とクロエさん、ルーナちゃんの魔法で逃げ場を無くす。
これに関しては予め魔法で塞ぎやすくするのがいいかもしれないね。
最後はテナちゃんを中心にみんなで滅多打ち!
上手くいくかわからないけど、最悪クラーケンを閉じ込めるところまで出来たらなんとかなるからね。


「海ってほんとにずっと続いてるんだね〜!」

「あ、でもうっすらだけど向こう岸が見えるわよ」

「あれが聖皇国なのだ」

「へぇ〜、あれくらいの距離ならすぐ飛んで行けそうですけど」

「テナが飛んでいったらそれこそ大騒ぎになって最悪討伐されるのだ」

「と、討伐は許してください!絶対飛びません………」

本来なら海水浴場かなんかに出てみんなで遊ぼうと思ったんだけどなぁ。せっかく水着もあるのに

ギルドの職員さんも海を眺めながら、いや、睨んでいた。

「嬢ちゃん達、本当に無理はしちゃいけねぇぞ、海に落ちたらそこまでと思え」

「ありがとう、私も上手くいくかはわからないけど、今までもなんとかしてきたからきっと平気よ」

「見た目は新人にしか見えないんだけどなぁ……自信があるならいいんだが」

この後は改めてみんなで作戦を確認してギルドに戻った。

そして、今日はとりあえず休むことにして早速明日作戦を実行することにした。

「そういえばラキナさんはどうしたんでしょうか?」

あの人この街に着いてから全く会ってないけど、どうしてるんだろう?ちゃんと生きてるかも少し心配になってくる。

「あたし達に聞いてもしょうがないと思うけど、大丈夫なんじゃない?」

「クラーケンを倒したらまた探せばいいのだ」

「そうですね、まずは魔物を倒さないとですね」

イカかタコかわからないけど、クラーケンをなんとかしないとね!

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