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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

海の見える街 サインズ

街に着くと早速ラキナさんが

「大変お世話になった。本当にありがとう。私はこれから人生をやり直すことにするよ。改めて私にできることがあればなんでもするよ」

「この街にはいる間だけでも私達と一緒でもいいですよ?」

「いや、こっちはこっちでやりたいことがあるからここでお別れだ。といっても同じ街にいるからまた会えると思うけど」

ということでお別れすることになった。

「不思議な奴だったのだ」

「でもすごいわよね。最初は全然言葉が通じなかったのに、ちょっと私達が教えただけで結構私達の言葉喋れるようになってたし」

ラキナさんは実際魔法を失ってもその天才的な頭脳があるからなんとか生きていけそうだよね。

(あの、勝手に助けちゃったんですけど、ロミス様的には余計なことだと思いましたか?)

少しの不安をロミス様に相談する。同じ転生者とはいえ、神様に嫌われるような酷いことをしてきた人だ。

私にはよくわからなかったけど、野放しにしたらまた危ないことをするかもと思うと余計なことをしたのかなって……

(ううん、リィアちゃんはちゃんと正しい方向に導いたから、大丈夫だよ。きっと真実の神様も喜ぶと思う)


「あのあの!あれが海ですか?」

テナちゃんが大きな海を指さして私達に聞いてくる

「そうなのだ。大きな水溜まりなだけでなくただの水ではないのだ」

「ただの水じゃないの?」

あ〜そっか、海を知らないと海水もよく分からないよね。

「あたしは聞いたことあるよ。海の水は飲んじゃダメって、なんでかは知らないけど」

「あの水の中には塩が溶け込んでいるのだ」

「え!?塩?それじゃあしょっぱいってこと?」

「へぇ〜そうだったんですね」

「リィアは知ってた?」

「はい。この世界は分からないですけど、海の面積の方が陸の面積よりも大きいんですよ。私のいた世界ではそうでした」

「え!?そんなにおっきいんだ」


ラキナさんと別れ、街の中を歩くけど、全然人が居ない。
商店街らしき場所もお店が閉まっていた。

「もしかしなくても宿屋も閉まってる…わよね」

「盗賊達の行ってたことは本当だったんだね」

「とりあえず冒険者ギルドに行こうよ。そこなら詳しく魔物についても分かるでしょ?」

「そうですね」

波の音がよく聞こえる、それだけ他の音はなかった。


冒険者ギルドに着くと緊急という張り紙があり、盗賊達が言っていたようなことが書いてあった。
中に入ると全然人がいなくて、端っこの方で縮こまっている人がいた。

「大丈夫ですか?」

「う、うぅ………」

かなり弱っている。

私は回復魔法をかけてからゆっくり水を飲ませた。

「よかった、とりあえず間に合ったみたいです」

「相当極限状態みたいね」

「他にも人がいないか見てくるのだ」

私はとりあえずこの人のことをみることにし、みんなは他に人がいないか探した。

「こっちにもいたよ!」

他にも数人このギルド内にいたみたいだ。

「想像以上に酷い状況なのだ」

「むむむ、魔物の影響でこんなことになるなんて……私も同じようなことをしてたから心が痛いです」

「まぁ原因は魔物のせいだが、魔物もただ生きているだけなのだ。勝手に悪にするのはいいがあくまでそれは人間側の立場でしかないのだ」


しばらくして倒れてる人達に回復魔法をかけ終わると、次々を目を覚まし始めた。

「大丈夫ですか?」

「よかった。ちゃんと効いてたみたいだね」

「うぅ……すみません、、ありがとうございます」

助けた人は恐らくギルドマスター、補助の人、解体の人、受付の人だろう。建物自体が大きなギルドだから普段はもっと多くの人が働いてると思うんだけど、今回見つけたのは4人だけだった。

「そうか、あのまま気を失って……本当にありがとう、それであんたらは冒険者か?」

「そうよ、ここを通り過ぎて聖皇国の方に行こうとしたら魔物が出たらしいわね」

「あぁ、奴のせいでこの街は崩壊寸前さ。ここのところまともな食事すらとれてない。多くの人もこの街から抜け出したよ」

「他の冒険者はどうしたのだ?緊急依頼の張り紙を見たのだが」

「この街にもそれなりの冒険者はいたんだが……逃げ出したり、呆気なくやられちまった」

「それでも私達は最後まで諦めずにギルドで待ち続けたんですけど、結局はダメで」

とんでもない時に来ちゃったね、本当に

「それで?そっちはよくこの街に来たな。言っちゃなんだがここにいても何も無いぞ?助けてくれたこともあるからこのまま他のところに行った方がいい」

「ふん、我々をなめてもらっては困るのだ。魔物が邪魔をするなら排除するのみなのだ!」

「そうそう、わざわざ遠回りして目的地に向かうなんて面倒だし」

「それに、こんな状況放っておけるわけないじゃないですか」

「いやいや、そんな単純な相手じゃないんだって、駆け出し冒険者が立ち向かったところで死んじまう」

「だから、我らの力をなめてもらっては困るのだ。これを見よ!」

クロエさん、とついでにみんなもギルドカードを見せる。

「……え!?Bランク!?」

「そういう訳で私達に任せてもらうわよ。だから魔物についての情報とか色々教えて欲しいわ」

私達はこの街の状況と魔物について教えてもらった。
盗賊達のことも話したら

「あれは許してやってくれとは言わないが見逃してあげ欲しい。正直それほどここは限界なんだ。まぁもう遅いとは思うが……」

ここの現状はとても悲惨で、特に食料が厳しいらしい。

それもそのはずで、主に魚をとってそれを売って生計を立てている。
他にも塩や海藻など、海の資源を中心に成り立っているので、この街は今、稼ぐ手段もなければ食べ物を交換するお金も無くなっていた。


そして、魔物については大きな触手のついた魔物らしい。
船は沈められ、少しでも沖に出たら敏感に反応し襲いかかってくる。

「クラーケンってやつかしら?」

「あぁ、今までにこんな魔物が現れたことはなかったんだが……だから頼む!クラーケンをなんとかしてくれ!」

と、いうことで私達はクラーケンを倒すことにした。

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