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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

ラキナ

私はいわゆる異世界転移をした。途中で神様らしい者と会うことはなく、いつの間にかこの世界に来ていた。
神隠しにあったと思った。
動物ではなくこの世のものとは思えない生物と出会った時、元いた世界とは違うと言うことを実感させられた。

元の世界では主に神様や神話、民族文化など、宗教的なものの研究をしていたこともあり現実はすんなりと受け入れられていた。

魔法という概念も、この世界に来てから初めて知った。私にもどうやら魔法というものが使えるらしい。
元の世界でも人智を超える力という概念は存在していたが実際にはそのほとんどが隠されたりしていて目立つことはなかった。
だが、この世界ではそういう力を使える人が多く、身近で便利なものという感覚らしい。

私はこの世界の神についてと魔法について研究することにした。

ちょうど魔法について学べる学校があったので実力を示し、入ることができた。

私の魔法は周りより優れているらしくお金を稼ぐことも学校に入るのも研究するのにも困ることは無かった。

この世界は前の世界との共通点もあれば明らかに違う部分もある。

まず明らかに違う部分というのは魔法だ。
魔法は前の世界ではほとんど見ることはなく伝承や作り話が主で実際に魔法を使っていた人ですら表に出ることはなく目に見えない魔法を使っていた。
こちらの世界では属性と呼ばれる魔法の種類があり、その種類は人によって使える属性が異なるものになる。
例えば私でいえば光と闇、そして地属性の魔法に適性が強くありそのほかは使えたとしてもあまり役に立たない程度だった。

また、魔法の発動条件はかなり曖昧で言葉を発したら発動するもの、剣や杖などの道具を通じて発動するもの、または儀式や魔法陣といったものもある。
一般的には詠唱を行うが詠唱を行わずとも発動することはできる。

ただ属性によって得意不得意がキッパリと分かれていて、得意なものは無詠唱でもそれなりの威力、効果があるが苦手な属性はちゃんとした詠唱を行っていてもなかなか発動することが出来ない。
魔法は潜在的能力に大きく左右されるようだ。
そこで私が目につけたのは魔法陣だった。
魔法陣から発動する魔法は属性があまり関係なく発動することが出来る。
手間と魔石が必要になってくるが、それに関しては学校が用意してくれていて研究が進んでいった。

最初に行った研究は文字と魔法の関係、そして魔法陣の書き方についてだ。
例えば回復魔法の効果をもつ魔法陣でも工夫次第で効果も持続時間も変わってくる。

私は特に光属性が得意なこともあり、主に回復魔法の研究をするようになった。


「ついに完成した、蘇生魔法」

そして回復魔法の究極系の蘇生魔法を使えるようになった。
膨大な魔石と大規模な魔法陣が必要だが、これからもっと効率よくできるはずだ。

蘇生魔法の効力は肉体の再生と魂の回収で、当然だが死んでる時の記憶はない。
死体の状態がよければある程度時間が経ったとしても復活させることができる。

最初は魔物など、小さい生物から試したが、人間でも実験したところ、無事成功した。

だが、それがいけなかった。
この研究を知った学校の上層部が私に研究をやめろと言ってきたのだ

本来ならものすごいことだと称えられることなのに、研究の内容も秘密裏になかったことにしろと言われ、私はもちろん抗議をした。

蘇生魔法はとても危険な物で、さらに発展してしまったらもっと恐ろしいことが起きてしまうという。

蘇生魔法の他にも私の研究したものは全て破棄されそうになった。

私は必死に研究内容の破棄は無くしてもらう代わりにもう二度と危険な研究はしないことと囚われることになってしまった。
結果私は学校からは追放され、厳重に建てられた党の中に閉じ込められた。

その中で私は研究を続けることにした。
幸いにして魔法を封じられることはなく私のことをよく思っている助手たちのおかげでなんとか研究を進めることが出来た。

さっきも言ったが蘇生魔法は本来喉から手が出るほど欲しい人が沢山いる。
私の研究を手伝っていた助手達もそういう人がいた。
そのため私の研究を利用するためになんでもしてくれる人がいたのだ。

とはいえ塔の外と中での交流はほとんどできず、色々譲歩してもらってなんとか食事などの最低限の生活はなんとかなっていた。

蘇生魔法は寿命を長くすることは出来ない。
若返る魔法の研究もしていたが、なかなか進まなかった。
生物の知識があまりないからどうやって生物が衰えていくのかがちゃんとわかっていないのが原因なのだが、実験動物がいないので踏み切った実験が出来ないのも進まない理由のひとつだろう

塔の中での研究は邪魔が入ることも無く気兼ねなくすることができた。残念なことはこの塔から研究結果を持ち出すことは絶対にできず、助手達にも何も伝えられないことだった。
だから私は蘇生魔法を応用し人工生命体を作り、私の意識をそれに移す、いわゆる転生の魔法を研究し始めた。

まるで神のような魔法。だが理論的には不可能ではなかった。
現に私のように異世界から来ている者や別世界の前世の記憶を持っている人もいるらしい
そのほとんどが神の仕業だがその事実がある限り人の手でもできるという証明にもなる。

私は魔法の研究と同じくらい神についての研究もしていた。
魔法と違って実益はなくただ不思議なことを調べる研究だ。そういうこともあり、魔法以外の研究は学校にも残っている。

神については前の世界とあまり違いはないが決定的に干渉力が違う。
転生者達もそのひとつだが、神は時に神器と呼ばれる実体のある物を崇拝者に与えることがある。
私が考える神は精神世界の住人で存在はするが実在はしないというもの。
それは当たっているのだが、間接的に実在することもできるのだ。

有名な話は神同士が崇拝者を使って争っていたこと。
いわゆる魔族と人間の戦争だ、魔族側の神は邪龍という化身を生み出し、攻めてきた人間を滅ぼした。
人間側の神は人に継承する力と強力な神器を与えた。

結果は引き分けになった

今は人間同士、魔族同士の争いが多く、種族をかける戦いというのは少なくなっている。
だからこそ私の研究は忌み嫌われたのだろうな。ある意味正しかったのかもしれない。
私からしたらたまったものてはないが……


水属性、地属性の魔法を応用し、人工生命体を作った。
最初は蠢く物体だったが、試行錯誤をしていきながらどんどん安定していき、ある程度まともな生物を生み出すことができた。

もうひとつの問題は作った生物が自分で動かないことだった。

精神というか、意識がない。
それもそのはずで、脳がしっかり作られていなかったのだ。

そこで行き詰まってしまったので、今度は精神について研究することにした。


それに関しては助手たちの協力もあり、理想的な結果を得ることができた。

副産物として言語理解や相手の精神に干渉する魔法も作ることができた。

そうして、完璧な人工生命を完成させた。
あとは私の意識を移すことだったが、これに関しては慎重に実験を重ねた。

そしてついに転生魔法を発動させた。
私と私の転生先の肉体をひとつの棺の中に入れ、蘇生魔法を使い続けながら精神が肉体を移動させる。

実験では主に小さい生物と魂のない人工生命を使っていたが、移動しても馴染むまでに時間がかかったり、記憶が継承されなかったりと移動の時はとにかく時間をかける必要があった。

蘇生魔法をかけ続けることにより寿命を止めた。
魔力は塔のさらに地下にある巨大な魔石と魔物の多い地域なので魔物から吸い取ることもできた。


そして数百年の時を経て、私は蘇った。


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