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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

禁忌の塔

みんなも上がってきたところでみんなで本を調べることにした。

「ふむ……これは全て魔導書みたいなのだ」

「クロエさん読めるんですか?」

「少しだがな、相当古い言葉を使っているのだ。師匠なら読めるかもしれないが……我には内容を理解するには相当時間がかかるのだ」

「あたしも全然わかんない」

「私もなにがなんだかわかんないわ」

私もなんかのチート能力で読める訳もなく全然よくわからない。

「でも不思議よね。古いのに状態はとってもいいわよ。しかもこの部屋ほこりひとつ落ちてないわ」

石造りといい古い本といい……ほんとにここはなんなんだろう?

「まぁ推察するにここは禁書が沢山あるのだろうな。誰からも読まれることのない禁断の書物。誰のものかはわからないが書いてる内容は魔法、魔術についてってことは何となくわかるのだ。おそらくは強力すぎる、危険すぎる魔法、魔術を書いてるのだろう。ここのことは誰にも言わずに処理するか何事もなかったようにするのがよいだろう」

「禁断の書物………例えばどんなことが書いてあるんですか?」

「我に読ませようとするな、こういうのは下手に読まない方がいいのだ」

そう言ってクロエさんは本をしまってしまった。

「燃やした方がいいんですか?」

「えー!せっかく見つけたのにもったいなくない?」

「でも、これが原因で争い事が起きるかもしれないって考えるとやっぱり見なかったことにするのが1番よね」

みんなどうすればいいかわからなくなってる。

「3つ方法を思いついたのだ」

クロエさんがいい方法を思いついたみたい。

「まずは本を燃やす。それならなかったことにできる……がそもそも燃やせないようになってる可能性が高いのだ」

それを試すように1冊取り出してテナちゃんの前に投げる。
タイミングを合わせてテナちゃんが火を噴く

「え!?焦げひとつないです」

ちょっと離れてる私ですら結構熱かったよ!?

「同じように破ったりもできないだろうな。リィアの剣を使えばどうにかなると思うが……次はこの部屋、この塔をもう一度塞ぐことだ。そもそもこの塔は見つかりづらいのもあるが、頑丈に塞げば大丈夫なのだ」

まぁそれが無難だよね。昔からあってそれまで誰も入ってきたことがなさそうだったし

「もうひとつの方法は一番確実なのだ。リィアのかばんにしまうのだ。無尽蔵アイテム袋で中が劣化することもない。ある意味封印だが」

確かに、それなら塔を塞ぐ必要もなくなるね

「でも持ってたら気になっちゃうんじゃないのかしら?」

「クロエ、実は読みたかったりして……」

「え、私はいい考えだと思ったんですけど」

「私は元に戻すのがいいと思うわ」

「あたしも!危険なものならリィアの近くに置きたくない」

「わかったのだ」


結局本は元の場所にしまって入口を魔法で塞ぐことにした。

「さて、次は下ですね」

この塔に入った時、上に続く階段だけじゃなくて下に続く階段もあった。

「上に入り切らなかった本があるのかな?」

「行ってみれば分かるのだ」

「……ところで本来の目的は忘れてないわよね?ゆっくり休める場所を探すっていう」

「そういえばそうですね。でもこの塔の中じゃさすがに……せっかく魔よけの魔法が常にあるみたいですし、塔の外でもいいと思いますよ」

前と打って変わってこの辺りは魔物が一切いないからゆっくり休めると思う。

「さすがの私もちょっと疲れました……気を使って飛ぶのって思ったより大変なんですよね」

「ごめんね、テナちゃん」

「いえいえ!こちらこそ皆さんの役に立てて嬉しいですよ」

テナちゃんに無理をさせることだけは絶対に避けなきゃいけないからしばらく休むことにしよう。

「ふむ、それなら数日はここらで休むのがいいと思うのだ」

「そうね」

「あたしも異論はないよ」

「私もです!」

今後の予定を決めつつ階段を降りる。

登った時にも特に何も無かったこともあって罠への警戒は薄れ普通に降りている。

多分罠とかはないと思う。

「着いた、ここにも扉があるのだ」

最下層?に着いたみたいで目の前に扉が現れる。

「普通に開くかな?」

「やってみますね!んっ!あれ?全然ダメです」

テナちゃんが押しても引いてもビクともしない

「こっちは鍵がかかってるのね。上の部屋で特に鍵みたいなのはなかったわよね?」

「なかったと思います。ん〜、あんまり破壊はしたくないんですけど………」

私は扉をじっと見る。
丈夫な金属でできてるみたいだ。試しに魔法で変形できないかやってみたが特に変化はなかった。
魔法耐性のある金属なんてあるんだね。それともこの塔の中にあるからなのかな?

ふと扉の縁を見てみると違和感があった。

「みなさんこれ、扉じゃなくて戸じゃないですか?」

「どういうこと?」

「何が違うのだ?」

「つまり、こういうことです……んっしょっと!」

私は魔法で力を強めて戸を横に移動させる。
すると取っ手と反対の部分が壁に埋まり、戸が開く。

「開いた!すごいですリィアさん!」

取っ手側の方も壁に埋まってる感じがあったからもしかしたらと思ったけど、ほんとに戸だったとはね。
もしかしてこの塔を建てた人って日本に関係ある?
私の予想が正しければ転生者、今はもう居ないかもしれないけど、昔に転生してチート能力でぶいぶい言わせてたのかもしれない。


戸の向こう側は明るく広い部屋だった。

「なに……ここ」

塔は石造りだったが、この部屋に入ってからは全く別の材質でできていた。
多分魔法で作られている。

「ん〜、なにか書いてあるが、読めないのだ」

この部屋の中にも本があり、本になる前の冊子のようなものもあった。

「まぁでも、魔法の実験をしてたってことは分かるわよね」

部屋のところどころに魔法陣のような模様があり、魔石も沢山落ちていた。

そして広い部屋の中を進むと、またいくつかの扉があった。

 「ここに誰か住んでいるのでしょうか?」

「まぁでも古い建物なんでしょ?もし中に人が住んでたとしてもとっくに死んでるわよ」

「ねぇみて、あれ………」

ルーナちゃんが指さした方に、棺があった。

「ね?やっぱり、あの中にこの塔の支配者がいたのよ」

ん〜、これだけフラグを立てたらさすがに、棺の中が動くと思うよね……

そして私の思った通り、棺の蓋が勝手に動いた。

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