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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

準決勝(戦姫)続き

リィア視点
龍斗くんとアイリスの2人とサーティアさんとネフィス様の2人の試合が始まった。

龍斗くんとアイリスはクロエさんとテナちゃんに勝っているとはいえ、結局あの試合はクロエさん達が勝ってルーナみたいなものだもんね。
そう考えればどうなるか分からない。
ネフィス様はもちろん、サーティアさんも並大抵の剣士より強い。

開始と同時にアイリスが動く。
それに対応するようにサーティアさんも動く。
2人とも速く、剣と剣のぶつかり合いになっている。
ドワーフの国で買った特注の武器になってからサーティアさんの動きも一段とよくなってるよね。
でも、アイリスはテナちゃんと同じく火属性の魔法を多用してくる。

これにはサーティアさんも避けるしかなく、戦いづらそうにしてる。

一方龍斗くんの方は……うわ、ネフィス様が魔法を完全に打ち消してこっちも結局剣と剣の戦いになってる。
アイリスとサーティアの2人と違って、こっちは間合いの読み合いと一撃一撃が重い戦いになっている。

龍斗くんはなんか一歩引きながら安全に戦ってるね。ネフィス様も攻め攻めな感じではないから試合が動かない。

試合が動いたのはちょうどサーティアさんとアイリスの戦いがネフィス様と龍斗くんの近くに来た時だった。

「おぉ、ネフィス様の斬撃だ」

「あ〜でも、防がれちゃったね」

「うぬぬぬ、サーティア達には勝って欲しいのだ!」

「私は……ちょっとどっち応援したらいいかわかんないので両方応援します!」

「ん〜!」

次に戦う相手が決まる身としてはどっちとも戦いたくないなぁ………強いていえば遠慮のいらない龍斗くん達かなぁ。
仲間としてはもちろんサーティアさんを応援してるけどね!


サーティア視点

しばらく混戦が続き、魔法は強化魔法と攻撃を避けるためにしか使わない。
なので単純な剣の腕にかかっていた。

アイリスは持ち前の身体能力と魔法を駆使して戦ってるが、剣術に関しては結構適当だ。
テナもそうだけど、ちゃんと学べてなかったみたいね。惜しいけど、今はありがたいわ。

ネフィスの方は魔法を受けつつ、離れれば斬撃を飛ばし、近づけば守りながらと、堅実に戦っている。

あの2人はずっと牽制しあってるような、そんな戦いだ。
ただ、ネフィスがアイリスを標的にして斬撃を放つと露骨にリュウトが反応して打ち消してくる。

アイリスの方もリュウトの近くで戦ってる時は少し動きが鈍くなる。

私もネフィスに気をつかってはいるが、ネフィスは変に動かないから近くで戦っててもやりやすい。

………そして、試合が動いた。

しびれを切らしたのか、リュウトとアイリスが一斉に私に向かって魔法を撃ってきた。
しばらく隙をうかがってたのか、息ぴったりの魔法に私も反応しきれなかった。

威力も十分、結構な至近距離からなので避けるのは不可能。

「サーティア!手を出せ!」

……とんできた魔法は打ち消され、私の手にネフィスの剣が握られる。

当然だけど、剣のないネフィスは無防備になってしまう。

私はネフィスの剣を地面に置いて、2人に向かって全力の攻撃をした

「ハリケーンブレイド!!」

完全なカウンターとなった攻撃により2人とも防御で精一杯になった。

「ぐっ」

「うぅ」

よしっ!2人とも体勢を崩した!
私はそのまま2人に剣を突き立てようとする。

「これで終わっ……きゃあ!?」

「ごめんね、まだ負けるわけにはいかない」

私は突然出てきた大量の水に押し流される。

「サーティア!」

剣を拾ったネフィスが駆け寄って来る。

「ごめんネフィス、やりきれなかったわ」

「いや、気にするな。サーティアのおかげで負けることもなかったんだからな」

試合はまた振り出しに………と思ったけど、正直もう魔力も体力も限界に近い。

「………降参するか?」

「何言ってるのよ、この歓声が聞こえないわけ?それなのに降参するなんて戦士の風上にもおけないわよ!」

「そうだな……なぁサーティア、なぜこの剣が魔封じの剣と呼ばれているか知ってるか?」

「なによ急に、魔法を無効化するからなんじゃないの?」

もう一度振り出しに戻ったことにより、またお互いに距離ができ、遠距離攻撃である魔法も通じないこともわかってるのでお互いにらみ合う時間が続く。

「この剣は昔魔物から守るために戦の神セパルヴァトス様から授かった神器。代々皇族に伝わる宝でもある。サーティアやみんなも知ってる通り、魔法を無効化することができるのだが、本当の力はそれだけではない」

「どういうこと?」

「魔法の発動自体をできなくすることも出来る。相手が魔物や魔族の場合は相手が弱くなる。そのためには少し時間が必要だが……」

魔法を無効化………リィアが使う聖域の魔法を神器が使えるってこと?

「……それ私達も使えなくなるのよね?」

「そうだが?魔法がなければ私達はもっと自由に動けるはずだ」

相手の魔法は鬱陶しいけど、私も避けたりするのに魔法を使ってるのよね。

ん〜、でもこのまま戦っても負けが見えてるし、試合を傾けるためにはネフィスの力を使うしかない……か

「わかったわ。お願いネフィス。私はできるだけ時間を稼ぐわ」

とはいえ時間がかかるなら厳しいのよね。
とりあえず相手二人は様子見してくれてるけど、ネフィスが動けないってバレたらすぐに負けちゃうわ

気づいて欲しくはなかったのだけれど、さすがにそういうわけにもいかず、先に違和感に気づいたアイリスが接近してくる。

私はアイリスを迎え撃つ。

さっきの時間で息を整えられたけど、体力と魔力の限界が近いのは変わらない。

アイリスの方はまだ余裕そうに見えるけど、実際どうなのかはわからないわね。
気を抜くとすぐにでも負けちゃうわ

リュウトもアイリスに合わせて私を集中狙いをしてくる。

さ、さすがに無理よ!?

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