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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

戦いの果てに

クロエ視点

正直魔力を使いすぎて今にも倒れそうだった。
テナに支えられながらもなんとか立っている。

「だ、大丈夫ですか?クロエお姉ちゃん」

「テナは余裕そうなのだな」

「あんまり余裕はないかもしれないです。それよりあの2人は?」

「そこなのだ」

まだ爆発の余韻で煙たい空気の中、中央でアイリスを庇っていた男の方を見る。

あの程度じゃ殺したりすることはないとわかっていたが、ほんとにそうなると逆に怖く感じる。

当然だが、審判の止めが入った時点で試合が終わってるので追い討ちをすることもなく、相手からの攻撃も警戒する必要も無い。

「テナ、もしアイリスが飛び出してきたら止めて欲しいのだ」

「は、はい」

しばらくして、2人が立ち上がる。

「リュート!リュート!大丈夫?」

「いっ………つつ、大丈夫だよ、アイリス。ありがとう」

あの、さっきっから殺気飛ばしまくってるアイリスをなんとかしてくれないか?

「と、そういえば結果はどうなったのだ?」

審判の止めが入ったはいいものの、最終的な結果はまだ知らされていなかった。


「え〜、ただいまの試合の審議結果が出ました。黒炎の龍は反則負けとさせていただきます」

え?

「はああああ!??それはいったいどういうことなのだ!?」

「そうですよ!私達あんなに頑張ったのに!」

意味がわからない。反則?どこが?

「今から説明するので落ち着いてください」

そう言って選手控え室に連れていかれた。

わたしとテナ、そしてアイリス、リュウトとかいう男が集まる。

「今までセパレティアの大会に魔族が出場することがあまりなく、空を飛ぶということが想定されてなかったんですよ。ですが、基本的なルールとして正々堂々というものがあります比較的安全な空へ逃げることは反則と判断しました。その他にも最後の魔法は最悪観客や私達審判にも危害を加える大規模魔法。危険と判断し中断させてもらいました」

まさか、わたしの作戦がルール違反だったなんて………

「…………わかったのだ。ちなみに我らの魔法によるけが人は?」

「対戦相手を除けばいません」

「クロエお姉ちゃん、いいんですか?だって例外なことなんでしょ?それに実際けが人はいなかったわけだし。もっと抗議しても………」

「いいのだ、テナ。ルールというものは常に対応してる訳では無い。抗議したところでもう既に審議されたあとのことだ。我が不甲斐ないばかりに、申し訳なかったのだ」

「そんな、クロエお姉ちゃんは何も悪くないよ」

「僕達が言うのもなんだけど、本当にそれでよかったの?正直僕も負けたと思ってたんだけど」

「…………あまり気持ちのいい勝ちとは言えないねまぁでも、認めてあげる。リュートを傷つけたことは許さないけど」

「そこは勝負だから許してあげなって、それにこれくらいは大したことないだろうし」

「リィアに治してもらうといい、問題なく完治するはずなのだ」

「あたたた、急に痛みが………早く愛理さんに治してもらおう!そうしよう!いだっ!?あ、アイリス」

「リュート?」

「ご!ごめん!」

はぁ………負けたのは悔しいが、実力にしてはいい勝負をしたから後悔はない。

「頼み事の話リィアにも話しておくのだ」

「いいの?」

「負けは負け、なのだ」

「ちぇ〜、私はもうちょっと戦いたかったのになぁ。ねぇ、アイリスさん、また戦ってくれない?」

「別に、いいけど」

「やったー!なかなか同族なんて見ないから嬉しい!」

「ねぇ、同族って言ってたけど、他にもいるの?」

「えっとね、私はドラゴンと人間の子供で、ドラゴニュートって言われてるんですよ。なので同じドラゴニュートっていう人は見たことがないです」

「アイリスもそうだったよね?」

「あんまり覚えてないけど、私は売られて、その時に知った。運ばれる途中の森で事故にあって、そこからずっと森にいたから親のことは知らない」

「そうなんですね。ん〜、私と同じならドラゴンと人間が親だとおもうんですけど………もしかしたら本当に生き別れの姉妹かもしれませんね」

「テナだっけ?」

「はい!」

「もしあなたが私の家族だとしても、そうじゃないとしても、関係ないよ」

「そう、ですよね………」

「だから関係なく、仲良くしてもいいよ。今の戦いで気に入った。リュートもいいよね?」

「僕は別に、っていうかなんで僕に聞いたの?」

「そりゃあだって家族になるし」

「か、家族って………」

「そろそろ鬱陶しいのだ。ほら、リィアは多分観客席なのだ。後で呼んでくるから待っているのだ」

「わかった。私達の宿は……」

アイリス達が泊まってる宿を聞いて別れる。


「………結局負けちゃいましたね」

「負けは負けだが悔しくはないのだ。むしろよく頑張ったのだ。だがテナには申し訳ないことをしたのだ」

「ううん、クロエお姉ちゃんは何も悪くないよ。楽しかったです!色々わかったこともありますし」

「わかったこと?」

「はい!一人じゃないって、本当にいいんだなぁって、今まで一人で戦うことが当たり前だったので考えたことなかったんですけど、こんなに心強いとは思いませんでした」

そう言ってくれるならよかった。

「我は相方がテナでよかったと思ってるのだ。もし、本当に我らのパーティに入るなら我はいいと思ってるのだ。だが同時にテナにはテナにしかできないことがあるし、我らと共にいることが最善とは思ってないのだ」

「ありがとうございます!私実は今になって少し悩んでて……ほらクロエお姉ちゃんのお師匠様がいるじゃないですか」

「師匠がどうしたのだ?」

「はい、私、魔王軍に興味が湧いたんです。魔族が起こした問題全部解決したのが本当にすごくて、他にも話聞きたいなぁって思いました」

魔王軍か……もしテナが魔王軍に入るのなら安心はできる。人に対しては有り余る力も存分に使えると思う。

「それじゃあ師匠に聞いてみるのだ」

「ありがとうございます!私本当にクロエお姉ちゃんと一緒で良かった!」

わたしも本当にそう思う。

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