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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

第四回戦

そんなこんなで次の日、第4回戦目、もとい、準々決勝が行われる。

「思えばもうベスト8は決まったんですね」

「次が準決勝で、その次がいよいよ決勝?だね」

「早いものだ。我らはあと3回勝てば優勝なのだ!」

「優勝目指して頑張りましょうね!クロエお姉ちゃん」

ちなみにサーティアさんはまだ寝てる。昨日のあれからまだ目が覚めてないみたい。
起きたらおなか空いてるだろうしごはん用意しておこうっと。

「それで?今日は私達の誰かと対戦はあるんですか?」

「ん〜、わからないのだ。リィアは何戦目なのだ?」

「私達は2戦目からですよ」

「我らは3戦目なのだ」

てことはサーティアさん達がそのどっちかなら対戦することになるのかな?

「ま、誰が相手でも関係ないけどね。あたしとリィアは優勝しか見てないし!」

「ですね」

今回は闘技場での2対2。1体1とは違った戦い方になる。

サーティアさん達と戦うことになったら大変そうだなぁ。


そして、私達の戦う番になった。

準々決勝にもなると会場の盛り上がり方はより一層激しくなっている。

「対戦相手は…………聖女と騎士?」

もしかしてもしかしてだけど………

「あら、久しぶりね。確か………アイリとルーナだったっかしら?」

「リィアです!」

「ごめんなさい。私達にとってはそっちの名前の方が聞き馴染みがあったから」

「ジェシカとフェノアだっけ?勝ち上がってたんだ」

「まぁ、帝国最強の戦士と聖皇国の聖女様が合わされば負けるはずありませんよ」

それを聞くとめちゃくちゃ強く感じる。

「とはいえ私達も余裕を持って勝ってきてるわけじゃないわ。実際2対2は難しいし、あなた達相手でも全く油断するつもりはないから」

おぉ、強気だ。聖女といえばお淑やかなイメージがあるけど、意外とそういうわけでもないんだね。
この人達は確か勇者パーティの子供なんだったっけ?

聖女のジェシカさんは元聖女と勇者の子供で、フェノアさんは仲間の騎士と魔女の子供との事。

そんなの強いに決まってるじゃん!

「こっちこそ負けるつもりはないよ。あたし達は優勝するんだから」

「面白いですね。是非とも私達を楽しませてください」

フェノアさんとジェシカさんは余裕の笑みを浮かべる。

「あ、そうだ。アイリ……じゃなかった。リィアに頼みたいことがあるんだけど」

「な、なんですか?」

私に頼み事?

「私達とリュートに契約魔法を使って欲しいの」

「そうなんですよ。私達みんなリュートさんと結ばれたいんです。なのでリィアさんの契約魔法で………」

え!?もしかして、みんなあの龍斗くんが好きってこと?

何それ。いや、まぁ今更あの人のモテることに疑問をもってもしょうがないか。
それにしても、なんか気に食わないなぁ。

「1人で3人と結婚するってこと?」

「有り体に言えばそうね」

いわゆるハーレムってやつね。こんなにかわいくて強い人に好かれるなんて、神様はあの人に何をしたんだろう?

(私は何もしてないよ〜?)

(ろ、ロミス様を疑ってるわけではないんですけどね?)

はぁ………まぁ人の恋愛事情はどうでもいいんだけどね。私にはルーナちゃんがいるし。

とはいえちょっとしゃくにさわるなぁ。

「それじゃあ私達に勝てたらただでいいですよ?」

「ほんと?ありがとう!」

まるで勝つのが当たり前みたいに感謝してくる。

「さて、そろそろ雑談も出来ないね」

私達が話終わるのをそわそわしながら見守ってた審判の人がそろそろいい?とアイコンタクトを送ってきたところで私たちの会話は終了する。


「ルーナちゃん、相手は正真正銘の強敵です。全力でいきましょう」

「任せて!」

剣を抜いて強化魔法をかけ、いつでも戦えるようにする。
フェノアさんは一見戦士だけど、勇者パーティの魔女の子供でもあるから魔法も得意なはず。
得意な属性がわからないうちは下手に立ち回れないね。


そして、開始の合図が鳴る。

私はルーナちゃんが狙われる前にフェノアさんの相手をすることにした。
向こうも同じ考えだったらしく、一瞬で剣がぶつかり合う。

「これ、受け止められるんですね」

「私も魔力には自信があるので」

速さも力も今まで戦ってきた相手とは段違いだった。

「楽しいですね。こんなにできるのは久しぶりですよ」

「まだ余裕がありそうですね」

「……そっちこそ」

「スターダスト!!!」

ジェシカさんの声と共に空から光の塊が落ちてきた。

「ハイドロブラスト!!」

それをルーナちゃんが魔法でかき消してくれた。

「専門は回復魔法だから攻撃は苦手なのよね……」

「リィア、あんまり支援する暇、ないかもしれない」

ルーナちゃんも余裕はないみたいだ。

「正直リィアさんの剣は飾りで魔法で主に戦ってるのかと思ってましたよ」

「半分半分ですからね。私は魔法剣士ですから」

「ふーん、それじゃあ……」

フェノアさんは接近をやめて、少し距離をとってきた。

「フレイムスラッシュ!」

私は目の前に壁を作って防ぐ。

「これも防いじゃうですね」

「そりゃあ警戒もしますよ」

いきなりだったら危なかったかもしれない。

そこからはお互いに魔法合戦になっていった。
だけど、実力が拮抗してるせいで、なかなか致命打にはならない。


「これじゃあきりがないよ。どうしよう、リィア」

このまま魔力の消耗はよくない。
それは向こうも同じはず。
だったら………

「私が一気に崩してきます」

この前のステルスミッションで思いついたことがある。
自分の姿が見えないようになれば強いんじゃないかなって。

「!?消えた?」

「消えてないですよ。ほら、よく見たら違和感があります」

ジェシカさんは驚いたけど、フェノアさんは対応してきた。

結構不意打ちだと思ったんだけどなぁ。

「それいいですね。こんなに戦いづらいのは久しぶりですよ」

見えてないはずなのに、的確に私の攻撃を防いでいる。
多分気配とか空気の流れとかを感じとってるんだと思う。

これならどうかな?
私は剣に魔力を流す。

「ライトニングソード!!」

「なっ!?」

不意に痺れたフェノアさんが怯む。

「パラライズ」

「う、ぐ……」

「セイクリッドヒール!!」

とどめの構えをしたところでフェノアさんの周りが光る。

「間に合ったかしら?」

「助かりました」

痺れてる感じもなく、フェノアさんは立ち上がる。

「さて、続きをしましょうか?」

「そんなこと、させるわけないでしょ?」

え?

魔法を詠唱してたのはジェシカさんだけではなかった。

「スティッキーバレット!!」

ルーナちゃんの魔法は的確にジェシカさんとフェノアさんを狙っていた。

「うっ………痛っ……な、何よこれ?う、動けない」

「くっ………なんなんですかこれ」

とはいえ私にも流れ弾が来る。

私は魔法で壁を作ってそれを防ぐ。

「そろそろ終わりにしましょうか。ライトニング、ソーーード!!!」

そして動けなくなったフェノアさんにトドメの一撃を与える。

「こ、降参!痛いのは嫌です」

「ちょっと、フェノア!!」

「私達の勝ち、ですね」

「………そうね、負けたわ」

本当に手強い相手だった。

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