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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

た、大変なことになってました

細かい作業で思ったよりてこづったけど、何とか鍵を作ることが出来た。

「型はできたからあとは熱で乾かして……よし!できた!」

あとはちゃんとドアが開けばいいんだけど………

「なんかこれ、絶対犯罪だよね?魔法で鍵作って勝手に開けるなんて」

「仲間の緊急事態なので仕方ないですよ!サーティアさんのためならこのくらいはします!もし罪に問われたら全力で逃げます」

最悪転移魔法があるので逃げるだけなら簡単にできる。
できる限りそうならないようにはしたいけど。

ドアの向こうではまだ苦しそうなサーティアさんのうめき声が聞こえる。
今行きますよ!サーティアさん!

「それじゃあ開けますね?」

鍵をさして回す。

カチッ

「あ、開いちゃった………怒られたらあたしも後で一緒に謝ろうね」

「そんなことよりサーティアさんですよ」

部屋に入ってサーティアさんの様子を見る。

「んっ、はぁ……はぁ………んっ、あっ」

あ〜、これは本当に悪いことしちゃったかもしれない。

「り、リィア!ど、どど、どうしたらいい?」

サーティアさんはまだ私達の存在に気づいてない。

「でもあれはさすがに様子がおかしいと思うんですよね」

「なんでリィアはそんなに冷静にいられるのかが不思議でしょうがないよ」

ま、まぁ誰にでもあることだからね。私とルーナちゃんだって、その、あれだし。

「とにかく!サーティアさんが夢中になるほどなんておかしいと思うんですよ。きっとあの毒ガスのせいだと思うんです」

ずっと満たされない欲求ほど苦しいものはないからね。

「………キュア!」

「リフレッシュ!」

私とルーナちゃんでそれぞれ魔法をかける。

「…………」

サーティアさんは衝動が治まったのか、そのまま眠ってしまった。

「よかった。落ち着いたみたいですね」


「サーティアは無事か!?」

いつの間にかクロエさんも来てたみたい。

「はい、大丈夫です」

「結局サーティアはどうしたのだ?」

「あ〜、えっと、その………」

「あのガスの影響で苦しんでたみたいだな」

「師匠!?」

クロエさんの後ろからルーミーさんが出てきた。

「あれはセーハの花粉を使った薬のようだ。厄介なことに媚薬の効力だけより引き出してるみたいだったからな」

「どうして師匠がそれを知ってるの?」

「セーハの花粉は魔王軍で管理してるからな。見ての通り強力だから勝手に利用されないようにしてるのだが………どこかから漏れたのだろうな。また仕事が増える……」

セーハさんは転生者のドリヤード。ドリヤードは森の精霊と呼ばれる存在で、その花粉によって森が豊かになると言われてる。

普通のドリヤードとは違ってセーハさんの花粉は色々特別なんだったっけ?

「まぁ絶対に入手不可という訳でもないから大きな問題にはならないんだけどね。さっきみたいな平気にされると管理してるこちらとしても考えなくちゃいけない」

「確か、我やテナのような異種間の子供を作る時に必要だったよね?」

「そうなんだ。出生率の低い街や国、種族。異種間の交配でセーハの花粉は役に立ってる」

なるほど、クロエさんやテナちゃん多分だけどエルフのサーティアさんもセーハさんの恩恵を受けてるんだね。

「っと、そうでした!ネフィス様もサーティアさんと同じように受けてましたよね?行って魔法をかけてあげないと」

「一応行ってあげた方がいいかもね。命に関わることはないからしばらくしたら効力が切れるんだが、あの花粉を使った時の衝動はものすごい。あの皇女でもただではすまないだろう」

サーティアさんはとりあえず落ち着いたみたいだし、ネフィス様も助けてあげないと!

「っと、そういえばテナとレーズンは?」

「観戦席に置いてきちゃったのだ」

「テナちゃんがいるから大丈夫だと思いますけどね」


ということで私とルーナちゃんでネフィス様の部屋に行くことにした。

クロエさんとルーミーさんはサーティアさんの様子を見つつテナちゃんとレーズンを待つみたい。

「皇女様の部屋だから多分キッドくんのいるところの近く?ですよね?」

「わかんないけど、あたしもそこら辺だと思う」

何度かキッドくんの部屋に行ったこともあって迷わずに行くことができた。
本当は行っちゃダメなんだけどね?

「あ、あそこの部屋の前、メイドさん達が集まってるよ?」


「あ、あの!」

「あら、ここに来ちゃダメですよ?ってあなたはキッド様の………」

もしかしてキッドくんのメイドさんだった?

「ん?なんや?って嬢ちゃん達やん!今ネフィス様がおかしいんやて!ああえっと、この子らはネフィス様のお友達やから平気やで」

ネフィス様のお付のガーベラさんもいた。

「あたし達はそれを解消死に来たの」

「ほんまか!?それは助かる」

「はい、サーティアさんも辛そうに?してたので」

「一応聞きますけど、ネフィス様に婚約者とか予定の人はいませんよね?」

「おらへんよ。ネフィス様は婚約に乗り気やないからなぁ。キッド様がいるから皇帝陛下も何も言わないし私としても自由でええと思うけどな。急にこんなこと聞いてどうしたん?」

「あいや、その、世継ぎが必要なら今が大チャンスなので」

「あ〜、まぁ平常じゃない時に無理やりはさすがに後でネフィス様にめっちゃ怒られると思うから早く楽にしてあげて」

「わかりました」

「あたし達に任せて!」

メイドさん達もわかってくれて、ネフィス様の部屋の鍵を開けてくれた。

みんなで恐る恐る入る。

「うわぁ、すごいことになってるわ」

普段は凛々しいネフィス様の乱れた姿にみんな言葉を失っていた。

「は、早く治してあげましょう」

「キュア!」

「リフレッシュ!」

「浄化!」

「ヒール!」

一通り魔法をかけてあげるとサーティアさんと同じく眠ってしまった。

「す、すごいな。まるで聖女様みたいや」

「ちょっと光属性が得意なだけですよ」

「まぁとりあえず落ち着いてよかったよ」

明日には治るといいんだけどね。
あ、そういえば、サーティアさん達の対戦相手は大丈夫かな?


博士と助手視点

「助手く〜ん!」

「博士、ほら解毒薬はどこっすか?」

「な〜い」

「ないって、、普通失敗した時のこと考えないんっすか?」

「ねぇ助手くん」

「なんすか?」

「ちゅ〜して〜」

「はいはい、今とびきり目を覚ますようにしてあげるから待つっす」

「な〜に〜?きゃあ!?冷たい!」

「まだ、足りないっすか?」

「わかった、わかったから。せめてこの衝動がおさまるまでひとりにさせてね」

「わかったっす。俺を巻き込むのはやめてくださいね」

「はいはい、もぅつれないなぁ」


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