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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

第三回戦目

次の日
今日はいよいよ三回戦の試合がある。
全8試合行われて、今日でベストエイトが決定する。

「最初はあたしとリィアだね」

「き、ききき、緊張してきました」

人に見られながらとか、こういう大会とか、しかもペア大会……プレッシャーがすごい。

「大丈夫だよ。リィア。あたし達なら勝てる。でしょ?お互い信じあってるんだから。今更どうこう言う関係じゃないじゃん」

そうだ。ルーナちゃんは私がなにしたって気にしない。
あとは全力で頑張るだけ。

「はい!頑張りましょうね」


「それでは選手の登場です!ここまで一回二回戦共に危なげなく勝利した謎の美少女チーム!三回戦でもその余裕を持ってその勝利を掴むのかー!勝利の星達!」

ええー!?三回戦からは司会が紹介してくるの!?は、恥ずかしいがすぎるって!!

「続いて登場するのは、一回戦、二回戦共に見事な幸運で勝ち上がってきた新人冒険者!?この戦いでもその幸運でジャイアントキリングになるのか!!運命のいたずら!」

チーム名が不穏すぎる。運がいいってどういうことなんだろう?
ちゃんと他の人達の試合も見とくべきだったかもしれない。

「大丈夫だよ。リィア。なんたってあたし達、神様に生み出された天使なんだよ?」

そういえばそうじゃん!
私には文字通り神様がついてる。

「運命をねじ曲げる魔法とか……ないよね?」


対戦相手の方を見ると、いかにもあまり強そうには見えない男の人と、堂々とした態度で男の子の隣にいる女の子だった。

「よ、よろしくお願いします!!」

「えっと、こちらこそよろしく?」

男の人の方が礼儀正しく、お辞儀する。

「妾に任せておけば問題はない!お主も堂々としておれ」

「で、でもさ、相手すごく強いって言ってるよ?」

「ただの小娘相手、問題ない」

なにかよくわからないけど、女の子の方が危ない?のかな?

「ルーナちゃん。今回はいつもと違う感じがするので慎重にいきましょう」

相手は幸運を見せて勝ってきた。例えば戦わず、自爆。もしくは相手が見えないほどのなにかをしてそういうふうに見えた。
戦ってる途中でなにかが起きた。
とかだろう。

(リィアちゃんリィアちゃん!)

ロミス様?急にどうしたんだろう?

(なんですか?)

(相手もこちら側の存在っぽいから気をつけてね。上位の精霊か天使か……弱い神の可能性すらあるね)

え!?そんなのが平然といていいんですか?

(リィアちゃんとルーナも似たような存在だからね。ありえなくはないよ。あの二人はなんかの契約魔法で繋がれてるってことはわかるよ。現世に干渉してるみたいだからそれだけ力もあるってことだから気をつけて)

神と信者。みたいな関係なのかな?私とロミス様とはちょっとニュアンスが違うかもしれない。

幸運をもたらす力があるとするなら、もしかして相手は幸福の神様?いや、それはまたちょっと違うよね?

(大丈夫だよ。力が強いって言っても私程じゃないから。リィアちゃんなら平気だよ。それこそ私と同等以上の神はあんまりいないからね。この前言った主要な神様以外なら大丈夫)

(わかりました。ありがとうございます)

神の助言によって少し落ち着く。

「ルーナちゃん、私達なら勝てる相手です」

「………そう、わかった。今神様と話してたんでしょ」

ルーナちゃんは一瞬キョトンとしてたけど、何となく伝わったようだ。


そして、試合開始になった。

「……………ハイドロブラスト!!」

ルーナちゃんは少しの詠唱で大技をくりだした。

「お主よ!」

「う、うん、ウィンドラピット……うわぁっ!?」

……避けられた。けど、相手は体勢を崩した。今なら……

「エレクトロショック!」

「うわぁ!?」

「これしきの魔法なら問題はない」

今度は防がれる。

魔法だけで簡単に勝てる相手じゃないってことみたい。

なら……

「物理攻撃にかぎりますよね!」

「ウォーターバレット!」

私の攻撃と合わせてルーナちゃんも魔法を放つ。

「ちょっ!?ちょっと待って!!」

「待ちません!」

少しへっぴり腰の男に思いっきり剣を振る。

「お主はほんと情けないのぉ」

魔法は女の子に防がれ、私の攻撃は相手の剣で防がれたが、私の勢いは止まらない。

「本当に危ないから、ハミン!早くなんとかしてよ」

「わかっている」

「わわっ!?」

急にバランスが取れなくなる。ちょっ!?なにこれ滑る。

転びそうなところをなんとか踏ん張ってとどまる。

「なんとなくわかりました」

多分この人達は相手の油断を誘ってる。男の人は恐らくそんなに弱くない。むしろ強い部類だと思う。
隙がありそうだったけどちゃんと私の剣を受け止めてたし、咄嗟の魔法も使える。

女の子は魔法能力に優れてる。
けど、大技を防いだり、急な攻撃魔法はない。

「小娘、悪いことは言わん、降参を勧める」

「実際あなた達は強いですが、私達はそれよりもっと強いので勝ちます」

「そ、そうだよハミン。僕達こんな弱いのに………どうしてそんなこと言うの」

「お主は黙っておれ!じゃが小娘はもうそこから動けぬぞ」

特に拘束されてる訳では無い。
私の周りの地面がとてもツルツルになってて、ここから動こうとすれば転んでしまうので下手に動けない。

「そんなことないですけどね」

私は相手の方に平然と進んでいく。

「なっ!?」

ツルツルで動けないなら新しく足場を作ればいい。少し作ればいいからそんなに大変なことじゃない。

「リィアー!」

喋ってるうちにルーナちゃんが私の名前を呼ぶ。
次の魔法の準備ができたみたいだ。

「くっ!お主よ!」

「させませんよ!」

「うわぁっ!?」

動こうとした男の人に剣を向ける。ルーナちゃんの邪魔はさせない。

「スティッキーリクイド!」

「ハミン!!」

な!?

男は私を無視して女の子の方に駆け寄った。

そして当然2人共ルーナちゃんの魔法に当たる。

「な、何をやっておる。お主よ!くっ………動けん」

「だってハミンが危ないと思ったから」

「な、何をバカなことを言っておる」

なんだこれ?またお熱い2人ってこと??

「リィア、さっさと終わらせた方がいいよね」

「ですね」


「あのう、ちょっといいですか?」

「あ、はい」

「その、降参してもらってもいいですか?」

「はい、あの、対戦ありがとうございました」

「はぁもう降参しなければ妾がお主を勝たせてやれたというのに」

「危ないことはしないって言ったでしょ?」

「あーもー心臓がうるさいから早く離せ!」

やっぱりラブがコメしてるやつだった。しかもこれ鈍感系主人公なパターン。
この2人の関係性とか出会いとかちょっと気になってくるやつだ!!なんでこんなところで出会っちゃったんだろう??
誰か教えてくれ!

「そうは思ってるんだけど、なかなか取れなくて………」

「あ〜はいはい今からとってあげるから」


「それじゃあ、ハミン、行こう?」

「わかった、わかったからもう手は離せ!」

なんか、なんかだなぁ。

「ルーナちゃん。私達もああいう感じなんでしょうか?」

「ん〜、どうなんだろう?さすがにこんなに露骨だとは思いたくないなぁ」

私達もイチャイチャする時は周りを気をつけよう

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