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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

第二回戦

次の日、第一回戦の結果が発表された。
当然ながら私達は勝ち上がっている。

「さて、今日は午後からですね」

二回戦目は昨日の半分の8戦行われる。

今日は私とルーナちゃん、そして、クロエさんとテナちゃんが出場する。

「ルーナちゃん!今日も頑張りましょうね!」

「うん!」

どんな人が相手だろうと私達なら大丈夫!

………と、思ってたんだけど。

「次の相手は、聖なる剣?どこかで聞いたことあるようなないような……名前ですね」

少し記憶に引っかかるような名前。でもこんな厨二病全開の名前、どこで聞いだんだろう?クロエさんと話してる時に出てきたやつだっけ?

疑問を感じながら、対戦相手の方を見る。

「あーっ!」

「あ」

相手も私達を見て声をあげる。

「あんた達もセパレティアに来てたのね?覚えてる?私、アイディル。昔一緒に冒険者学校にいたよね?ね?ファクトも覚えてるでしょ?」

「覚えてるよ。へぇ〜、卒業したあとも一緒に冒険者やってたんだね」

相手は昔冒険者学校で一緒だった冒険者パーティのファクトさんとアイディルさんだった。

「覚えてたんだ。こんな偶然あるもんなんだね。そういえば他の2人はどうしたの?」

「テレサとイザベルも出たんだけど、どうやら一回戦で負けちゃったみたいで、今は応援席の方で見てるんじゃないかな」

私としては結局ファクトさんとアイディルさんは付き合ったのかどうかが気になる。

「もしかして結婚指輪として優勝賞品を……?」

ある考えが浮かんでそのまま声に出してしまった。

「え?」

「そうなの!素敵よね。誓の指輪って……ファクトはヘタレだからプロポーズもまだなの、だから絶対優勝してもっと仲良くなってあの指輪を私に………えへへへ」

「あ、アイディル!?」

「あ〜、あはは……それはお幸せに。でも、あたし達も負ける訳にはいかないから、ごめんね?」

「元々ゆずってもらうつもりはないから、本気で戦って勝ち取らないと意味ないもの」

アイディルさんのさっきまでだらしなく緩んでいた顔が引き締まる。

「私としても、負けるつもりはない。アイディルの気持ちに答えるためにも、全力でいかせてもらう」

「ファクト……」

なんかリア充って感じ。まぁ私はいいと思うけどね?むしろ尊いと感じれる。

残念なのは、私達がいるからこの先には進めないってことかな?

「私達も負けませんよ」

まさかここで元同じ学校の人がいるとは……当然学校にいた時よりも実力は上がってるだろう。

全く油断出来ない。
彼らは少なくともCランク以上の力を持ってる。
そして2人は、多分好き同士っぽいし、連携もできてるはず。

2人とも剣士学科の方だったから魔法使いはいない。とはいえ強化魔法は使えると思う。
私が前で抑えておかないとルーナちゃんは危ないかもしれない。

前みたいに抜けられる可能性もあるからそこは慎重にいかないと。

「ルーナちゃん、今回はあんまり離れないでください」

「ん、わかった。あんまり無理しないで、あたしが全力で援護するから」

そうだ。ルーナちゃんを守ることに意識しすぎないようにしないとね。
ルーナちゃんは護衛対象じゃなくて仲間だ。
きつい状況になっても信じて戦おう。


開始の合図があり、私とルーナちゃんはいっせいに魔法を発動する。

「スティッキーリクイド!!」

「パラライズ!」

ルーナちゃんの魔法は避けられても相手を縛ることができる魔法。私のは当たればいいなぁ程度だ。

「アイディル!これは避けたほうがいい」

「わかった!」

ルーナちゃんの魔法の危険性にいち早く察知して避けられる。

だけど、私の魔法は当たった。

「う、ぐ」

「ファクト!」

当然その隙は逃さず一気に仕掛ける。

「させない!」

思っていたよりもアイディルさんは力強く、弾かれる。

「っつつ、やってくれるね」

とどめはできなかったけど、これなら十分に時間は稼げてるはず。

「リィア!」

後ろからのルーナちゃんの声で一旦アイディルさんと距離をとる。

「ウォーターバレット!」


「きゃあ!」

私が距離をとったときに深追いしすぎたのに気づいて戻ろうとしたところをルーナちゃんの魔法が襲いかかる。

「アイディル!」

急なことで対応できてなかったアイディルさんを庇うようにファクトさんが魔法を受け止める。

痺れて動けないはずなのに、ものすごい気力だ。

「君が無事でよかった」

「ファクト……」

なんか、ものすごくやりづらい。
ルーナちゃんも私と同じ気持ちなのか微妙な顔をしてる。

「それじゃあ、こっからは反撃といこうか」

私達の攻撃が一旦やんだことによって無理やり体制を建て直して向こうからの攻撃がくる。

「これを利用してカウンターで一気に決めましょうか」

「任せて」

ルーナちゃんに反撃は任せて私は2人を止めなくちゃいけない。

「はぁああ!」

さっきのお返しとばかりにファクトさんの強い一撃がくる。

そして、回り込んで私を狙って来たアイディルさんを探知して攻撃を受け止める。

あっ……まずい、片足がルーナちゃんのばらまいた粘着液に絡まった。
次の攻撃は避けられない。
完全に戦犯だ

「リィア!」

ルーナちゃんの掛け声を聞いても避けることは無理なのでそのまま魔法を使ってもらう。

「あーもー!知らないからね?スティッキーリクイド!」

ルーナちゃんの魔法が私達3人に襲いかかる。

「な、なにこれ、ベトベトして動けない」

魔法を受けて、そのまま3人ともバランスを崩して倒れてしまう。

「ちょっ、あ、アイディル!?」

「え?ひゃあ!ど、どこ触ってるの!?」
 
どうやってこうなったのかわからないけど、なんか色々まずい状態になってる気がする。
けど、私も動けないのでどうしようもできない。

「あ、あ〜、えっと……なんかごめんね?それと、降参してくれると助かるんだけど」

「降参!降参だから早く解いてくれ」


なんか勝ったけど、申し訳ない気持ちになった。

「あ〜もうベトベト」

「あ、アイディル早く行こう。多分その格好は色々まずいから」

「もう最悪。勝てなかったし、こんなことになるなんて」

「なんかごめんね?」

ルーナちゃんが謝る。

「まぁ負けは負けだから。ファクトもありがとう。さっきはごめんね?」

「気にしないで。負けたけど、でも、ちゃんと覚悟はできたから」

「え?」

「アイディル。今日、話したいことがある」

「………うん」


なんか、2人の世界に入っちゃった。邪魔にならないうちに私とルーナちゃんは退場することにした。

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