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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

歓迎会をしましょう

お店を出たけど、クロエさんとレーズンの姿はなかった。

どこかに行っちゃったのかな?
クロエさんのことだから変なところに行かないと思うけど、どこに行っちゃったんだろう?

「クロエのことだからどうせ魔道具屋とかじゃないかしら?」

「ですね」

「この近くには………いなさそうだね」

「レーズンの気配とクロエさんの気配が分かります」

テナちゃんは探知魔法よりも強力な探知能力があるみたい。
さすがに私でもこんな人の中で探すのは難しい。

「どこにいるの?」

「えっと………あっちの方です」

私たちはテナちゃんについて行くことにした。

「あ、いました」

「えっ?どこよ」

「まだ先でした」

意外と正確性はないのかもしれない。

「クロエさーん!」

私も探知魔法で居場所がわかったのでクロエさんの方に走っていく。

「あっ、リィア!」

クロエさんを見つける。
レーズンと手を繋いで歩いている。

「ん!」

「そうか、我もそう思うのだ!」

「クロエさんレーズンが何言ってるかわかるんですか?」

「うわっ!?リィアか、いや、何となくしかわからないのだ」

なんとなくでもわかるんだ。
まぁ私もある程度感情は分かるけど

「こうして手を繋いでるのを見ると、なんかかわいいわね」

「か、かわいい!?」

クロエさんと幼女………確かにその組み合わせはいいかもしれない。

「あ、あたしとリィアは?」

「もう見なれちゃったわ〜」

「えー!そんな」

「確かに、ことある事にくっついているのだ」

「仲良し、なんですね」

みんなから生暖かい目で見られる。

「あ、あ〜、つ、次はどこに行きましょうか」

「ん〜、そうね、目的は果たしちゃったし、適当にぶらぶらするのはどうかしら?」

「そうだね〜」

「せっかく人数も多いのでみんなでパーッとするのもいいですね!」

「適当に依頼を受けるのもいいのだ」

歓迎会じゃないけどせっかくテナちゃんとレーズンが一緒に来ることになったんだからなにかしてあげたいよね。

「依頼はまだいいわ」

「確かにレーズンと戦うことはなかったけど、疲れたからね」

「むぅ、テナも物足りないと思わないのか?」

「え、えーっと、まぁそうですね。買ってもらった装備も試してみたいです」

「でもレーズンもいるのよ?」

意見が別れてしまった。
戦闘好きなクロエさんとテナちゃんは依頼を受けたいみたい。

「わかりました。では別れてやりましょう。私はテナちゃん達の歓迎会?をしたいです。まぁ料理を作ってみんなで一緒に食べたりするだけなんですけど、どうですか?その間クロエさんとテナちゃんが依頼をこなすというのは………」

「いいわね!歓迎会。まだ正式に仲間にするかどうかは置いておいて、私もそういうのしたいわ」

「あたしも賛成。テナ達もいいよね?」

「むしろこっちがいいんですか?って言いたいくらいです。本当にいいんですか?」

「もちろんですよ!レーズンもいいですよね?」

「ん!」

ということで歓迎会準備組と依頼でテナちゃんの相手をする組に別れる。

「っと、そういえばテナは冒険者の登録をしているのか?」

「おじいちゃんにしてもらいました。これです!」

そういって自分のギルドカードを取り出す。

「Dランク」

ドラゴンだから当然Dランク以上の実力はあるだろうけどランクが高すぎても目立つのでこれくらいに調整したのだろう。

「ふむ、なら問題ないのだ」

「レーズンはどうしますか?私達かクロエさん達のところに行くか………」

「ん!」

レーズンは私達のところに行くようだ。

「それではまずは街の外に行きましょうか。さすがに台所は借りられないと思うので」

外なら魔法でちゃちゃっとできる。
魔法って便利だ。

「結局外に行くのね」

目的地は同じなので途中までクロエさん達とも一緒に行く。

「ふむ、ということは外で行うのだな?」

「そうですねなのでおなかをすかせて来てください」

「お肉………じゅるり……はい!頑張ります!」

クロエさん達はレーズンがドラゴンの姿でなくなったことによって現れるようになった魔物の討伐の依頼を受けたみたい。

変化させるとそういう威圧感?みたいなのも無くなるのかな?
まぁ確かに、こんな幼女に威圧感も何もないもんね。ただただかわいいだけだ。

「レーズンはなにを食べたいですか?」

「…………ん!あ!」

なにかを思い出すようにして私に伝えようとする。まだ上手に喋れないみたいだけど何となくわかる気がする。

「やっぱりお肉、ですか?」

「ん♡」

「今度はみんなで食べるから一口サイズに切ってあげないといけないわね。私に任せなさい」

「あたしは別の料理をしてるね。スープとかおかずを用意してるよ」

「私はメインの料理を。それと会場の準備も、ですね」

邪魔にならない場所に、魔法で椅子や机、料理する場所、火などを用意する。
水はルーナちゃんに用意してもらってっと

「手際よすぎるわね。私達旅の料理屋さんとかでもやっていけそうね」

「あはは………ですね。この世界が平和になったらそうなるのもいいかもしれませんね」

みんなのおなかを満たす仕事。ちょうど私の得意分野でもあるし本気で目指してみるのもいいかもしれない。

いや、別に移動する必要もないんじゃ……どこかの街でお店をやるのもいいかもしれない。
ルーナちゃんと一緒なら……ん〜絵になるなぁ。

「リィア〜?なにぼーっとしてるの?危ないよ?」

「え?あぁすみませんちょっと妄想に浸ってしまいました」

じゅーじゅーとお肉の焼ける音が響く。
味付けをしたら香ばしくていい匂いも漂ってくる。
美味しくできそうだ。
レシピ本とかもないので完全にこれまでの経験から適量の調味料を足してるけど、みんな美味しいって言ってくれるから多分味付けは問題ないのだろう。

「………ん〜」

ふと視線を感じたので見てみると、レーズンがじーっと焼いているお肉を見ていた。

「あはは、気になっちゃいますよね。ちょっとだけ、味見しますか?」

「ん!!」

サーティアさんが1口サイズに切ってくれたのでちょっとくらいはバレないと思う。

「はい、ちょっと熱いですよ?大丈夫ですか?」

「ん!」

私はひとつとってふーふーしてからレーズンの口に運ぶ。

「ん〜♡」

「えへへ、気に入ってもらえてよかったです」

「リィア、あんまり甘やかしすぎちゃダメよ?」

「バレてました!?」

「そりゃバレるわよ!」

さすがにみんながいるからバレちゃうか……

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