コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!
閑話 諦める心
龍斗視点
愛理さんに振られた。そして僕をこの世界に連れてきてくれた神にも、この思いを叶えてもらえることはなく、逆に諦めさせられてしまった。
友情の契約。僕にとっては呪いと言ってもいいだろう。
あれだけ好きだった気持ちが、その呪いによって抑え込まれる。
今だって気持ちは変わらない、はずだけど、前ほど執着心は無くなっていた。
「僕は、どうしたらいいんだ」
一人で悩む。目的を達成したけど失敗した。この呪いのせいで諦めるしかなくなった。
僕はこの先どうしたらいいのだろう。
もし愛理さんが別の人と……と考えるだけで頭がおかしくなりそうだ。
今のところそういうことはなさそうだったけど。
あと、呪いがあったとしても愛理さんと一緒にいたい。
この呪いのいやらしいところは愛理さんから嫌われることもなくなったということだ。
つまりお互い程よい好感度を保つことになる。
「はぁ………」
「りゅうと………ん」
いつの間にか心配してアイリスが来ていた。
顔を覗き込んでくる。
アイリスは最初出会った頃何を考えてるのか分からない不思議な子だと思ってたけど、段々感情が見えてきてる。
これまでの冒険で何度も助けられた。
「リュート、だいじょうぶ、だからわたしがついてるよ」
優しく抱きしめてくれる。
思えば僕は愛理さんのことしか考えてなくて、全然アイリスやジェシカ達に目を向けていなかった。
僕のわがままに振り回されて、申し訳ないと思う。
今度なにかしてあげよう。僕にできることならなんでもっていえばこれまでのことは許してくれると思う。
「アイリス」
「なに?」
アイリスを見ると、とても優しい笑顔を向けられる。
「今までごめん。僕のわがままに付き合ってくれてありがとう。だから今度お詫びをさせて欲しい。僕にできることならなんでもするよ」
「リュート。気づいてくれたからいいの。もういいの。なんでもするって言うなら、わたしがリュートとずっと一緒にいることを許して」
まっすぐな目でアイリスはそう言った。
「そんなことでいいのか?」
てっきりもっときついのを想像していたけど。
「それが1番目。2番目は………」
「え?それだけじゃないの?」
「とうぜん。リュートは沢山わたしを困らせた」
それも、そうか
「に、2番目は?」
「…………好き」
そっと口付けされる。
真っ白な肌を赤く染め上げ、その熱を直に感じる。
一瞬のことで何をされているのかしばらく理解できなかった。
「!?」
「2番目は、わたしと、永遠の契約をすること」
永遠の契約。婚約よりも深い関係。例えどんなことになっても、その関係が崩れることのないという、契約魔法の最上位。
「で、でもそれは僕使えない、よ」
「………あいつが使えるのあの女が」
少し不貞腐れてる顔をして、アイリスが答える。
あの女………もしかして愛理さんのこと?
「もしかして愛理さんにしてもらうの?」
「リュートがいいなら………してもらう。その契約をしたら、わたしになにしても、いいから」
今度はまた顔を赤くさせる。
「ま、待って待って、それってその、結婚して欲しいとかそういうこと?」
「…………」
静かに頷く。いやいや、さすがに早いって!
アイリスの気持ちにも初めて気づいたし、気づいたら過去の行動とかに割と大胆なことしてたなとか色々思い出したけど、さすがにこっちの気持ちはまだよくわかってない。
「い、一旦落ち着こう、というか落ち着かせてくれないか。僕にとってはいきなりだったから、その、心の整理をしたいというか」
「む〜、やっぱり人間じゃないから?」
「ん?人間じゃないとなんでダメなんだ?アイリスの気持ちは素直に嬉しいけど、さすがに失恋したばかりで色々考えたいんだ。必ず、とは約束できないかもだけど、できる限り気持ちに答えると思うから」
「あーもー!じれったいわね!はっきりしなさいよ!」
「ジェシカさん、いい所でしたのに、っと、バレちゃいましたね」
いつの間にか、というか影でジェシカとフェノアが見ていたようだ。
「見てたのか」
「もう、さっさとくっつきなさいよ!見てて鬱陶しいんだから」
「そうですよ、女の子にプロポーズさせるなんてダメですよ」
どうやら僕に味方はいないようだ。
「どーせアイリスの気持ちは嬉しいけどまだ気持ちの整理がついてないから待ってくれだとか、まだアイリスが好きかどうかわからないとかっていう理由で渋ってるんでしょ?」
「なっ!?」
完全に図星をつかれた。
「ジェシカだって、僕の立場ならこうなるって。だって結婚だよ?そう簡単に決められることじゃないと思うんだけど」
「僕にできることならなんでもするって言いましたよね?それって私達にも適用されるんですか?」
「え?あぁ、みんなに迷惑かけたから、できる限りの事はしたいと思ってる……けど」
フェノアの意味ありげな表情が怖い。
「いやぁ私も今のところ結婚できるのがあなたしかいないので申し込もうとしてたんですけど」
「はぁ!?!?」
何言ってるんだ!?冗談か?
「最初はアイリスちゃんに譲りますけどね。後がつっかえてるので早めにお願いします。私がして欲しいことはアイリスちゃんの返事を早くすることですね」
「フェノアってなんかさっぱりしてるわよね。普通プロポーズはそんなしれっと言えるものじゃないわよ?」
「ロマンチストなジェシカさんはやっぱりリュウトさんからプロポーズして欲しいですか?」
「ど、どどど、どうして私まで入るのよ!?」
「だって、ジェシカさんもリュウトさんのこと好き、ですよね?」
「そうなの?ジェシカ」
「アイリス、ち、違うわよ!そんなことあるわけないじゃない。こんな甲斐性なし」
否定しながら顔を真っ赤にさせる。
「わたしはいいよ。2人なら。リュートはみんなのもの。ついでに2人も契約を結んでもらえばいいと思う」
「ちょ、ちょ、ちょ、どうして話が勝手に」
「あーもう諦めなさい!あんたはこんなかわいい子達に惚れられたんだから真っ直ぐどんと構えればいいのよ!それとも何?こっぴどく振られたのにあの子の方が気になるの?」
「……………」
「あっ……ごめん、言い過ぎたわ」
「私はそういう一途なところも好きですよ。アイリスちゃんもジェシカさんもそうですよね?」
「うん」
「まぁ………」
3人からの突然の告白に頭の中がぐるぐるになる。
前世では何回も女の子から告白されてきた。けど、愛理さんを理由に断ってきた。
でも今は、愛理さんに振られて、その間に3人に迷惑かけた負い目もあって………
もちろん3人とも嫌いじゃないけど、好きかどうかはまだわからない。
「3人とも」
僕の言葉に耳を傾けてくれる。
「ありがとう。やっぱりまだ気持ちの整理がついてないし、その、好きかどうかもまだわかってないんだ。だからすぐには答えられないと思う。でもこれから意識してみる。それからちゃんと応えたい。それでいいか?」
「プロポーズ、楽しみにしてるね」
「まぁ私は気長に待つので。その間に愛想つかれないといいですね」
「わ、私はまだ好きとか言ってないけど?まぁリュウトがどうしてもっていうなら考えてあげなくもないかもしれないわね」
「……ありがとう。これからもよろしく頼む」
愛理さんに振られた。そして僕をこの世界に連れてきてくれた神にも、この思いを叶えてもらえることはなく、逆に諦めさせられてしまった。
友情の契約。僕にとっては呪いと言ってもいいだろう。
あれだけ好きだった気持ちが、その呪いによって抑え込まれる。
今だって気持ちは変わらない、はずだけど、前ほど執着心は無くなっていた。
「僕は、どうしたらいいんだ」
一人で悩む。目的を達成したけど失敗した。この呪いのせいで諦めるしかなくなった。
僕はこの先どうしたらいいのだろう。
もし愛理さんが別の人と……と考えるだけで頭がおかしくなりそうだ。
今のところそういうことはなさそうだったけど。
あと、呪いがあったとしても愛理さんと一緒にいたい。
この呪いのいやらしいところは愛理さんから嫌われることもなくなったということだ。
つまりお互い程よい好感度を保つことになる。
「はぁ………」
「りゅうと………ん」
いつの間にか心配してアイリスが来ていた。
顔を覗き込んでくる。
アイリスは最初出会った頃何を考えてるのか分からない不思議な子だと思ってたけど、段々感情が見えてきてる。
これまでの冒険で何度も助けられた。
「リュート、だいじょうぶ、だからわたしがついてるよ」
優しく抱きしめてくれる。
思えば僕は愛理さんのことしか考えてなくて、全然アイリスやジェシカ達に目を向けていなかった。
僕のわがままに振り回されて、申し訳ないと思う。
今度なにかしてあげよう。僕にできることならなんでもっていえばこれまでのことは許してくれると思う。
「アイリス」
「なに?」
アイリスを見ると、とても優しい笑顔を向けられる。
「今までごめん。僕のわがままに付き合ってくれてありがとう。だから今度お詫びをさせて欲しい。僕にできることならなんでもするよ」
「リュート。気づいてくれたからいいの。もういいの。なんでもするって言うなら、わたしがリュートとずっと一緒にいることを許して」
まっすぐな目でアイリスはそう言った。
「そんなことでいいのか?」
てっきりもっときついのを想像していたけど。
「それが1番目。2番目は………」
「え?それだけじゃないの?」
「とうぜん。リュートは沢山わたしを困らせた」
それも、そうか
「に、2番目は?」
「…………好き」
そっと口付けされる。
真っ白な肌を赤く染め上げ、その熱を直に感じる。
一瞬のことで何をされているのかしばらく理解できなかった。
「!?」
「2番目は、わたしと、永遠の契約をすること」
永遠の契約。婚約よりも深い関係。例えどんなことになっても、その関係が崩れることのないという、契約魔法の最上位。
「で、でもそれは僕使えない、よ」
「………あいつが使えるのあの女が」
少し不貞腐れてる顔をして、アイリスが答える。
あの女………もしかして愛理さんのこと?
「もしかして愛理さんにしてもらうの?」
「リュートがいいなら………してもらう。その契約をしたら、わたしになにしても、いいから」
今度はまた顔を赤くさせる。
「ま、待って待って、それってその、結婚して欲しいとかそういうこと?」
「…………」
静かに頷く。いやいや、さすがに早いって!
アイリスの気持ちにも初めて気づいたし、気づいたら過去の行動とかに割と大胆なことしてたなとか色々思い出したけど、さすがにこっちの気持ちはまだよくわかってない。
「い、一旦落ち着こう、というか落ち着かせてくれないか。僕にとってはいきなりだったから、その、心の整理をしたいというか」
「む〜、やっぱり人間じゃないから?」
「ん?人間じゃないとなんでダメなんだ?アイリスの気持ちは素直に嬉しいけど、さすがに失恋したばかりで色々考えたいんだ。必ず、とは約束できないかもだけど、できる限り気持ちに答えると思うから」
「あーもー!じれったいわね!はっきりしなさいよ!」
「ジェシカさん、いい所でしたのに、っと、バレちゃいましたね」
いつの間にか、というか影でジェシカとフェノアが見ていたようだ。
「見てたのか」
「もう、さっさとくっつきなさいよ!見てて鬱陶しいんだから」
「そうですよ、女の子にプロポーズさせるなんてダメですよ」
どうやら僕に味方はいないようだ。
「どーせアイリスの気持ちは嬉しいけどまだ気持ちの整理がついてないから待ってくれだとか、まだアイリスが好きかどうかわからないとかっていう理由で渋ってるんでしょ?」
「なっ!?」
完全に図星をつかれた。
「ジェシカだって、僕の立場ならこうなるって。だって結婚だよ?そう簡単に決められることじゃないと思うんだけど」
「僕にできることならなんでもするって言いましたよね?それって私達にも適用されるんですか?」
「え?あぁ、みんなに迷惑かけたから、できる限りの事はしたいと思ってる……けど」
フェノアの意味ありげな表情が怖い。
「いやぁ私も今のところ結婚できるのがあなたしかいないので申し込もうとしてたんですけど」
「はぁ!?!?」
何言ってるんだ!?冗談か?
「最初はアイリスちゃんに譲りますけどね。後がつっかえてるので早めにお願いします。私がして欲しいことはアイリスちゃんの返事を早くすることですね」
「フェノアってなんかさっぱりしてるわよね。普通プロポーズはそんなしれっと言えるものじゃないわよ?」
「ロマンチストなジェシカさんはやっぱりリュウトさんからプロポーズして欲しいですか?」
「ど、どどど、どうして私まで入るのよ!?」
「だって、ジェシカさんもリュウトさんのこと好き、ですよね?」
「そうなの?ジェシカ」
「アイリス、ち、違うわよ!そんなことあるわけないじゃない。こんな甲斐性なし」
否定しながら顔を真っ赤にさせる。
「わたしはいいよ。2人なら。リュートはみんなのもの。ついでに2人も契約を結んでもらえばいいと思う」
「ちょ、ちょ、ちょ、どうして話が勝手に」
「あーもう諦めなさい!あんたはこんなかわいい子達に惚れられたんだから真っ直ぐどんと構えればいいのよ!それとも何?こっぴどく振られたのにあの子の方が気になるの?」
「……………」
「あっ……ごめん、言い過ぎたわ」
「私はそういう一途なところも好きですよ。アイリスちゃんもジェシカさんもそうですよね?」
「うん」
「まぁ………」
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前世では何回も女の子から告白されてきた。けど、愛理さんを理由に断ってきた。
でも今は、愛理さんに振られて、その間に3人に迷惑かけた負い目もあって………
もちろん3人とも嫌いじゃないけど、好きかどうかはまだわからない。
「3人とも」
僕の言葉に耳を傾けてくれる。
「ありがとう。やっぱりまだ気持ちの整理がついてないし、その、好きかどうかもまだわかってないんだ。だからすぐには答えられないと思う。でもこれから意識してみる。それからちゃんと応えたい。それでいいか?」
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