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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

テナを迎えに

宿で休んでしっかり魔力を回復させてから、転移魔法の準備をする。
なんだかんだいって自分以外を転移させるのは初めてだ。

(ロミス様、ロミス様聞こえますか?)

(リィアちゃんどうしたの?)

(あ、あの、転移の魔法を使いたいんですけど、もう一度魔法陣の書き方を教えてくれませんか?)

(じゃあ何か書くもの用意してね。消したいなら消せるやつでいいからね)

私はロミス様の手順に従って魔法陣を書いていく。

できた!あとは私が上手く転移魔法を発動出来ればいい。

転移の魔法陣は宿の裏の方の目立たないところに書いた。一応みんなにも言ってあるから消えることはないと思う。

魔法陣の中心に魔石を置いて、テナちゃんのいた温泉の街を思い浮かべる。
お願い!成功して!

「繋がりの契約、我をかのもとへ連れて行け!転移テレポート!」

気づけば、私は本当にテナちゃんのいる街に来ていた。

良かった!成功だ!
安心と同時に酷い脱力感に襲われる。
やっぱりめちゃくちゃ魔力が必要なようだ。
マナポーションを飲みながら少し休憩する。


さて、テナちゃんはどこにいるのかな。
確かテナちゃんはここの街のギルドマスターの孫だったよね。
とりあえず冒険者ギルドに行ってみよう。

ギルドに入って受付の人の元に行く。

「あの、すみません。ギルドマスターはいますか?冒険者パーティ勝利の星達のリィアです」

「り、り、リィアさん!?あ、あの、冒険者カードを見せてもらえますか?」

「あ、はい」

「はい、はい、確認致しました。少々お待ちください!」

もっとややこしいことになるかと思ってたんだけど、意外とすんなりいったね。
受付の人私の事知ってるみたいだったけど…………あ、そっか、私達って街を火龍から救った英雄扱いになってるんだったっけ?そりゃあ反応がよそよそしくなるわけだ。

しばらくして、ギルドマスターが現れる。

「おぉ!嬢ちゃん帰って来たんか!仲間はどうしたのじゃ?」

「そんなことより今はテナちゃんに会いたいんですけど、どこにいるかわかりますか?」

「テナか、テナなら今じゃと家で寝てるか街の外で遊んでおるはずじゃ」

「あの、しばらくテナちゃんを貸してもらえませんか?」

「どういうことじゃ?」

「テナちゃんの力を借りたくて。もちろん悪用なんかしません!ど、どうですか?」

もしダメなら無理やり連れて行って後で謝ろう。

「お主らなら信用できる。テナも寂しがってるしの。たまに顔を見せてくれるならいいのじゃ」

預ける気満々じゃん!ここまで信用されてるとは思わなかった。

「ありがとうございます!」

よし!許可はもらえた。あとはテナちゃんを探すだけだ。

テナちゃんはギルマスの家か街の外にいるらしい。
ギルマスの家の場所は聞いておいたからまずはそこに行こう。


家の前で探知魔法を使う。テナちゃんがいればわかるはず。

………居ない、それじゃあ街の外かぁ。

一応一通り街の中も探してから街の外を探す。
う〜ん、人間の姿ならそんな遠くには行けないと思うんだけどなぁ。


そう思いながら、テナちゃんの居そうな場所を探す。
もしかして力を取り戻したとか?
それならドラゴンの姿になれるだろうし、探すのは大変そうだ。
確実なのはギルマスの家で待ってることだけど……出来れば早く連れていきたい。

すると、私の願いが届くように、探知魔法で強い反応を見つける。
この反応は、多分テナちゃんだろう。この辺りにこんなに強い魔物はいないし、いるとしても寝ているはずのテナちゃんのお母さんくらいだろう。

反応のある方に行くと山の麓の洞窟のような場所に着いた。
ここにテナちゃんが?

「テナちゃ〜ん!いますか?」

「…………」

「あ、いた」

少し進むと一匹のドラゴンが寝息をたてていた。

「テナちゃーん!起きてください!おーい!」

気持ちよく寝てるところ悪いけど、起きてもらわないと困る。

仕方ない、ここは必起の魔法

「浄化!!」

全力の浄化魔法。これによって全身が洗われる。

「!?!?」

テナちゃんがびっくりして飛び起きる。そして、私と目が合う。

「お久しぶりです、テナちゃん!」

私が声をかけるとテナちゃんは人間の姿になる。

「あ、あなたは!リィアさん!どうしたんですか?みんなは……」

「えっと、その辺も含めて話すね……っと、その前に服着ようか」

このままじゃ色々と危ないので服を渡してあげる。

「あぁすみません。実は最近元の力が戻ってきたんです。いやぁ、温泉に毎日入ってるおかげですかね〜。思ったよりも早く回復したんですよ!」

「そうなんだ。よかった。でも、もう街を襲っちゃダメだからね?でないとテナちゃんが今度こそ倒されちゃうかもしれないんだから」

「わかってます!おじいちゃんのいる街を襲ったりなんかしませんよ。むしろ私が守ります!」


私はテナちゃんにドルケストで起きていることを話す。
今度はテナちゃんみたいにドラゴニュートでもないから言葉の壁がある。

「なるほどなるほど」

「テナちゃん、出来そうですか?」

「はい!私に任せてください!リィアさん達の頼みなら私、なんでもできますから」

ん?今なんでもって……
いやいや、こんな小さな女の子に変なことはさせないけどね。
あれ?そういえばテナちゃんっていくつなんだろう?
人間年齢と同じ?なわけないよね?

「そういえばテナちゃんって何歳なんですか?」

「ん〜、わかんないです。自分が何歳かなんて気にしたこともなかったので」

そっか、そうだよね。ずっとドラゴンのお母さんと過ごしてきたんだし、そのお母さんも数年前に眠っちゃったんだから誕生日を祝う文化も知らなくても不思議じゃない。

「そうですよね……でも、もうひとりじゃないからね」

テナちゃんの頭を撫でる。
勝手にしんみりしちゃった。

「あ、あの!お願いがあるんですけど」

「何?テナちゃんのお願いならできるだけ聞くよ」

「また思いっきり戦いたいんです!」

「………え?」

どうやらこの子も戦闘狂のようだった。

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