話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

着いて早々騒がしい

次の日、私達はドルケストの首都にたどり着く。
そこではいっぱい煙が上っていて、カンカンと金属を叩く音があちこち聞こえる。

そして、周りにはドワーフらしき人が沢山いる。
ほんとに喋り口調がアネラさんやガーベラさんみたいだね。

「着いたのだー!」

「賑わってるわね」

「美味しいもの、あるかなぁ」

「あの立派な建物がお城でしょうか」

「さて、まずは宿をとってから街を探索していくわよ!」


宿を探しているとある建物に人だかりができていた。

「どうしたのだ?」

「あそこは………冒険者ギルドみたいね」

あ、一応ここにも冒険者ギルドはあるんだね。ほんとに世界各地にあるんだ。

「なにかあったみたいだけど、なんだろう?」

気になってみんなで人だかりのところに行くことにした。

「大変だ、大変だ!坑道の奥で地龍が現れやがったんや!」

「は?どこからそんな………大体大きさ的に坑道に入るなんてできねぇだろ、どういうこっちゃねん」

「ここ最近魔物がいなかったのはそいつのせいやったんやな。多分軒並み食われてるんや」

「坑道の中にいるやつっちゅうのはおそらく変化か地面掘ってるんやと思う。それができるっちゅうことは相当な龍やってことや」

「嘘やろ、そんなんおったら鉱石掘れへんやん」

「いやいや、それ以前にここも危ないやろ!いつ襲ってくるかもしれへんのやぞ!」

人だかりからそんなようなことが聞こえた。
なるほど、龍が現れたのか。
そのせいで魔物の姿がなかったってわけか。
探知魔法に引っかからなかったのは坑道の奥の方にいたからっぽいね。

「みんな聞いたかしら」

「うむ、この前は火龍だったが次は地龍なのだな」

地龍は昔にも出会ったことがある。
確かあれは学校でダンジョンの遠征の帰りだったかな?
あの時は本当にやばかったよ………逃げるのに必死だったし。

「いやいや、普通に考えて危ないでしょ?ドラゴンだよ?」

「ん〜でも放ってもおけないじゃないの」

「まぁとにかく、一旦おいておいて後でもうちょっと詳しい話を聞いてみましょう?」

「そうね」

「我らは何かと龍と関わりがあるのだ。かく言う我も龍の血が入っているのだが」

そういえばそうだったね。クロエさんは魔王と勇者の子供で、魔王は龍らしいからクロエさんもテナちゃんと同じく竜人って言えるのかな?
でも完全に龍の姿にはなれないよね。

「なぁほんとに地龍だったんか?」

「間違いねぇって話なんやけど、見たやつも逃げるのに必死すぎてよく見てねぇってことなんやないか?まぁどっちにしろヤバいのがいるって言うのは本当なんやろ」

「鉱山に行けないってなると、俺らの仕事がなくなっちまうな。討伐隊を組むんか、セパレティアに助けてもらうんかな」

「みんな落ち着いて聞いてや」

ギルドの中から一際髭の立派なドワーフが現れる。

「坑道にでけぇ魔物が現れやがった。てことでギルドからは緊急依頼を出すで。セパレティアへの連絡はいかせてとる、まぁとりあえずは調査依頼や。調査の進み具合によって討伐しやすくなるからな。この街に襲ってくるようなことがあれば全力で守ることになるからその準備も進めておいてくれ」

緊急依頼か。本当に緊迫してる状態なんだね。

「街について早々これなんて疲れるわね」

「ちゃっちゃと終わらせて早く観光するのだ」

「あたし達、間が悪いというか運が悪いというか………」

これでも神の使いなんだけどなぁ。いや、逆に危険なところを対処してもらうために………?
ロミス様ならありえるかもしれない。
それが使命ならまっとうするしかないね。

「まずは現れた魔物の調査ですね」

本当に地龍なのか怪しいって言ってたし、正確な情報は大事だね。

「さっさと我らで討伐すればよいのではないか?」

「無策で行くのは危ないわ。場所は私達が詳しくない坑道の中っていうし、もっと色々わかってからの方がいいわ」

「もし魔物が坑道から出てくれればやりやすいんだけどね」

「とにかく今は考えてもしょうがないですね」

私達は考えるのを諦めて宿へと向かう。

「せっかく観光気分だったけど、気がそがれちゃったわね」

「かと言って見捨てて帰るなんてこともしないからね?」

「わかってるわ」

「討伐出来たら帰れるのだ」

また厄介なことになったね。

「まずは情報収集ですね。明日ギルドに行って詳しく聞いてみましょう?」

「そうね、それがいいわね」

「ところで、ドルケストには強い冒険者はいるのだ?」

どうなんだろう?強い人がいれば私たちの出番はなくて済むんだけど。

「鍛治の国だから強い武器は持ってそう」

「アルケミストもいると聞いたのだ。ということは魔法に関しても期待できるのだ」

「武器を作るのにも扱うのにも力は必要になるわ。ということは力強いのかもしれないわね」

装備、魔法、力。どれも期待できるということは、高ランクの冒険者がいてもおかしくないってことだよね。


次の日、私達はギルドに行って、緊急依頼について詳しく聞くことにした。
最初は無理しなくていいよ〜って顔をしてたけど、ギルドカードを見せたら顔色を変えて受付嬢の人がわざわざ私達のために席を外して個別で教えてくれた。

「ごっつべっぴんさんやったからてっきり……まさかBランクの方達やったなんて。いやぁほんまにすんません、ってあぁ口調が……えっと改めまして。緊急依頼についてお話させていただきます」

「こほん、えーっとですね。緊急依頼の内容は坑道に現れた地龍と思わしき魔物の調査です。坑道の地図や案内人はこちらで用意します。出来れば詳しい人がいいんですけど、皆さんドワーフではなさそうなので、知らない、ですよね?」

「そうね、私たちはドワーフじゃないわ。坑道についてももちろん知らないわね」

「ですよね……この際坑道に詳しい人の護衛依頼でもいいです。はい。なんの魔物か、どこにいるのか、どのくらいいるのかとかがわかれば討伐隊もやりやすいと思うので」

「別に、倒してしまってもよいのだろう?」

「それが最善ですが、さすがにそれはあまりおすすめできません。最優先は情報を持ち帰ることにしてください」

「わかったわ」

「ただ、魔物の動きが変わって街を襲うようなことがあれば撃退してもらいます。それは冒険者や兵士全員一緒なのでよろしくお願いします」

「他にこの依頼を志願した人はいないんですか?」

「今のところは………地龍ということでCランク以下は危険なのでBランク以上の冒険者に頼んでいるのですがなかなか受け入れてくれなくて困ってたんです」

街が危険というのに無責任だ………とは言わない。
人間誰しも死ぬのは怖いからね。ましてや相手がなんなのかもわからない危険な依頼だ。

「あの、それで、受けてくれるんでしょうか?」

「もちろんよ。私達に任せなさい」

「コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く