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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

ドワーフの国

数日歩いて、山岳地帯に入る。
途中の町や村には行かないで、野営したおかげで予定より早く行けたね。

「このあたりからドワーフの国、ドルケストの領地よ」

「特に門番とかもいないのだな」

「まぁこんな山道進んでるだけで疲れちゃいそうですから、守る必要もなさそうですけどね」

あっさり国境を超えちゃったけど、セパレティアとドルケストの仲がいいからか、山岳地帯だからなのか、全く検問などもなかった。


「前の火山とは違ってこっちは鉱山なのだな」

前というと帝国に入る前の火龍が住んでた火山のことだね。
テナちゃん元気にしてるかなぁ。

「看板があるわね。入口は………こっちかしら?」

「門みたいなのはないのかな?」

目印みたいなのは特に見えないけど、どうなんだろ?

「まぁあの人たちについて行けばよさそうね」

私達の他にも帝国から来た人が見える。
馬車や商人、旅人と、割と人が多くなってきている。


山道を進んでいくと、いくつもの穴が見える。
自然にできた洞窟ではなく、人工的に作られている。

「坑道なのだ」

「あんなに沢山あって迷わないのかな?」

「ダンジョンよりよっぽど迷いそうね」

「魔物が住み着いたりしないのでしょうか?」

そういえば全然魔物の姿を見ないような。
空高くに飛んでる鳥は見えるけど、特に襲ってくる魔物はいない。
鉱山だからてっきりゴーレムが沢山いるのかと思ったけど、そういう訳じゃないのかな?

「ちょっと期待していたのだが、魔物の様子は今のところないのだ」

「まぁここには石ころしかないし、食べるものがなくて魔物もいないんじゃない?」

「ま、いないならいないでいいじゃない」

それもそうだね。


そうして順調に山道を進んでいくと、宿場町が見えてくる。
こんなところに、って思ったけど、ここはさっきの採掘場や周りの採掘場で働く人のための宿場町のようだ。

「首都までもうちょっとってところね」

「なぜ分かるのだ」

「もう国に入ってるってことなのよ?ドワーフの国の広さはそこまで大きくないんだし、何より人が沢山いるってことは通いやすいってことなの。つまり都まで近いって訳」

「なんでもいいから休もうよ。山道歩いて疲れたぁ」

地面がゴツゴツしてるし、道がグネグネしていたこともあって、いつもより疲れた。

「まずは宿をとりましょう」

野営も楽しいっちゃ楽しいけどそろそろぐっすり眠りたい。

「そうね。空いてるといいのだけれど……」

私達は宿屋をまわって、部屋があるかどうかを確認する。
宿場町だけあっていくつも宿はあったけど、ほとんど部屋は空いてなくて、なんとか2人部屋だけ余ってるところを見つけた。

「どうする?泊まるだけならいいと思うんだけど」

「私は構いません」

「さすがに狭いのだ」

「あたしも別に気にしないよ」

「大丈夫ですって!私とルーナちゃん身体が小さいですし、クロエさんは細いですから」

「それって私は太いってことかしら?」

「いや、あの、そういう訳ではなくて、ほら、サーティアさんは豊かな体つきってことですよ」

「我は貧相だということなのだ?」

どう転んでも詰んでる。

「むしろそこがいいんじゃないですか!人それぞれの魅力があるんですよ。私は小さくて貧相ですが、こんなにかわいいですよね?そういうことです」

「説得力はあるけどそれを本人が言うとなんか……ねぇ」

「はい!ということで決まりです!もう疲れたんです!ぐっすり寝たいんですよ」

「あーもうわかったのだ」


値段はきっちり4人分取られたけど、この際気にしない。

「本当に狭いわね」

「だから言ったのだ」

「でもほら、こうやって寝れば、2人でも寝れますよ」

「さすがにサーティアとクロエじゃひとつのベッドは無理だから分ける?」

「ならば我とルーナ、リィアとサーティアで分けるのだ」

「どうしてその分け方なの?」

「それはあれよ、リィアとクロエが無くて私とルーナはあるからよ。そうよね?」

「………まぁそういうことなのだ。我は全く、全く気にしていないがこの分け方が1番おさまりがいいのだ」

この分け方は、冒険者学校の時の分け方だね。
剣士組と魔法組。
そういえば私達の分け方ってそれぞれ特徴で分けられるよね。
私とルーナちゃん、クロエさんとサーティアさんだとロリ組と大人組
私とサーティア、ルーナちゃんとクロエさんだと剣士、魔法使い
私とクロエさん、ルーナちゃんとサーティアさんだと、胸囲の差

「あ〜でも、ルーナとリィアが、その、アレ、なのよね」

「いいよ、別に、気にしないから」

「私も大丈夫ですよ。変なことしなければ」

「変なことしそうなのはリィアの方なのだ」

「確かに」

「ちょっ、私はそんなことしませんよ」

「本当かしら〜?」

ま、まずい、みんなと決闘した時にやりすぎたのがここにきてひびいている。

「あ、明日には中心の街に着くんでしょうか?」

「あ、誤魔化した」

「そうね、私達の速さなら明日には着きそうね」

「うまいこと案内人を雇えたらよかったのだが」

初めて行くところだし、案内して欲しいけど、アネラさんは居ないし、ガーベラさんを連れてくることも出来なかったからなぁ。
他にドワーフの知り合いも居ない。

「まぁいいじゃん。あたし達だけでも楽しめるでしょ」

「迷ったら暇してそうなドワーフにお金を渡して案内してもらえばいいわ」

そっか、そうだよね。今までもそうしてきたし、あんまり深く考えなくてもいいか。

「どんなところなのか楽しみですね」

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