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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

危なかったので止めました

リィア視点
クロエさんとネフィス様の決闘が激しさを増していく。

「ねぇリィア、ネフィスさんのあの攻撃すごくなかった?」

クロエさんの魔法を防ぐので精一杯なのかと思ったらあの強力な斬撃が飛んできた時はびっくりした。
クロエさんが真っ二つになるかと思ったよ。

「すごかったですね。あの力強さは厄介ですよ」

その代わり動きは遅く、目立って魔法を使うこともない。
でも斬撃ができるってことはなにかしらの魔法が使えるということになる。
威力も高いことから魔法適性も高いのだろう。

「それに、あれだけクロエさんの魔法を受けているのにダメージを受けてる様子もありません」

「相当な防御力もあるってこと?」

「ですね、装備……は特に鎧とかもないのであの立派な剣でしょうか?」

ネフィス様は両手剣を使っている。
強化魔法を使っているのか、剣の振るのが速く、クロエさんの魔法を全て受け止めている。

しばらく攻防が続いたあと、ついに戦況が動く。

「クロエが動いた!」

魔法を撃っても全て防がれ、ジリ貧と感じたのかクロエさんが距離をつめる。

近距離戦は危険だと思うんだけど、なにか策でもあるのかな?

「あれは……」

「状態異常魔法!」

クロエさんにしては珍しい状態異常魔法。確かクロエさんが使えたのは弱体化、あとは催眠魔法のはず。

「ってあれ?不発になっちゃった!?」

でも確実に魔法は発動していたはず。どういうこと?
状態異常魔法に耐性のある魔物はいたりするけど、人間に効かないことなんて、装備も…………もしかしてあの剣のせい!?

「あの剣、なにかしらの特殊能力でもあるのでしょうか?例えば魔法を無力化するとか?」

「かもしれないね」

そういえばガーベラさんは…………はらはらしながら2人を、というかネフィス様を見守っていた

「な、なぁあれ大丈夫なん?ネフィス様になにかあったらまずいことになるで?」

確かに、普通に戦ってるけど相手は皇女だ。
逆にクロエさんが危ないことになってしまったらあの魔王が飛んでくるだろう。
そうなれば…………考えたくもない事態になってしまう。

「まぁ危なそうなら私達が止めますから」

そう思ったら不安になってきた。

「って、まずいよリィア、クロエが魔力解放した」

2人の方を見るとクロエさんは魔力解放して空を飛び、ネフィス様はクロエさんに向かって斬撃を飛ばしていた。

まずい、2人とも本気だ。

「ルーナちゃん、ど、どうしましょう」

「怖いのはクロエが切られることとネフィスさんが手に負えないほどの魔法をされること。つまり至近距離での魔法」

「じゃあ一番危ないことっていうのは」

「2人が近づいた時……だね」

その答えが出た時、ネフィス様の周りに多くの槍が現れる。
そして、クロエさん自身も槍を持って構えていた。

「ルーナちゃん!」

「あたしは間に水玉を出す、リィアは2人を受け止めるなにかを出して、最悪武器が当たらなければいいから」

え?え?どうしよう。
固いものじゃ……ダメだよね。

私は咄嗟に柔らかいものを想像する。
ゴムみたいな衝撃を吸収するものが出現した。
加減が出来なかったから大きいのが出てきちゃったけど、2人が止まってくれるならなんでもいいや。

なんとか間に合ったみたいでふたりの勢いが止まる。

よかった〜

「2人とも、そこまでです!」

「そうそう、あれじゃやりすぎになっちゃうからね」

「ありがとう、リィア、ルーナ」

サーティアさんやガーベラさんがほっとした顔をする。

「う、うう」

「いっつつつ」

「ネフィス様、しっかりしてください、あたし、心配だったんやからね!もう、あんなむちゃしぃやって」

「怪我はない?一応回復魔法はかけてあげるね」

「全く、クロエも私のためにそこまでしなくてもよかったのに」

サーティアさんがクロエさんを起きあがらせる。

「ふん!我が好きでやったことなのだ。大体、リィアとルーナが止めなければ我が………」

「何を言っている。私の方が優勢だっただろう」

「2人とも!」

「「うぅ」」

サーティアさんが2人をにらみつける。
空気が悪い時ってどうしたらいいんだ。

「はい、仲直りしなさい。私はどっちにも優劣をつける気はないわ。みんな友達じゃダメなのかしら?ネフィスもクロエも、それに他のみんなだって私にとっては大切よ」

「わ、わかったのだ。我もむきになりすぎたのだ」

「私も幼稚だった。すまない」

よかった、なんとかおさまったみたいだね。

「もう、ハラハラしたわぁ〜、あ、ネフィス様、後でちゃんと兵士達に説明してくださいね?騒ぎになりそうなので」

「っ、わかった。それにしても、私と対等に戦えるとは、クロエは相当やるようだな」

「当然なのだ。あの強さならば我らの助けなどなくとも魔物を討伐できたのではないか?」

ネフィス様との出会いは魔物の群れに襲われてるところだった。
確かに、あれだけ強かったら勝てそうなもんだけどね

「あの時は兵士たちに全力で止められていてな。この剣ではなかったのであの時の私では勝てたとしても相当な被害がでていただろう」

そうそう、あと気になるのはネフィス様の剣だよね!
なにか特別な感じがする。

「その武器はなんなのだ?魔法が効かなかったのだ」

「私も気になってたのよ。よかったら教えてくれないかしら、ネフィス」

「サーティア達が言いふらすようなことをしないと信用して教えるが、この剣はセパレティアに伝わる神器なんだ。魔力を取り込み、持ち主の意思でそれを放出することができる」

神器………
馴染みのない言葉に驚く。
つまりは神が作った武器ってこと?

「そんな大事なの勝手に使っちゃってよかったの?」

「私はこれでも皇女だからな。それに、ここ帝国では実力至上主義な部分が大きい。身分が高いほどその力も強くなくてはならない」

そうなんだね、通りでこんなに強いわけだよ。

「ということは皇帝はもっと強いということなのだ?」

「私も父上の実力は実際に見たことはないんだ。だが私がこの神器を使ったとしても勝てないだろうな」

ん?神器って言ったら神様が作った物だよね?てことは私の武器や防具も……神器ってこと?

「ふむ、まだ見ぬ強敵というものを感じるとワクワクするのだ」

「クロエもか、私も強い敵と戦ってみたかったんだ。だから今回の決闘はとても楽しかった」

ネフィス様はどうやらクロエさんと同じくバトルジャンキーのようだ。

「我も楽しかったのだ。やはりすんなり勝っても面白くはないからな。苦戦してこそなのだ」

「見てるこっちはひやひやしたわよ全く」


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