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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

私達、ずっと友達だからね

リィア視点
龍斗くんの事情はわかった。
正直とてつもなく面倒な相手に目をつけられたんだなってことがよぉ〜くわかった。
いくら顔がよくて能力があって、愛があったとしても、私はこんなにもなびかないんだなぁ。

それだけこの人のことをどうでもいいと思っているのか、それとも、ルーナちゃんのことが好きなのかな。

「あなたの事情はわかったよ。一応聞くけど、あなたはどうしたいの?」

「それはもちろん、よければ僕と一緒に、いて欲しい」

「私、身体が変わって見た目も違うけど」

「そんなの関係ない。たとえ君が醜い姿になったとしても僕は君だとわかればまた同じことを言えるよ」

「すぅ〜、はぁ〜」

正直今の言葉を聞いて嬉しかった自分もいた。
こうなったのは龍斗くんが原因だけど、実害を加えたのは周りの人間だ。
まぁ嫉妬の対象となることがわかってるのに告白したことは許せないけど………それでも私をずっと探して、ここまで好きでいてくれたことは素直に嬉しい。

ただ、私も彼のことが好きかと言われたら、答えは変わってくる。

だから私のためにも、そして彼のためにもちゃんと言ってあげないと。
私が彼を私から解放させる。
恋は盲目というけど、その通りで一種の呪いとも言える。

「ごめんなさい!私は龍斗くんと一緒にはいられない」

「っ!!!………どうして」

「あなたが私のためにどれだけ頑張ってくれたか、どれだけ私のことを考えてくれたのかはわかったよ。もし、もしも私に友達や仲間がいなかったら私はあなたと一緒にいたのかもしれない。でもね。私は大丈夫。私にはみんながいてくれるから。それに、龍斗くんにだって大切な人はいるでしょ?心のどこかでわかってたんじゃないの?私は必要ないって」

「そんなこと!そんなこと、ない………」

彼の言葉の最後の方は消えかかっていた。
きっと、私のことを考えすぎて他のことがあまり頭になかったのだろう。
彼の周りの人と私だったら本当に私の方が大切なのか。

「私にとっては仲間が大切なの。誰にも邪魔されたくないし、あなたにして欲しくない。だから、私と契約しようよ」

契約魔法は難しいが効果は強力だ。

「けい、やく?」

「私達はお互いの人生を狂わせてしまった。その事実は変えようが無い。だから、ちゃんと終わらせる必要がある。ロミス様、お願いしてもいいですか?」

「リィアちゃんはそれでいいんだね?」

「はい!私はルーナちゃんが、そして、ロミス様のことが好きですから」

「リィアちゃん………」

神を愛するというのはこういうことなのだろう。ただの信仰心だけではない、敬愛する心、そして全てを捧げても良いという気持ち。
私はルーナちゃんやロミス様に、龍斗くんは私に、そう感じているのだろう。

「ちょっと待ってくれ!僕はそんなことしたくない!君を諦められない!」

「ごめんなさい」

だからこそ、その人に拒絶される辛さはよくわかる。
私だってルーナちゃんに拒絶されたらしばらく立ち直れないよ。

「神様!契約と違うのでは?僕なら愛理を幸せにできる!」

「ごめんね少年。君との契約は別に君にリィアちゃんを渡すことじゃない。私は個人的にリィアちゃんが好きなんだよ。だから私はリィアちゃんの願いを優先したいんだ。わかって、くれるよね」

「……………」

そして、私と龍斗くんの間にある契約が結ばれた。

「これは友情の契約。リィアちゃんとリュウトくんが友達になれる契約だよ」

…………え?普通はもう二度と私と関わることを許さない契約とかそういうのじゃないの?

「どういうことですか!?ロミス様!」

「人間は強い感情を持つと止められないんだよ。少年がリィアちゃんのことを好きな気持ちは変えることは出来ない。でも、好きで色んな好きがあるでしょ?」

「つまり、友達としての関係は続くんですか?」

「リィアちゃんだって、この子のことが嫌いな訳じゃないでしょ?」

う〜ん、自分でもよくわからない。
見た時は色々込み上げてきて怒ったけど、よく考えたら恨むほど嫌いでもない。
正直にいえばどうでもいい……かな。

「僕は、愛理さんとと友達になれるんですか?」

「その通り!2人ともこの世界に来たのは私の責任だからね!せっかくだから仲良くして欲しいでしょ?でももちろんリィアちゃんにも配慮してるからね。リュウトくんはリィアちゃんに恋できなくなっているの。もちろんその逆もだよ」

「「恋ができなくなってる?」」

私と龍斗くんの声が重なる。

「そう、男女の友情は成立するの?とかって聞いた事あるでしょ?そもそもそういう感情の中で性的要素がなくなることはないの。意識的にも無意識的にも無視出来ない。だからこの契約でそれを強制的に無くしたの。つまり好きな気持ちはそのままだけど、物足りないってことが無くなるの」

理性的な関係にしかなりえなくなるってこと?
それがどういう感じなのかよくわからないんだけど。

「なにか変わった?」

「いや、僕はまだ君のことが………あれ」

「好きな気持ちは変わらない。でもリィアちゃんへの渇望はなくなったでしょ?」

友情の契約は2人の感情を一定に保つ契約みたい。
だから私は龍斗くんのことを嫌いにも恋愛的な好きにもなれない。
向こうも同じという。

「ありがとうございます」

変に優しくしたらむしろ苦しませちゃうかもしれなくて突っぱねてたけど、友情の契約が結ばれたなら仕方ない。
私は龍斗くんに手を差し出す

「はい、これ、友達の印」

「あぁ……こっちこそ、よろしく。さっきは気持ちが暴走してて、その、ごめん」

そして、謝ってくれた。

「それじゃあ、戻ろっか、あ、そうだ、みんなにはどう説明しようかな」

「そうだね。昔からの友人ってことでいいんじゃない?」

「あ〜でも、私色々口走っちゃったから」

「いいよ、昔に振った振られた関係って言っても」

龍斗くんは吹っ切れたのかさっきとは別人のようになっている。
無駄にかっこいいところが腹立つなぁ。
まぁうっかり好きになることもないから安心だね。

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