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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

え、完全にストーカーじゃん

群がる冒険者をかき分けて私と龍斗くん2人きりで話し合いをする。

「改めて、その、久しぶり。覚えててくれて嬉しいよ。愛理さん」

昔は”齋藤さん”だったのにいつの間にか名前で呼ばれるようになっている。

「やめて、今の私は齋藤愛理じゃないの。私はリィアって名前だから。それで?どういうことか説明して」

自分でも驚くくらい声が低くなっている。
そして、自然と素が出てしまっている。

「あぁ、もちろん。愛理……リィアさんが中学生になっても学校に来なかったでしょ?僕のせいなのは自覚していた。だからできるだけ君が学校に来やすい環境にしてた、授業での課題や必要なことも全部僕が君の家に届けていたんだ」

あ〜、なんかお母さんから渡されてた気がする。
全くしてなかったけど。渡される度に嫌なこと思い出して不機嫌になってたっけ?
あれは龍斗くんのせいだったのか

「………それで?」

さらに視線を鋭くして龍斗くんを見る。

「ある日、君のお母さんさんに頼まれたんだ。娘をよろしくって、僕も愛理さんがよければって答えたよ」

お母さん、それで私には何も言ってこないで花嫁修業だけさせてたってこと!?
何それ………

「結局君は中学校の3年間学校に来てくれなかったけど、僕が君を幸せにするから関係ないって思ってた。だけどある日、君はどこかへ消えてしまった」

年齢でいえば15歳の時だったっけ?あの時他のみんなは中学3年生だったんだね。

「多分、その時私が転生したんだと思う」

「僕は君のことを忘れたりしなかったけど、君の家族は君のことを不自然に覚えていなかったんだ。いや、覚えてはいたけど、まるで操作されてるみたいに君のことについて話してくれなかったんだ」

私がいなくなったあとのことなんて考えたことなかった。
お母さん達には少し心配されてると思ったけど不自然な態度ってどういうこと?
もしかしてロミス様が?

「それで、あなたはどうやってここに来れたの?」

そこが一番気になるところだ。

「あぁ、僕は頼み込んで君の部屋を調べさせてもらったんだ」

言ってることがやばいでしょ、仮にも女の子の部屋を勝手にあさるなんて………

私がドン引きしてても龍斗くんは話を続ける。

「そして僕は君がやっていたであろうゲームを見つけた。つけっぱなしだったから試しにやってみたんだ。そしたら………おかしなことが起きた」

もはや引きすぎて呆れてるよ。
ま、まぁ龍斗くんは私のことがずっと好きで、その私が消えて心配だったのはわかるけど、ちょっとも戸惑わないのはどうかと思う。

「はぁ………それで、ゲームをしたらこっちの世界に来れたってこと?」

「行けなかった。でも君のゲームはおかしくなってて、恐らくこれが原因だと思ったよ」

よく行方不明とゲームを結びつけたね。

「私はどこに行ったと思ったの?」

「ゲームすら壊れて、生きがいを失って自ら命を………もしくは何者かに連れ去られた、あとはゲームの世界に行ってしまったとも思ったね。正直最後のは分からなすぎて適当に思いついたけど」

私が同じ状況でもどうしてかわからないと思う。

「それで、とりあえずこのゲームを作ってるところに行ったんだ。そして………」

「私に出会ったんだよね」

私の中から妖精……ロミス様が飛び出して来る。

「ロミス様と会った?どういうことですか?」

現世、つまり日本での話だよね?
どうしてそこにロミス様が?

「え?あの時の人?どうして愛理さんから?」

「いやぁその、えっと、これには深い事情があるんだよ」

「なんですか?」

「…………ここからは私が話すね。そもそもリィアちゃんがやっていたゲームは私が作ったものなんだよ。そのゲームを使って人の信仰を集めて、私は向こうの世界でも活動できたの」

神様の事情はよくわからないけど、神は信仰心を集めなくてはならないのかな?

「それで、お気に入りの子、リィアちゃんを見つけた。この子は私のことを純粋に、そして真剣に思ってくれるってわかったの。だから私は契約魔法を使ってここの世界に飛ばしてあげた。けどもちろんそんなことはただでできるわけじゃなかったんだよ」

勝手に人を自分の世界に引き込むなんてことが自由にできてしまったら大変だろうね。

「神隠しも色んな種類があるんだけど、リィアちゃんの場合は精神、魂の部分だけここの世界に来させたの。だから身体は今も向こうの世界にあるんだよ」

「え!?そうだったんですか?もしかして日本に帰れたりするんですか!?」

「帰れなくはないね。と、話がそれたけど、その後この子が私の元を訪ねてきたの。あなたが消えたことを私に訴えて来たんだよ。一応リィアちゃんと少しでも関わった人間の記憶は自然になるようにいじっていたんだけど、彼の君への愛ゆえなんだろうね」

「あ、あぁ、僕はずっと、ずっと君のことが………」

「もしかしてその愛とやらのために彼をこっちに?」

まさかロミス様が協力してただなんて。

「あ、あはは………これでも神様だからお願いされたら叶えたくなっちゃうというか、リィアちゃんのことが好きならいいかなぁなんて……」

「はぁ…………まぁ今何言ったってどうしようもないのでいいです。てことは龍斗くんもロミス様の使い、私と同じってことですか?」

「それはちょっと違うんだよね。彼は本当にこっちの世界に来たんだよ」

え!?

「そう!僕は君のいない世界なんかには興味なかったから。たとえ死んだとしたとしても君に会いたかったんだよ!」

どうやって?とかを神様に聞いても私には理解できないだろう。

分かるのはこの人は私を追いかけるために命をかけて、神と契約して追いかけてきたということだ。

え、完全にストーカーじゃん!

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