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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

いるはずのない人

次の日、今日は冒険者ギルドに報告する以外の予定がないのでいつもより沢山惰眠をむさぼってしまった。

「んぁ〜、ぉはよ〜ございますぅ〜」

「おはようリィア、ふふっ、ぐっすり寝てたわね」

剣の手入れをしてるサーティアさんが挨拶し返してくれる。

魔法使い組はまだ寝てるみたいだ。

「あれ、サーティアさんは新しい剣を買ってましたよね?」

「特注だからまだ届いてないのよ。だから少なくともそれができるまでは帝都にいるつもりだけどいいかしら?」

「それはもちろんいいんですけど、その剣はいらなくなるのにどうして手入れをって思ったんです」

もちろん物を大事にすることはいいことだけど、もうすぐいらなくなるならいいんじゃないかな。

「それもそうなんだけどね、それなりに愛着もあるのよ。よかったらでいいんだけど、新しいのが手に入っても捨てたくはないの。出来れば、その、取っておいて欲しいんだけど」

まるで子供がおねだりするようにサーティアさんが頼んでくる。

「最近のサーティアさんめちゃくちゃかわいくないですか!?そんなこと言われたら断れませんよ!」

「んぅ〜ぁ、りぃあ、おはよ〜」

ついつい大きな声が出てしまってたみたいで、ルーナちゃんが起きてしまった。

「あ、すみません、起こしちゃいましたね。おはようございます、ルーナちゃん」

「うん、今何時〜?ふわぁぁ〜、なんかすっごく寝てた気がするんだけど」

「もうお昼前よ、まったく、予定がないからってだらしないわよ?」

「あ〜、でも、1回は起きたんだよ?二度寝が気持ちよすぎただけで………」

わかる、わかるよルーナちゃん。2度寝は最高だよね。

「クロエも起こしてなにか食べに行ったら?」

サーティアさんはいつも通り起きてもう朝ごはんを食べているみたいだ。

「そうですね」

「うっ、おなかすいてる」

2度寝は気持ちいいけど、朝ごはん食べてないから起きたときすごいおなかすくんだよね。

私は浄化魔法でクロエさんも起こしてみんなで着替える。

「昨日は疲れたからいつもよりぐっすり寝たよ。ふわぁ〜」

クロエさんはまだ寝ぼけてて口調が素になっている。


昨日買った物を出して、3人で食べる。
わざわざ買いに行くのが面倒だから今日はいいや。

「昨日も食べたが、やはり美味しいのだ!」

「ん〜、飽きない美味しさ!」

「時間停止様々ですね、出来たてほやほやですし!」

「なんだかずるいわ!目の前で食べられたら欲しくなるじゃないの」

わざわざ部屋から出るのもなんだかなぁお思ったのでそのまま部屋で食べたら、サーティアさんに怒られてしまった。

「ごめんなさい、あの、食べますか?」

「…………食べる」

「食べたら早速ギルドに報告に行くのだ!」

「あ、そうそう、ネフィスが依頼とは別の報酬を用意してるらしいのよ。数日かかるって言ってたけど、その時がきたらガーベラがまた迎えに来るらしいわ」

あ〜、なんかミルフィさん達を助けたことを思い出すね。

「貴族相手はちょっと緊張するなぁ」

ルーナちゃんはやっぱり貴族の相手は少し苦手みたい。


サーティアさんも食べ終わって、みんなでギルドに向かう。
今日はいつもの服装だから昨日よりは不自然じゃない。

「それにしても賑やかだね」

「ついでだからまた依頼でも………」

「ネフィスのお礼があるでしょ?せめてそれをもらうまでは次の依頼は受けないわよ?」

「わ、わかったのだ」

いつも通りの3人を横目に、私はギルドの中を見る。
そして、無意識のうちに、ある人達を見てしまった。
それは単なる偶然か、それとも必然だったのか、私はふと目に止まった人を見た瞬間嫌な記憶が蘇った。

”ひどいよ、わたし、信じてたのに、もういい、話しかけないで”

かつて友達だった人の一言………

そして、偶然であることを否定するように会話が聞こえてきた。

「ねぇリュウト、次はどの依頼にする?」

嘘……

「フェノアが帰ってくるまで次の依頼は無しだよ。ジェシカ」

嘘だ

「リュート」

あるはずがない

「ん?どうしたアイリス」

そんなはずない

「んっ!」

「あ〜、はい、撫でてやるから僕の腕を引っ張らないの」

「はぁ〜、見せつけられる私の身にもなってよね!」

「ん?なんか言ったか?」

「なんでもない!もしアイリって人がこんなところ見たら悲しむだろうなって思っただけよ」

だって、私はこの世界に転生したんだよ!?

「いや、だってアイリスは………」

「どうして、どうしてあなたがここにいるんですか!!!龍斗くん」

気がつけば私はルーナちゃん達を置いて、話していた3人の方に行っていた。

私の大声で周りの冒険者も私達に注目する。

「はぁ〜、今度はなに?こんな小さい子にまで手を出したわけ?」

「ち、違う!僕はこんな子知らないよ」

「…………誰」

「い、痛い、痛いよアイリス、ほんとに知らないんだって」

「忘れたとは言わせない!あなたのせいで私は、私の人生が狂ったんだから!あなたが私に好きって言わなければ!」

裕香ちゃんに嫌われることも、周りからいじめられることもなかったんだ。

「!?リュート!どういうこと!」

「うわ、小さい子が好みだったの?しかも忘れるなんて最低ね」

「違うんだ!本当に知らないんだよ!」

頭に血が登っていて気が付かなかったけど、どうして彼が私に気づかないのかわかった。
私の姿が前世と違うからだ。

「齋藤愛理、私の名前は、齋藤愛理。これを聞いたら思い出してくれるでしょ?」

「!?!?」

私が龍斗くんに思い出してもらったところで、ルーナちゃん達が私のもとに来る。

「リィア?こんなところでどうしたの?」

「む、こやつらは?」

「リィアの知り合いかしら?」


「…………やっと、やっと会えた、無事でよかった。本当に」

そう言って龍斗くんが私を抱きしめようとしてきたのでひらりと避けてはったおす。

「触らないで!」

「リュート!この!」

すると、アイリスと呼ばれていた女の子が私に武器を出して襲いかかってくる。

私も剣を抜いて応戦する

「ちょっとちょっと!アイリス、やめなさいよ!」

「リィア!何があったのか知らないけどやめなさい!」

お互いに止められる。無理に動こうとすれば振り解けるけど、向こうが止まってくれるなら私も動く理由はない。

「だって!リュートが!」

「最初に仕掛けて来たのはそっちですからね」

「………!!」

アイリスが殺気を飛ばしてくる。

「いっつつ、愛理さん容赦ない……いや、いきなり抱きつこうとした僕が悪かった」

いつの間にか目を覚ました龍斗くんが謝ってくる。

「………はぁ、色々聞きたいことがあるんだけど、ここじゃあれだから2人で話さない?」

さっきは自分でも抑えられないほど感情に縛られちゃったけど、今の状況がよくないことはわかる。

「リュート!ダメ!この女は危ない」

「リィア、ちゃんと説明、してくれるよね?」

「アイリス。この人だよ。この人こそ僕が探し求めていた人なんだ!」

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