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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

帝都案内(紹介編)

ということでみんなでオシャレして出かけることになった。

「なんで我もこんな格好を、というかいつの間にこんな服買っていたのだ!?」

「あはは〜、この前見つけてつい、クロエさんに似合うと思ったので買っちゃいました」

この世界にもあるのか〜と思って衝動買いした服だ。上は薄ピンクでフリル多めで、下のスカートは黒く先の方が少し透けている。そして靴下は膝下までの長さで、黒。
靴は元から持っているので似合っていた。

極めつけはツーサイドアップにした髪型と、真っ黒で大きいリボン。

いわゆる地雷系と言うやつだ。クロエさんは 似合うと思ってたんだよね〜、私がやると人形感がすごいし、ルーナちゃんはツインテールには出来ないからこのかわいさはクロエさんにしかできない。

髪の色も真紅だから黒と良く似合っている。

「悔しいけどかわいいねクロエ」

「そうね、あ、その格好なら翼や尻尾があっても違和感ないんじゃないかしら?小悪魔っていうの?こんな感じあるし」

「かわいいっていうなぁ!それに、からかうなぁ〜!」

嫌そうにしてる割には表情は緩やかになっている。満更でもなさそうだね。かわいい。

「メイド服も好きだからこういうのも似合うと思ってたんですよね」


クロエさんを褒めまくっていたら宿の前で話しかけられる。

「もし、そこの人、勝利の星達っちゅう冒険者知らん?女の子4人でサーティアっちゅう子がいるはずなんやけど」

「それは私たちのことよ。もしかしてネフィスの使いかしら?」

「ええ!?どえらいべっぴんさん達やなぁ。せや、あたしがネフィス様に仕えとるガーベラや。この帝都の案内は任しとき!」

特徴的な喋り方の人はガーベラさんという。年齢はわからないけど身長が低めでかわいらしい人だ。

「もしかしてドワーフなのだ?アネラと同じ喋り方なのだ」

確かに!言われてみればアネラさんと同じだ。確かアネラさんはドワーフなんだったっけ?

「そうなんよ、あ、言っとくけどドワーフだからってすごい酒に強いとか鍛冶屋仕事ができるってわけじゃないんやで?まぁエルフの嬢ちゃんもこの気持ち分かるやろ?」

確かに、そういうイメージはあるけど実際は人それぞれだもんね。

「わかるわ、エルフだからって弓矢を期待されたり、偏屈な性格だって思われたりするのよ」

「種族の偏見はどれもあるのだな」

「お、そこのかわいらしい嬢ちゃんもわかってくれるんか!」

「か、かわいいっていうなぁ!」

「なんや照れとるんか?かわええなぁ」

「あ、あはは………すごいですね」

ドワーフの人はみんなテンションが高いのかもしれないね、、


「っと、そうやった、案内やったな、この帝都は広いで?一日じゃ回りきれへんと思うけど」

「それじゃあオススメから聞こうかしら?」

「あ、美味しい料理とかあったらお願い!」

「我はあの大きな建物が気になるのだ!」

それぞれガーベラさんに要望を言う。
私としてはサーティアさんと同じくオススメを聞きたいかな。

「ふむふむ。わかった、まずはあの建物やな。あれはコロシアムっちゅう闘技場や。人や魔物を戦わせて賭け事をする場所なんよ」

確かアドレントにも同じような施設があったね。

「ここにもあるのだな。規模はあっちの方がありそうなのだ」

私達からしたらここの闘技場もすごいけど、向こうの闘技場ほどではないね。

「実は魔国の真似をして作ったらしいで、だから建ってからそんなに時間がない新しい観光名所なんや。んで、定期的にイベントをやって知名度を伸ばしてる最中なんよ」

長年の歴史ってわけじゃないんだ!

「面白そうね」

「今はなんかやってないの?」

「残念ながらちょうどこの前トーナメントのイベントがあったばっかりで、大きなイベントはやってないんや。あ、でも定期試合はあるから見に行っても大丈夫やで。それじゃあ後で行ってみようか」

方針が決まったということで、私達は歩き出す。
そして、ガーベラさんによるガイドが始まった。

「あれが帝国自慢の技術力の結晶やな」

ガーベラさんの指さす方を見てみると大きな機械?みたいなのがあった。

「あれはなんなのだ!?」

「あれは昇降機って言って、人を乗せて一瞬でばぁーーーって上まで登れるんや。それと、あれ!」

次は道の端の方にある街灯?かな?

「あれは暗くなると勝手に明るくなるんや」

まさか電力?と思ったけど、話を聞く限りそうではなさそう。

「ほう、魔力で動くみたいなのだ!」

「よく分かるわね」

クロエさんが街灯のひとつに手を当てて答える。

確かに、魔力を探知してみると中に魔力が流れていることがわかる。
大きな魔道具ってことみたい。

見る限りだとこの帝都はものすごく技術が発展してるみたい。

「ちなみに街に入る時の犯罪者かどうかわかる石あるやろ?あれも我が国セパレティア帝国が発祥なんやで」

「それはすごいわね!」

大きな街に入る時に必ず触れさせられる謎の石(指名手配とかがわかるらしい)はこの国が発祥の地なんだね。
どういう仕組みなのかわからないけどすごい。

「これほどの技術力があるのはやはりドワーフの力なのか?」

「もちろんそれもあるけど、ドワーフ達だけやったら無理やと思うな。あたしらは研究とか仕事っちゅうもんが好きなんやと思う。でも仕事を与えられないとできるもんもできないやろ?そういうのをうまいことこのセパレティア帝国はやってるんや」

つまり言い方は少し悪いけど、とてもいい道具があっても使う方がも能力がないと完全にその道具の力を引き出せないってこと?

「ドワーフと比べてエルフは鎖国してたから衰退していったのね………今はアドレントと同盟を組んでどんどん発展してはいるけど、ここと比べると随分遅れているわ」

「確かにここ最近はエルフも増えてきたなぁ、あたしはまだハーフと純血の見分けがつかんけど、どっちかは結構見たりするで」

エルフの人口増加とともに増えたのが他種族とのハーフ。
当時はセーハさんの花粉から作れる薬はエルフが管理してたから特別エルフ族のハーフは他の種族と比べて多いみたい。
人、ドワーフだけじゃなくて魔物や魔族、獣人、一言にハーフエルフと言っても様々だという。

こういう話をしていたからなのか、たまたま道行く男女が目に入る。

片方は人間の男、もう片方はエルフの女の子のようだった。
そして、エルフの方には首輪が付けられていた。

「………あはは、まぁここじゃ奴隷は珍しくはないんよ、権力で奴隷落ちとかそういうのはないんやけど、中にはきな臭い奴隷商もおってなぁ」

やっぱりそういうのもあるんだね。

「可哀想……」

「そういう子もいるかもしれへんけど、全員がそういう訳でもないんやで、ほら」

ガーベラさんはさっき私達が見ていた2人組に視線を向ける。

女の子が嬉しそうに男の腕に抱きついていた。
まるで2人は恋人同士のようだ。

「………そうみたいだね」

奴隷といってもちゃんと主人はお世話をしなくちゃいけないし、奴隷から解放することもできるみたい。
あと、基本的に酷い扱いなのは犯罪をしたものだったり、元々違法に奴隷にされた人だけらしい。
そういうのを見つけたら調査してるとの事。

奴隷なんて前世じゃ考えられなかったから実感がないけど、私はどう思ってるんだろう。
ルーナちゃんみたいに可哀想だとは思うけど、でも奴隷になるにはそれなりに理由があるみたいだし………う〜ん、よくわかんないや。

「まぁこんな暗い話はおいといて、次は面白い魔道具を紹介するで!それからドワーフが誇る装備屋にも寄っていく予定や」

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