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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

実力を示せばいいんですね?

クロエさんと一緒に依頼を選んでいたら知らない人に紙を取られてしまった。

「お嬢さん2人じゃとても無理な依頼なんじゃないかな?」

あ〜、まぁ、親切心で言ってくれてるんだと思うけど、私達にとっては余計なお世話としかいいようがない。

「我らなら何も問題ないさっさと依頼を返すのだ」

クロエさんが手を伸ばすがひらりとかわされてしまう。

「身の丈に合ってない冒険者を止めるのが先輩の務めだろう?大方Dランクが目に入って取ったのだろうが、これは危険な依頼だ。やめておいた方がいい。どうだろう、このBランクである私と一緒に依頼を受けるのは」

上から目線での忠告は煽りにも聞こえる。
それに舐めまわすような視線が気持ち悪い。

「は?我らはBランクなのだ。それに、こんなのに負けるほど弱くない」

「Bランク?嘘はいけないなぁ。小さい子の前で見栄張っちゃったのかな?」

そろそろ鬱陶しくなってきたので私は無表情のままクロエさんと冒険者の間に入る。

「実力を示せばいいんですね?」

私は冒険者から紙を奪い取る。
クロエさんの時と違って避けられもしなかった。

「は?え?紙が勝手に!?」

魔法で視覚を妨害すれば簡単に取れる。
ってもしかしなくてもこの人弱い?

「行きましょう?クロエさん」

ああいうのはほっとくのが一番だ。
私はクロエさんの手を引いてサーティアさん達のところに向かう。

「ちょっ!ちょっと待ちたまえ」

「あぁもうしつこいのだ!」

クロエさんが我慢できなくなって魔法を撃つ前に止めないと。

「ダメですよクロエさん。ここは穏便にしましょう?私にいい考えがあるんです」

私はクロエさんに作戦を教える。

コミュ障だけどムカついてるし、なんだかいけそうな気がしてきた!!
というかコミュ障でもそうじゃなくても変な人に絡まれたら逃げるのが一番だからあんまり関係ないか。


「うぅ……ふぇぇえぇえん!」

私が突然泣き崩れる。もちろん演技だ。
そうすると周りの冒険者の視線がが私達に集まる。
元から様子を見てた冒険者は立ち上がって絡んできた冒険者を睨む。

「ち、ちがっ」

「よしよし、この子は極度の人見知りなのだ。親切心は感謝するが我らには必要ないのだ」

「あ、あぁわかったよ」

ということで見事撃退した。クロエさんもぎこちないものの上手く言ってくれた。
向こうは下心半分親切心半分な感じだったからこれでいいだろう。

「クロエ、リィア、なにがあったのよ」

「なんか騒ぎになってたっぽかったけど」

依頼完了の報告が終わったサーティアさんとルーナちゃんの2人が駆け寄ってきた。

「変なやつに絡まれてたのだ」

「でももう追い払ったので大丈夫ですよ」

「それよりこれを見るのだ!」

クロエさんは2人に依頼の紙を見せる。

「いい依頼が見つかったの?」

「調査、討伐依頼………ふーん、いいんじゃない?受けるならもう一回並ばないといけないわね」

「今度は私とクロエさんで並ぶのでルーナちゃんとサーティアさんは自由にしてていいですよ」

「別にいいよ、他にすることもないし」

「それに、全員でいた方がいいわ」

ということで今度はみんなで並ぶことにする。
そして、絡まれることなく私達の番になる。

「この依頼を受けたいんだけど」

「はい、えっと、ギルドカードをお願いします」

「はい、全員分ですね………えっ!Bランク!?それにAランクも!?ということは討伐ですか?」

私達の見た目から低ランクだと思ったのだろう。受付の人は驚いている。

「そうね、できそうだったら討伐するわ」

「ちょっと待った!」

横からさっきの冒険者、と、その仲間らしき人が来る。

「君達だけじゃ不安だ」

「また我らの邪魔をするのか!」

私はクロエさんの後ろに隠れる。さっきのが嘘泣きだってバレたら面倒だし、クロエさんが暴れないように抑えられる。

「あなた方は………」

「僕達はBランクの冒険者だ」

「そう、それがどうしたのかしら、私達にはこの依頼を受ける資格はあるわ。他人に止められる権利もないのだけれど?」

「あたし達を信頼しようとしないと関係ないけど、邪魔するなら容赦しないよ」

クロエさん、サーティアさん、ルーナちゃんが殺気をとばす。
見た目だけで出来ないと決めつけられる、私達が弱く見えるのは別に不思議なことじゃないけど、実際に言われるとムカつくよ。

「ほら、やめとけって言っただろ?」

「ほんとにすぐ首突っ込むんだから。ごめんなさい」

絡んできた冒険者の仲間はその気はないようだ。

「合同で受けることは………」

諦めが悪い、というかしつこい。

「そのつもりはないわ。この依頼は私達だけが受けるの」

そしてサーティアさんがばっさり切り捨てる。

「あの、他の冒険者さんの邪魔になりますのでお帰りください。用があるなら並んでください」

受付の人にも言われ、冒険者達にも睨まれ、絡んできた冒険者はとぼとぼ帰っていた。

「あれで諦めるわけがないのだ」

「多分ついてきそうね………」

「おせっかいもここまで来ると鬱陶しいね」

「私ああいうの苦手です。依頼もさっさと終わらせましょう?」

さっさと終わらせて力を示すことにしよう。

「帝都に来たばっかりだけど、すぐに終わらせるなら明日やる?場所は私達ならそこまで遠くはないわ」

「もう少し帝都をまわってからでもいいんじゃない?ほら、装備とか服とかここなら色々あると思うし」

帝都ということで装備や道具、食料も沢山色んなのが売っているはずだ。

「それもいいが、討伐なら被害がある前にした方がいいのだ」

「それじゃあ明日、午前中に道具を買って午後から依頼に行く。それがが終わったら装備とか色んなところをじっくり回るのはどうかしら」

サーティアさんが間の案を出す。
みんな不安はないようで、その案に決まった。

「スコーピオンなぞ我らにとっては雑魚なのだ」

「かと言って油断はダメですからね?」

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