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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

4人で決闘

次の日、準備のできた私たちは街の外に出る。

「この辺りなら広々できるのだ」

一応街からは結構離れて、できるだけ人も魔物も居ない場所でする。
近づいてきた魔物に邪魔されないように戦わない2人が対処する。

「腕がなるのだ」

「あたしも気合い十分だよ!」

クロエさんとルーナちゃんが距離をとって互いに向き合う。

服が溶けてもいいようにちゃんと着替えとか換えの装備は持ってきている。
もしなにかがあっても平気だろう。

「私が合図するわね。準備はいいかしら………………始め!」

サーティアさんの合図と同時に2人の魔法が展開される。

「デビルズスピア!はぁあああ!!」

クロエさんは槍を具現化させて近接で戦うつもりのようだ。

「スティッキーリクイド!」

ルーナちゃんはクロエさんの周りに沢山の水溜まりを作る。

「な、なんなのだこれは、う、動けない」

ただの水じゃないみたい。のりみたいにベトベトしてる?
とにかくクロエさんの動きが極端に低くなっている。

「接近戦を対策してないわけないじゃん。大人しく魔法攻撃にしておけばよかったのにね。これでおしまいだよ、アシッドバレット!!」

ルーナちゃんは初めて見せる魔法でクロエさんに不意打ちしたみたいだ。

「ぐぬぬ、だが!我にはまだ!生成!」

クロエさんは自分の足元の地面を盛り上がらせて大きく飛び上がる。

「なっ!?」

「終わりなのはルーナの方だったようだな」

そのまま勢いで上からルーナちゃんに近づいて槍を構える。

「でも、今度は避けられないよね!アシッドバレット!!」

「くっ!こざかしい」

空中で避けられないクロエさんは槍で魔法を防ぐ。

やむなく攻撃を諦めると、ルーナちゃんに距離を取られる。

それからしばらく、魔法攻撃の撃ち合いが始まった。
どっちも一歩も譲らない。威力も魔法の撃つ早さも同じだった。

「す、すごいわね」

「ですね」

傍から見てる私とサーティアさんにとっては綺麗というか圧巻というか、とにかくすごかった。


「………んっ、はぁ、はぁなかなか、やるのだ」

「………はぁ、はぁ……クロエもね」

お互い魔力が尽きてきたようだ。
それでも、魔法の撃ち合いが終わることはなかった。

「はあぁああ!ダークブラスト!!」

「………ハイドロブラスト!!」

最後の力を振り絞って、お互いに魔法が放たれる。

ばたり、ばたり………

結局は2人とも倒れてしまった。

「ま、まだ我は降参してないのだ……」

「あ、あたしだって……」

「そこまでよ、もう2人とも限界でしょ?今回も引き分けよ」

「ぐぬぬ」

「うぬぬ」

まだ諦めてない2人をサーティアさんがなだめて戦いが終わる。

「まさか接近戦が封じられるとは思わなかったのだ」

「クロエのため、じゃないけどあたしが敵に近づかれたら危ないでしょ?だからリィアを真似てどうにか相手の動きを封じれないか考えてたの。それで馬車で移動してる時とかに外にいるスライムを見て思いついたんだ〜。ベトベトしたのに引っかかったら動けなくなるって」

「でも、私にはもう手の内がバレてるわよ」

「それでも一日二日で対策できるようなものじゃないと思うけど?」

サーティアさんの言葉にルーナちゃんは挑戦的な目を向ける。

「そうね、受けて立つわ」

「次は誰が戦うのだ?」

「連戦はさすがに疲れると思うので私とサーティアさんでどうでしょうか?」

「そうね」

クロエさんとルーナちゃんの2人にマナポーションを渡す。

「これ飲んでゆっくり休んでください」

「ありがと」

「それじゃあ我が合図するのだ。用意はいいか?」

私はサーティアさんと向き合って剣を構える。
サーティアさんも同じように剣を構える。

「いつもの練習とは違うところを見せてあげるわ」

私とサーティアさんでよく剣の打ち合いをしている。
なのでお互いの癖とかは分かりあってる。
いつもは勝敗が着く前に終わるけど、今回は違う。

まぁ私にはとっておきの作戦があるんだけどね。

この前サーティアさんが捕まった時は違う意味で大変な目にあってると思ったけど怪我だけで、他は大丈夫だった。
それ以外にもオークやゴブリンの討伐依頼なんかでも何事もなかった。
いや、普通あっちゃいけないんたけど、私はどうしてもアレがみたい。

そう、エルフの女剣士といえば敵に為す術なくやられて「くっ、殺せ」という場面が似合う。
私はサーティアさんにそれをやって欲しい。
でも私に殺せなんて言わないだろうから今回は降参させるのが目的だ。

そして最後に………ぐへへな展開が………それはルーナちゃんを負かした時にとっておこう。

「始め!!」

私が妄想してたらいつの間にか開始の合図がされていた。
危ない危ない。
私は強化魔法をかけていつもより重い剣を振るう。

「はぁああ!!」

「やぁああ!!」

サーティアさんがまっすぐこっちに向かって来る。
私もそれに応える。
サーティアさんにとってはいつもの重さ、私にとっては慣れない重さ。
これ思ったよりきついぞ!?

いつもの剣なら無理な体勢からも素早く動けるからよかったけど、今回はそうもいかない。

このままじゃ体格とかリーチの差で不利………
もちろんサーティアさんもそれをわかっているので絶妙な距離感を保ってくる。

私は一旦距離をとる。このまま剣で戦っても不利だ。

「魔法は撃たせないわよ」

私が距離をとるとサーティアさんは一気に距離を詰めてくる。
だけど、私の魔法の方が早い。

「浄化!!」

「んぁあん」

全くの想定外なことだったのかサーティアさんの動きが止まる。
私はその隙にサーティアさんの剣を強く弾く。
力の抜けたサーティアさんの手から剣が離れる。

「もうおしまいですね、サーティアさん………ぐへへ」

「な、何をするつもりなのよ………うぁ!」

私は容赦なくサーティアさんの装備を破る。
剣に刃がなくともこれくらいはできる。

「くっ…………」

「降参しないんですか?」

「まだ私は………うわあ!!」

私は魔法でサーティアさんを拘束する。
そして………

「降参するまで、これですからね!」

そして、破ったところから手を入れて直接サーティアさんをくすぐる。

「ひゃぁあ!ははははぁ……ちょっ!?リィア、待って!」

身体をくねらせながら逃れようとしてるけど、逃れられない。

「待ちません。えりゃあ!」

「あはははは!ま、待って、リィアはははは!ちょっ無理」

サーティアさん柔らかいと思ってたけど意外と筋肉がしっかりしてる。
とはいえ柔らかいところはちゃんと柔らかい。

「降参するまでやめません。私に屈する気になりましたか?」

私は一旦手を止める。

「はぁ………はぁ………そんな、ことで、私は屈しないわよ」

「そうですか……では」

私はまた再開する。

「あぁ!待って!あははははは!わ、わかった降参、こうさんするからゆるして」

「それじゃあ私の勝ちですね」

ふぅ〜、気持ちよかったあ。

「えげつないのだ」

「リィア最低」

「なんとでも言ってください。勝ちは勝ちですから」

結局勝てばよかろうなのですよ。

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