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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

いざ帝国へ


結局村人のほとんどは無事で、冒険者も無事だった。

村で一泊した後また出発して数日後、次の街に到着する。

ア「まずはギルドに報告やな」

サ「そうね」

他の冒険者もすると思うけど、私達が一番情報を持ってるから。ちゃんと報告しないとね。

でも、魔族のせいだって言って魔王のせいにされるかもしれない。

ク「我が報告する。それでよいか?」

サ「いいわよ」

うぬぬ、転移魔法でアドレントに行って直接エミリーさんに言いたいけど、魔力がなくなっちゃうし、アネラさん達にも説明するのが少し怖い。
できるだけ早く知らせたいけど、もし本当にエミリーさんの仕業だった時がまずい。
一度全力で戦ったこともあっていくらクロエさんのお母さんだからって完全に信用しきれないんだよね。

ル「クロエに任せちゃってよかったの?」

サ「その方が偏見が少ないわ。でも、なにかあったらクロエを連れて逃げるわよ」

クロエさんが魔族だからってだけで捕まえようとするなら逃げるってことだね。
さすがに冒険者ギルドは国同士の争い事には中立だからそんな偏見で動いたりはしないと思うけど。

しばらくして、クロエさんが戻ってくる。

エ「どうだったの?」

ク「魔物の大量発生の時は高ランク冒険者をあてがうということになったのだ。もちろん魔族だろうが人間だろうが関係ないって言われたのだ」

イ「よかったです!」

この街の人がいい人でよかった。


オ「そういえばまだ帝国には着かないの?」

イ「もうすぐですよ」

もうすぐ帝国に着くんだね。
思えばダンジョンだったり火竜だったり、契約魔法に魔物の大量発生………色んなことがあったね。

エ「いつもの観光名所はないのかしら?」

イ「あまりないですね、帝国近くは村はありますけど、街はないんです。大きな街はここが最後になります。遠回りすれば一応なくはないですけど」

サ「どうする?」

うーん、観光名所も気になるけど、そろそろ帝国に行ってみたいよね。

ク「我はこのまま帝国に行きたいのだ!」

ル「あたしはリィアと一緒ならどこでも」

リ「アネラさん達と別れるのは少し寂しくなりますけど、私も帝国に行きたいです!」

ア「せやな、これが一生の別れでもないんやし!またどこかで会うやろ。ウチはそう思う」

エ「そうね」


ということで私達はこのまま帝国に行くことに決めた。
いざとなったら転移魔法もあることだからね!
なんとかなるよきっと!

ク「帝国にはどんなことが待っているのか楽しみなのだ!!」


…………………………………………

エミリー視点

「魔王様、クロエの監視をしていたらこんなものが………」

ルーミーが慌てた様子でわらわに報告してくる。

「な!?どういうことじゃ!?」

ルーミーの話を聞くと、魔族が魔物を操って人間を襲ったということ。
これではまるで昔わらわ達魔族が言われたことではないか!

「まだ詳しいことは何も」

「まだまだわらわに賛同しない魔族もいるのじゃ、昔の争いで人間をよく思わない魔族もいる。課題だと思ってたのじゃが、ゆっくりしている暇はなさそうなのじゃ。ルーミーは引き続き原因と首謀者の情報を頼むのじゃ」

「はい」

「魔王様」

「パルはこの魔王城の幹部を調べるのじゃ、案外近いところにいるかもしれないからの」

目的は不明。
人間を襲うということ、魔族が魔物を操ってるということを人間が知ったらまた戦争になってしまうのじゃ。

魔王としてそれは絶対に阻止せねばならぬ。
それに、娘が自由に世界を回れなくなってしまうのは親として見過ごせないのじゃ。

「魔王様、エルフのとこから戻りました。あそことの仲は順調のようです」

「ニーティアか、よく戻ったのじゃ」

エルフとの問題はとりあえず解決、これから魔族と力を合わせて国をより発展させていい関係を築き上げるのじゃ。

「戻ったところで悪いのじゃが仕事じゃ」

「…………はい、なんでしょうか」

ものすごく嫌そうな顔をしておる。

「そう身構えなくて良い。軍の準備をして欲しいのじゃ」

「軍!?もしかして」

「もしもの時に備えてじゃ」

もし、全てが失敗し、本当に人間と戦争になった場合。わらわは戦わなくてはならぬ。
せっかくここまで発展してきた国を、平和に暮らしている民を守る義務があるからの。

じゃが、そんなことはわらわ自らの力も使って阻止する。
人間と魔族の関係を邪魔するやつは絶対に許さないのじゃ!!


とは言うものの、まず情報がないから何もできないのじゃ。

「どうしたの?エミリーちゃん」

「セーハ、お主は本当に神出鬼没じゃな」

「まぁまぁいいじゃん、それで?なにか悩んでるなら相談に乗るよ?」

「昔から世話焼きが好きなんじゃな」

魔王であっても、セーハにはかないそうにないのじゃ。

「伊達にみんなのお母さんはやってないからね」

「お主のおかげではあるがお主から産まれたわけではないのじゃ」

セーハは混血種、わらわもその一人じゃが………の親と言っても過言ではない。
その花粉から作られる特殊な薬によって普通じゃありえない種族同士が交えることができるのじゃ。
その他にも種族繁栄に大きく影響するとても大事な存在じゃ。

「でも、エルフ達は私のこと慕ってくれてるよ?」

「わらわも感謝しておる。じゃからこんなに手厚く扱っておるじゃろう?」

「それもそうだね。それで?悩みがあるんじゃないの?」

「………人間と魔族の間の亀裂が治りかけてる今、それを壊そうとする者が現れたのじゃ。しかもまだそれについては何もわかってないのじゃ」

「そう、でも、なんとかなるんじゃない?」

セーハは何もわかってないからそんな楽観的なことが言えるのじゃ

「こういうのはそう簡単なものでは………」

「大丈夫だよ。だって、勇者くんもいるし、それに今は娘ちゃん達もいるでしょ?」

そうじゃ!もうあの時とは違う。わらわには勇者がおる。それに大事な娘も。
なんだかいける気がしてきたのじゃ!!

「早速勇者に連絡するのじゃ!それと、クロエにも」

クロエのところには四天王をも圧倒する力をもつ勇者並の強さのリィアもいる。
わらわが何もしなくとも安全じゃろう。

あとは勇者とわらわで解決してみせるのじゃ!
あ、でも聖女が許してくれるかの。

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