コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!
奴の目的
次の日になってサーティアさんが目を覚ます。
眠ってすっかり回復したようだ。
「もう大丈夫なんですか?」
「もう平気よ、ありがとう、リィア、ルーナ」
「どうしてあんなことになったの?」
「あんな魔物がいてよく無事だったのだ。色々聞きたいことがあるのだ」
ギルドに報告しないといけないし、それにこれからも同じようなことが起きるかもしれないからね。
「もちろん話すわ。と言っても私も全てを知ってるわけじゃないの。まだまだわからないところは多いわ」
それから、サーティアさんはゆっくりと話し始める。
「私が捕まってたのは地下の部屋だったわ。そこには魔物もいたの。すぐに身構えたけど、魔物達は私に見向きもしなかったわ」
どういうこと?外にいた魔物、それに中にいた魔物は全て私達にはすぐに攻撃してきたのに。
「意図的に魔物を操って捕まえた人は殺さないようにしていたんだね」
「そう、私の他にも捕まってる人がいるかもしれなかったから色々回ったの。その誰もが無事だったわ。一応いつ魔物の気が変わるかもしれないから部屋にいる魔物は倒したわ。さすがに助けるまでは出来なかったけど、せめて誰か助けが来た時にどこに捕まってる人がいるのか把握しようと思ったのよ」
一人で捕まってた人達を助けようとしてたんだね。
「それで最終的に奴の元に行ってしまったというわけなのだな?」
「そう、あのオーガを見た時、死ぬかと思ったわ」
ゴブリンの上位種であるキングやクイーンよりも強力で、個々の力は凄まじいという。
ドラゴン程ではないが、相当ランクの高い魔物だ。
それなのにあのオーガは強化されていて、厄介なことになったんだ。
なんとか倒せたからよかったけど、あの時は本当に危なかった。
「よく無事だったね」
「私を痛めつけるだけだったわ。あ、あと目的も喋ってくれてたわね」
目的?
「なんなのだ?」
「邪神の降臨。魔物を操ってたやつの正体は魔族みたいだったわ。私と捕まった人はその邪神の生贄にするみたいだったわ。魔王がまさかね」
魔族!?
ということは魔王が絡んでるってこと!?
生贄だから捕まってた人は無事だったんだね。
「そんなはずない!お母さんは人をさらうことなんてしない!」
「落ち着いてよ。魔族と言ったら魔王が原因って訳でもないでしょ?」
「そうですね。決めつけはよくないです。妖精の森を襲ったのだってエミリーさんの命令ではなかったんですし、恐らくアドレントの中でも過激な組織があるんだと思います」
私もエミリーさんがこんなことするとは思えない。
それに、目的が邪神降臨だとするならこんなこそこそしたことをするよりも本格的に人間の街を襲うだろう。
それだけの力はあると思う。
「そうね、ごめんなさい、クロエ」
「邪神について話すのだ。邪神は我ら魔人がよく信仰する神なのだ。我やお母さんとてその例外では無いのだ」
邪神信仰は魔族なら普通なことなのか。
邪神といえば邪悪そのものだったり世界を滅ぼしたりするイメージなんだけど。
「邪神って悪い神ってことじゃないの?」
「邪神はそんな神ではないのだ。魔族に伝わる邪神は人々の邪悪な心、考え、負の感情を吸い取ってくれるのだ」
なるほど、邪悪な心を持つ神じゃなくてそれを吸い取るから邪神なのか。
「私も名前しか聞いたことなかったから知らなかったわ。でも降臨するのに生贄を用意するってどういうことなのかしら?」
話を聞くと別に封印されてるわけでもなさそうだから、いるってことだよね?
あ、でも降臨だからこの世界に呼び寄せるのか。
「神を現世に呼び出すのは簡単なことではないのだ。我も詳しいことは分からないが、奴は邪神を呼び出して何かするつもりなのだろう」
邪神は悪い神ってわけでもないのにどうしてこんなことを?
「う〜ん、神を呼び出すのが目的なのか、それとも呼び出した後になにかするつもりなのか…………まだまだ全然わかんないね………あ!」
思いついたようにルーナちゃんが私に小声で話しかけてくる。
(ねぇリィア、ロミス様に聞けないの?神のことなら神に聞くのが一番でしょ?)
そっか!私の中に神様いるじゃん!
(ロミス様、ロミス様!)
(どうしたの?リィアちゃん)
(あの………)
私はロミス様に事情を話す。
神を降臨させる理由とか、その方法とかだ。
(理由は信仰心によるものよ、ほら、好きな人に会いたいって気持ち分かるでしょ?)
(そんな理由なんですか?)
(あとは欲にまみれて神に願い事をするためとか、神を一目見たいだとか、理由は様々ね。信仰心の強さが大きいとそういう人も出でくるんだよ。って知り合いの神様が言ってたよ)
(ちなみにロミス様が降臨したことは………)
(ないよ、私の場合降臨しなくてもこうして現世で関われちゃうからね、あ、もしかして本当の私に会いたいの?)
世界樹の中心で一度会ってるけど、あれは夢の中のような場所だったから現実味がなかったけど、ここにロミス様がいたらそれはそれで迫力があるのだろうか?
(出来れば会ってみたいです。でも生贄とか必要なんですよね?)
(そう、神の降臨にはいくつか条件があるの。まずは依代、神に実体を持つ身体がないから肉体が必要なの。それと、膨大な魔力。信仰心、そして、降臨させたい神が望むもの)
神が望むもの?生贄じゃなくて?
(それじゃあ生贄は?)
(神の降臨で生贄は必要な時もあるけど、基本はないよ。ちなみに私を降臨させたいならリィアちゃんがとっても頑張ればできるよ)
天使でもできるんだ!?いや、天使だからこそできるのか?
(ど、どう?リィア、わかった?)
(わかったような、わかってないような)
「とにかく生贄は阻止しなくちゃいけないわ。また魔物の大量発生があったら止めるわよ」
「わかったのだ」
「うん!」
「わかりました!」
結局どんな目的でこんなことをしたのかはわからなかったけど、絶対に魔族の企みは阻止しないといけない。
眠ってすっかり回復したようだ。
「もう大丈夫なんですか?」
「もう平気よ、ありがとう、リィア、ルーナ」
「どうしてあんなことになったの?」
「あんな魔物がいてよく無事だったのだ。色々聞きたいことがあるのだ」
ギルドに報告しないといけないし、それにこれからも同じようなことが起きるかもしれないからね。
「もちろん話すわ。と言っても私も全てを知ってるわけじゃないの。まだまだわからないところは多いわ」
それから、サーティアさんはゆっくりと話し始める。
「私が捕まってたのは地下の部屋だったわ。そこには魔物もいたの。すぐに身構えたけど、魔物達は私に見向きもしなかったわ」
どういうこと?外にいた魔物、それに中にいた魔物は全て私達にはすぐに攻撃してきたのに。
「意図的に魔物を操って捕まえた人は殺さないようにしていたんだね」
「そう、私の他にも捕まってる人がいるかもしれなかったから色々回ったの。その誰もが無事だったわ。一応いつ魔物の気が変わるかもしれないから部屋にいる魔物は倒したわ。さすがに助けるまでは出来なかったけど、せめて誰か助けが来た時にどこに捕まってる人がいるのか把握しようと思ったのよ」
一人で捕まってた人達を助けようとしてたんだね。
「それで最終的に奴の元に行ってしまったというわけなのだな?」
「そう、あのオーガを見た時、死ぬかと思ったわ」
ゴブリンの上位種であるキングやクイーンよりも強力で、個々の力は凄まじいという。
ドラゴン程ではないが、相当ランクの高い魔物だ。
それなのにあのオーガは強化されていて、厄介なことになったんだ。
なんとか倒せたからよかったけど、あの時は本当に危なかった。
「よく無事だったね」
「私を痛めつけるだけだったわ。あ、あと目的も喋ってくれてたわね」
目的?
「なんなのだ?」
「邪神の降臨。魔物を操ってたやつの正体は魔族みたいだったわ。私と捕まった人はその邪神の生贄にするみたいだったわ。魔王がまさかね」
魔族!?
ということは魔王が絡んでるってこと!?
生贄だから捕まってた人は無事だったんだね。
「そんなはずない!お母さんは人をさらうことなんてしない!」
「落ち着いてよ。魔族と言ったら魔王が原因って訳でもないでしょ?」
「そうですね。決めつけはよくないです。妖精の森を襲ったのだってエミリーさんの命令ではなかったんですし、恐らくアドレントの中でも過激な組織があるんだと思います」
私もエミリーさんがこんなことするとは思えない。
それに、目的が邪神降臨だとするならこんなこそこそしたことをするよりも本格的に人間の街を襲うだろう。
それだけの力はあると思う。
「そうね、ごめんなさい、クロエ」
「邪神について話すのだ。邪神は我ら魔人がよく信仰する神なのだ。我やお母さんとてその例外では無いのだ」
邪神信仰は魔族なら普通なことなのか。
邪神といえば邪悪そのものだったり世界を滅ぼしたりするイメージなんだけど。
「邪神って悪い神ってことじゃないの?」
「邪神はそんな神ではないのだ。魔族に伝わる邪神は人々の邪悪な心、考え、負の感情を吸い取ってくれるのだ」
なるほど、邪悪な心を持つ神じゃなくてそれを吸い取るから邪神なのか。
「私も名前しか聞いたことなかったから知らなかったわ。でも降臨するのに生贄を用意するってどういうことなのかしら?」
話を聞くと別に封印されてるわけでもなさそうだから、いるってことだよね?
あ、でも降臨だからこの世界に呼び寄せるのか。
「神を現世に呼び出すのは簡単なことではないのだ。我も詳しいことは分からないが、奴は邪神を呼び出して何かするつもりなのだろう」
邪神は悪い神ってわけでもないのにどうしてこんなことを?
「う〜ん、神を呼び出すのが目的なのか、それとも呼び出した後になにかするつもりなのか…………まだまだ全然わかんないね………あ!」
思いついたようにルーナちゃんが私に小声で話しかけてくる。
(ねぇリィア、ロミス様に聞けないの?神のことなら神に聞くのが一番でしょ?)
そっか!私の中に神様いるじゃん!
(ロミス様、ロミス様!)
(どうしたの?リィアちゃん)
(あの………)
私はロミス様に事情を話す。
神を降臨させる理由とか、その方法とかだ。
(理由は信仰心によるものよ、ほら、好きな人に会いたいって気持ち分かるでしょ?)
(そんな理由なんですか?)
(あとは欲にまみれて神に願い事をするためとか、神を一目見たいだとか、理由は様々ね。信仰心の強さが大きいとそういう人も出でくるんだよ。って知り合いの神様が言ってたよ)
(ちなみにロミス様が降臨したことは………)
(ないよ、私の場合降臨しなくてもこうして現世で関われちゃうからね、あ、もしかして本当の私に会いたいの?)
世界樹の中心で一度会ってるけど、あれは夢の中のような場所だったから現実味がなかったけど、ここにロミス様がいたらそれはそれで迫力があるのだろうか?
(出来れば会ってみたいです。でも生贄とか必要なんですよね?)
(そう、神の降臨にはいくつか条件があるの。まずは依代、神に実体を持つ身体がないから肉体が必要なの。それと、膨大な魔力。信仰心、そして、降臨させたい神が望むもの)
神が望むもの?生贄じゃなくて?
(それじゃあ生贄は?)
(神の降臨で生贄は必要な時もあるけど、基本はないよ。ちなみに私を降臨させたいならリィアちゃんがとっても頑張ればできるよ)
天使でもできるんだ!?いや、天使だからこそできるのか?
(ど、どう?リィア、わかった?)
(わかったような、わかってないような)
「とにかく生贄は阻止しなくちゃいけないわ。また魔物の大量発生があったら止めるわよ」
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