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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

転移の魔法

私達は温泉でゆっくりしつつ数日休んだ。
その間はテナちゃんと遊んだり、ルーナちゃんとイチャイチャしたり、クロエさんと魔法について語ったり、サーティアさん剣の打ち合いをしたりと色々しながら過ごした。

ちなみに、ルーナちゃんとの関係はまだみんなには話していない。
気まずくなったら嫌だし、私とルーナちゃんも大っぴらにイチャイチャしたりはしない。いつものスキンシップはするけど、前とそんなに変わらないからね。

「そろそろこの街から出発するわよ」

「そろそろ身体がなまるのだ。依頼は受けるのか?」

「いい依頼を見つけたのよ」

サーティアさんが依頼の紙を出す。

えーっと、なになに?
この先の村の近くで魔物が大量発生、調査はCランク以下、討伐はBランク以上。

「情報が全然ないね。どんな魔物とかもわかってないの?」

「確かゴブリンとかウルフとかって言ってたわ。ただし量が量だから上位個体がいるかもしれないってことでこのランク設定なんでしょうね」

「燃えてきたのだ!火龍を倒した我らに不足はないのだ!」

ゴブリンか…………正直苦手というかトラウマなんだよね。
今回はアネラさん達もいることだから私は後方で魔法援護だけにしてようかな。

「アネラさん達も一緒ですよね?」

「そうね。それと、アネラ達以外にも受けている冒険者はいると思うわ」

なるほど、それだけ大規模な魔物の群れが確認されてるってことか。それなら早く行かないと村が危ないかもしれない。


ということで、名残惜しいけどこの温泉の街から出ていく。テナちゃん元気になるといいな。

ア「まだあの温泉の気持ちよさが思い出せる。もう入れないって思うと悲しいわ」

サ「そうね、でもいつまでもあそこにいる訳にはいかないじゃない。お金も無限ではないのだし」

オ「火龍を倒して英雄気分をもっと味わえばよかったのに」

リ「なかなか気まずいんですよアレ。街のみなさんが挨拶する度にびっくりしますから」

ル「それはリィアだけでしょ?」

いやいや、知らない人からいきなり笑顔で挨拶されたらびっくりするでしょ?え?しない?するよね?

ク「人気者は気持ちがいいのだ!それとせっかくテナとも仲良くなったが、今は戦いたいのだ」

テナちゃんとクロエさんは分かり合えることが多く、この休みの間はずっと一緒にいたらしい。
ドラゴニュートは半分人間とはいえ魔族らしいから似通った境遇で共感できることが多かったのかもね。

エ「ま、そんなに気に入ったのならまた来ればいいじゃない。それができるお金も時間も力もあるんだから」

それもそうだね。気に入ったならまた来ればいい。
こういう時ゲームみたいにワープ出来たらいいのにね。
大体のRPGなら街とか大事な場所にすぐ飛べるようになるのに。

(ロミス様!そんな便利な魔法とかってないんですか?)

(あるよ)

(ですよね……そんな都合のいい魔法なんて………あるんですか!?!?)

(契約魔法と空間魔法の応用。召喚魔法というのがあってね)

召喚魔法は何度か見たことがある。魔王の四天王と戦った時にとどめのところで逃げられた。あれは魔王が四天王を召喚したってことだ。

(って違くて、私達を移動させたいので召喚魔法じゃ………)

(別に召喚魔法は術者が絶対必要ってわけでもないんだよ。魔法陣って分かるかな?魔導具とかに使われてると思うんだけど)

(わかりますわかります!本でも結構勉強しました)

魔法陣ってすごいかっこよくて中二病心をくすぐるんだよね。

(それじゃあ1回人気のないところに行ってみて)

「リィア?また考え事してる?」

「ルーナちゃん!ちょっと聞いてください」

私は隣にいるルーナちゃんと小声で会話する。

「実は私、私の中にいるロミス様と会話ができるんですけど」

「え!?そうなの!?」

「しーっ!なのでこれまでちょくちょくぼーっとしてたのはロミス様と話してたからなんです」

「そうだったんだ。邪魔しちゃってごめんね?」

「いえ、私こそ心配かけてすみません。あと、この後少し一人にさせてください」

「う、うん」

「すみません、私、少しいいですか?」

旅の途中だってトイレに行きたくなることはある。人間じゃないとはいえ食べたものが突然消滅するわけでもないのでトイレには行く。とはいえここは異世界。外に都合よくある訳でもない。

もう何年もやってきているので外ですることにも慣れたものだ。今回は違うけど、上手いこと利用する。

サ「わかったわ、待ってるからささっと済ませるのよ?」

私は適当な茂みに入る。

(こ、ここでいいですか?)

私が聞くとロミス様が私の中から出てくる。

「大丈夫だよ〜、あとはここにこうして………はい完成」

ロミス様は木の枝で器用に模様………魔法陣を描いていく。

「あとは消えないように地属性魔法で固めてくれる?」

「あ、はい」

私が乗れるくらいの魔法陣ができる。

「あとは真ん中に魔石を埋めて、できるだけ大きいやつか沢山ね」

私はまだ売ってない魔石を魔法陣の中心に埋める。

「このくらいでいいですか?」

「それくらいあれば往復できそうだね。あとは魔力を込めて詠唱するだけで飛べるはずだよ」

ロミス様が詠唱を教えてくれる。

「繋がりの契約、我をかのもとへ連れて行け!転移テレポート!」

一瞬にして景色が変わる。ここは………

「はい!到着。どう?割と簡単でしょ?」

ここはエルフの国近くの妖精達がいた世界樹の中心だった。

「ここにも魔法陣があるでしょ?こういう風に各地に魔法陣を描いておけばいつでも来れるって訳。契約魔法は魔力的繋がりを作る。つまり遠くの魔法陣とこっちの魔法陣を契約させることによって繋げる。あとは魔法陣を発動させて身体を飛ばすの」

原理は私にはよくわからないがとにかくなんとかなるらしい。魔法の力ってすごい!

その代わりごっそり魔力は使うみたい。私が一度の魔法でここまで疲れるのは光の最上級魔法、ディバインパニッシュやアンチマジックサンクチャリをするくらいだ。
あれほどじゃないけどこのテレポートも結構な消費量だ。

「なるほど、ちなみにみんなと一緒に転移したい時は」

「大きな魔法陣と魔石、術者の魔力が必要だよ」

「なにか感じる思ったらロミス様とリィアさんじゃないですか。まだ結界は大丈夫ですよぉ?」

私とロミス様で話してると妖精の長であるネマがくる。

「転移の魔法を教えてたの。あ!そうだ、ねぇネマ、各地に転移の魔法陣を描いておきなさい」

「え!?なんで私が………」

「神託だよ神託。今から描く場所言うからよろしくね」

「えっちょっ」

ロミス様がネマに触れる。

「これで忘れないでしょ?それじゃあよろしくね。ばいばい。繋がりの契約、我らをかのもとに連れて行け!転移」

今度はロミス様の詠唱で元の場所に戻ってくる。

「行きたい場所を決めるには魔法陣をいじくるか私に頼んでね」

「他の人は使えないんですか?」

「ん?転移は私しかできないよ。他の神ですら転移魔法は使えないもの」

え?転移魔法ってそんなすごいことだったの!?

「私が他の世界に行けるのは契約魔法のおかげだからね。この方法は私がいないと成立しないんだよ」

召喚魔法で呼び出すことはできるけど自由に転移できるのはロミス様以外は出来ないらしい。

ル「リィア!リィア!」

リ「ルーナちゃん?」

いつの間にかルーナちゃんが来ていて抱きしめられた。泣いてるの?

ル「いきなりいなくなったから………」

あ〜、転移したこと、ルーナちゃんならすぐにわかっちゃうんだ。

リ「すみません。正直に話します」

私は転移魔法のことを話す。

ル「信じられないんだけど………けど、ロミス様が一緒ならまぁ?」

ルーナちゃんには私の正体とか色々話してあるので理解が早くてたすかる。

リ「そういうことなんです」

ル「それでも!ちゃんと事前に言って!いい?リィアにあたしの一生を捧げるんだから!何も隠さないで!」

リ「ご、ごめんなさい。気をつけます」

サ「リィア〜、ルーナ、そろそろいいかしら?」

リ「す、すみませ〜ん!」

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