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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

お菓子でお礼

冒険者ギルドで私達の捜索依頼のお礼金をもらう。私達は探される側だからこの報酬は全部ウィドさん達のものだ。

依頼主は誰だったんだろ?

「あなたがたが勝利の星達で間違いないですか?」

受付の人が私たちの方を見て聞いてくる。

サ「え、そうだけど、どうして私達のことを?」

「それじゃあ蝶の舞のみなさんは………」

ア「あれ?ウチらのことも知っとるんか」

「はい、依頼主からの手紙を預かってます」

え!?依頼主って私たちの知ってる人?手紙ってことはもうこの街にはいないのかな?

サ「何かしら………?ってこれは」

ル「なんて書いてあるの?」

サ「読んでみるわね」

手紙にはこう書いてあった。

(よう、元気してたか?レンツだ。覚えてないかもしれないが、シャトルのダンジョンでお前らを助けた深き探索者のリーダーだよ。女の子の冒険者パーティって聞いてすぐにピンときた。今回は他のヤツらに任せるがお前らなら無事だって信じてたぜ。ま、依頼のお礼はいいってことよ、卒業試験の借りだ。それじゃ、お互い元気でな、またどっかで会うかもしれないな)

えぇー!?レンツさん達この街に居たの!?
もちろんシャトルのダンジョンのことや卒業試験のことは覚えている。

ク「世界は案外狭いのだ」

サ「そうね、さすがに驚いたわ」

ア「ウチらのことも覚えててくれてたんやね」

今度また会えたらその時はまたお礼をしなきゃね。

シ「それじゃあ解散ね!改めて無事でよかったわ」

サ「ええ、こちらこそありがとう!」

ア「ほんまに助かったで!ありがとう!」

ということで、一旦宿に戻る。明日はノーラさんが教えてくれた教会でお菓子を作る予定だ。その前に材料をちゃんと用意しておかないと………あと、道具の確認と作るものも考えなくちゃ

ル「リィア、明日のことは明日考えよう?今日はもう休もうよ」

うっ、ルーナちゃんに明日のことで色々考えてるのがバレてしまった。

久しぶりに宿のお風呂に入ってパジャマに着替える。ん〜、やっぱり寝る時はパジャマだよね〜いつか自分で布団とか色々全部揃えたいね。そしたら服を着なくても寝れそう。1回くらいはやってみたいよね。

ル「明日はもちろんあたし達も手伝うからね」

ク「借りは必ず返すのだ」

サ「できることがあるならなんでもいってちょうだい」

それは頼もしい。
ちなみにアネラさん達にもこのことは伝えてある。ダンジョンで疲れたから明日はゆっくり休むと言っていた。


次の日、私達はお菓子の材料の他にも色々食料を買いに行く。ダンジョンで結構消費しちゃったから調味料以外はもう心もとない。

「それで?今日は何を作るつもりなの?」

「無難にクッキーを作ろうと思います」

砂糖とかの調味料はまだあるし、買うのは小麦粉や卵くらいだね。ココアやチョコみたいなのはなかなかこの世界じゃ見られないから乾燥フルーツで代用したりもできる。

「思ったより高いのだ」

「仕方ないわよ、お菓子なんてそもそも貴族が食べるようなものだし。お金はもらってるんだからいいじゃない」

もらったお金じゃちょっと足りないくらいだけど、買ってるところを見られてるわけじゃないからこれくらいならバレないよね。

材料を買って、ノーラさんが言っていた教会に行く。

「よく来てくれましたね。ここにある台所は自由に使ってください」

ノーラさんが歓迎してくれる。そういえばここはどんな神様の教会なんだろう。ビクトレアや王都にもあったけど、そこもよくわかんなかったなぁ。

「はい!ありがとうございます。あの、気になったんですけど、ここはどんな神様を信仰する教会なんですか?」

「ここは昔から契約の神、ロミスを信仰する教会なんですよ」

えぇ〜!!?まさかのロミス様?私以外に信者いたんだ。

(し、失礼ね!私にだって信者の1人や2人いるよ!他の神と比べたら少ないけど………確かにマイナーな神様だけど)

(あー!ごめんなさいごめんなさい!そういうつもりじゃないんです!)

神様が拗ねてしまった。

(いいもん、私の信者はこっちの世界より地球の方がいるし、それにリィアちゃんがしっかり信仰してくれてるからね!)

開き直りも早い神様だなぁ。

「ロミス?どこかで聞いたような……どこだったっけ?」

「こら、失礼でしょ?」

「多分妖精が話してたんじゃないですか?ほら!エルフの国で行方不明になった時の」

「あー!思い出した」

実はその方がルーナちゃんのお母さんですとは言えないね。

「どの神を信仰するかは人の自由なのだ」

「まぁまぁ、立ち話でもなんですし、ゆっくりしていってください。子供たちが少し騒がしいかもしれませんが………」

「ふふふ、それには及ばぬ。我は子供たちの相手をしてくるのだ!!邪魔が入る前にお菓子を作ってくるのだ」

「それってクロエが遊びたいだけなんじゃ………」

「それじゃあ私達はお菓子作りにしましょうか」

「私も何か手伝えることがあるなら手伝いますよ」

「いえ、ノーラさんは待っててください。せっかくなので子供たちの分も作っちゃいますね!」

ここの孤児院はルーナちゃんがいたところよりも人数が少ないから材料は足りそうだね。

「よし!それじゃあ始めますか!」

私とルーナちゃん、サーティアさんそしてなんだかんだで手伝ってくれたノーラさんでクッキーを作る。生地をこねる役としてサーティアさんが頑張ってくれた。
ルーナちゃんとノーラさんは卵を割ったり、調味料の量をはかってくれたり、繊細なことを頑張ってもらった。
火加減は私が頑張って調節して上手いことクッキーを焼くことが出来た。

「みなさん手伝ってくれてありがとうございます」

「ふぅ〜、お菓子作りって結構大変なんだね」

「もう腕が疲れたわ………」

「美味しそうにできましたね」

「それでは子供たちの分はお皿に、お礼の分はこれに包みましょう」


よし!これで完成だね。お菓子作りは久しぶりだったからレシピを思い出しながらだったけど、美味しく出来たみたいだ。小学校の時の調理実習を思い出すよ。

「リィアさん、ありがとうございました。子供達の分まで………」

「いえいえ、ついでですから、もちろんお代は結構です」

「いえ、そういう訳には」

「まぁまぁ、そこはほら……この教会使わせてくれたってのもあるし!気にしないで」

「…………わかりました」

クッキーをのせたお皿を子供達のもとに持っていくとわらわらと集まってくる。

「………うぐぐ、やはり子供はあなどれないのだ」

子供達の後ろに髪がボサボサになっていかにも疲れているクロエさんの姿が……

「一人だけ楽してると思ってたけど、そっちはそっちで大変だったみたいね」

子供たちにも感謝されつつ一緒にクッキーを食べる。

「ん〜、甘くて美味しい」

うん!ほんとに調理実習って感じだね。さすがにミルフィさん家や王城で食べたお菓子と比べたら劣るけど、十分美味しくできてる。

シェイルさん達の分はノーラさんに渡してもらうことになったので、私達はアネラさん達の分を持って帰った。

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